4話 初めてのクエスト!
俺たちは、ルフレが持ってきた木の伐採のクエストを受けることにした。
レンジは最後までエンシャントドラゴンのクエストを受けたいとダダをこねていたのだが、やっと俺達の冒険が始まったばかりなのにドラゴンに殺されて終わってたまるか!
俺たちは、クエスト場所の東区の方に向かった。
目的の場所に到着すると木の前で座ってるおじいさんがいた。
80歳くらいの見た目をした白髪で座っている側におじいさんのであろう杖があった。
「あっあれが受付の人が言ってたおじぃちゃんかな?」
「そうみたいですね。」
~クエスト受付時~
クエストの受付の際にレンジが受付嬢に質問していた。
「なんでこんな簡単なクエストあるんだ?木を切るなんてめっちゃ簡単なのに」
「はい。クエストは魔物の討伐以外にも市民の皆さんの困りごとも含まれるんですよ。
今回のクエストだと、おじいさんが歳ということもあって毎年この時期になると頼まれるんですよ。でも、毎年FからDランクの方々が受けるんですけど皆さんいつもクエストをリタイヤされるんですよね~それと、このおじいさんは礼儀に厳しいので気をつけてくださいね」
不気味な笑みをこぼした受付嬢にレンジを除く3人は苦笑いをしていた。
~現在~
俺は、受付の人が言ってたのを踏まえ丁寧におじいさんに声をかけた。
「あのーすみません。木の切り取りのクエストを受けた者なんですけど、依頼者の方ですか?」
「ああ?なんじゃい、まずは名前を言うのが礼儀じゃないのか!」
一気に緊張感が走る。
「すみません。僕はラノスと言います」
「俺はレンジっていうぜ」
「僕はルフレと申します」
「私はミアって言います」
おじいさんはじっくり俺達4人の事を見てからため息一つをしてから話出した。
「んん、分かった、、、わしはスルカって言ってなこの木を管理しているんだがもう見ての通り歳でな、、数年前から依頼して頼んでるんじゃ」
そこからスルカが色々話してくれた。
この木は普通の木とは違って魔力が栄養源で育っているらしく普通の斧で切ろうとすると斧のほうがぶっ壊れてしまうくらい頑丈の木のようだ。
魔法をまとう『アーマ』で自分の身体強化と斧も一緒に付与してやっと木を伐採できるみたいだ。
「任せてください!私たちが伐採しますのでスルカさんは、ゆっくりしていてください。」
スルカは「ありがとう、よろしくな」と二言だけ言ってまた座った。
「みんなまずは一緒に切ろう。」
「いや、俺は一人で採ってやる。見てろよー」
レンジは手前の木に走って向かい《アーマ》で自分と斧を強化し「うおぉぉ!」と大きく叫びながら大きく斧を振りかざし渾身の一撃をぶつけた。
すると、キーーーーンと金属同士がぶつかり合ったような音が響いた。
レンジの斧が弾かれたのだ。
その振動が手にきて痺れていた。
「っつ、、いってぇぇー」
あまりの痛さにもがき苦しんでいた。
「大丈夫ですか?」
ルフレが大声でレンジに声をかけながら3人はレンジの所に走って行った。
レンジは3人の前で痛がってるのが恥かしかったのかすぐさま立ちあがり顔が真っ青になりながら「あーなるほどね、まぁまぁの硬さじゃん」とカッコつけた。
するとスルカが大声で笑いながら話しかけてきた。
「はっはは、硬いだろう。それを前は俺一人で採っていたんだぞ。それにお前ら冒険者になってまだ日が浅いだろう」
「はい、今日冒険者になってこれが初めてのクエストなんですよ」
「なんで、そんなことが分かったんですか?」
ラノスはスルカに質問するとスルカは立ち上がりレンジが切ろうとしていた木の所まで歩いてきた。
「ガキ共よーく見てろよ。」
