45話 王室の間
「おい、今の話は本当なのか?」
「本当です。そこの倒れてる女と一緒に捕まえたんですよ」
ラノスは倒れているリリスの方に指をさす。
姫はラノスが指す方向を見ると床で女が倒れているのに気づいた。
「なぜこの女は床で寝ているのじゃ?」
姫はリリスが寝ていると思ったらしい。
ボケてる表情はしていない。
本気で寝ていると思ったのだろう。
まさか自分がリリスを吹っ飛ばして倒れてるなんて思ってないらしい。
「さぁ?なんででしょうね」
「まぁよい、それより先ほどの話の続きを聞きたい。
こっちに来るがよい」
ラノスは姫に言われるがままついて行った。
その時、背後から殺気を感じた。
瞬時に後ろを振り返ると、両手に魔力を貯めたリリスがこちらを睨んでいた。
幸運な事に姫はリリスの事に気づいておらず歩いている。
「あのガキよくも私を吹き飛ばしやがったな」
リリスは両手に魔力が溜まり、それを俺と姫めがけて放とうとしている。