そう言いながらスルカは、レンジが使っていた斧を拾い《アーマ》を自分と斧に纏い木に一撃を加えると、先ほどまで無傷だった木にヒビが入りミキミキと音を鳴らしながら木が倒れた。
すると、スルカは今の一撃で疲れたのかフラフラしながら倒した木に腰をかけた。
「す、すごーい。スルカさんどうやったんですか?」
スルカは服の内ポケットに入っていたタバコを取り出し、一服しながら話してくれた。
「さっきの質問から答えると、さっきの小僧えーとサンジだったか?」
「レンジだ」
「そうそう、そのサンジのアーマを見ると成長途中のように見えた。」
「レンジだ!」
「サンジのアーマは無駄が多すぎるんだ」
「もういい」
「駆け出しの冒険者ってところだろ。《アーマ》が外に抜けて行ってるからすぐ分かる。それとさっきの質問を返すと俺は《アーマ》に無駄がないように魔力を流しているから出来たそれだけだ」
俺は、俺達はこのままではダメだ。
これからどんどんランクあげて俺達の夢を叶えるために強くなってお金も増やさなくてはいけない。
それに夢だけじゃなくて俺達は冒険者だからこれから強い魔物と戦うことがあると思う。
そこで自分達の身を守る事。
俺はこっちの世界に来てから一緒に過ごしてきたミア、レンジ、ルフレ、この仲間達とこれからも一緒にいられるように強くなって皆を守れるくらいになんなくちゃいけない。
そこで俺は、3人に相談をした。
内容としては、スルカにこのクエスト期間の2週間の間特訓してもらうようにお願いをして、強くなろうという相談だ。
まずは、お願いからだ。
ここがダメだったらたぶんクエスト期間中の間に木を切ることはできないと思う。
恐らくこのクエストでリタイヤが多いのは、《アーマ》を無駄なく出来るのはE、Dランクの中でもそんなにいないからだ。
このスルカって人は昔はもしかして相当の実力者だったのかも知れない。
こんな人に教えてもらえたら俺達はもっと強くなれると思う。
そこで俺達でシンプルに頭を下げてお願いをした。
「スルカさん!僕達(私達)に稽古をつけてください」
「いいぞ」
「皆で強くなりたいんです。おねがい、、、え?」
「いいぞ暇だし、、でも三つだけ条件がある。」
「はい!何でも言ってください。」
「1つ目、どんなにキツくても最後まで着いてこい。一人でもリタイヤするような奴がいたらすぐに稽古辞めて帰ってもらう。2つ目、これからスルカさんじゃなっくて全員俺の事は師匠と呼べ。3つ目、毎年この木の伐採依頼を出すんだけどお前達がこれからも刈るようにしろようにしろ。この3つだけ守ってくれば俺が残りの2週間で強くしてやる分かったかお前ら!」
「「「「はい!!師匠」」」」
そこからの記憶はあまり覚えてない。
覚えてるのは、めちゃくちゃスパルタの稽古で師匠を嫌いになりそうだったってことと師匠の正体ってことだけだ。
稽古は、1日中アーマの状態で過ごし少しでも無駄な魔力が出るとぶん殴られる。
しかしミアはお気に入りなのか優しく「ちょっと無駄な魔力が出ていってるから、もう少し肩の力を抜いて全身の魔力が流れるのをイメージしながらやってみよっか」と言っていた。
あの変態師匠許さねぇと思っていたが、1週間も稽古つけてもらうと少しづつだが、何となくイメージがわいてきた。
途中レンジはリタイヤしようとしたが怖くて言えなかったそうだ。
そんなレンジやルフレも俺と同じように、できるようになっていた。
ミアは、こうゆう繊細な魔力のコントロールは得意だったようで1週間経つとミアだけは師匠にも認められる才能の速さで成長をしていった。
そして、2週間経つと流石に師匠のように一人ではまだ木を切れなかったが4人で力を合わせて切れるようになっていた。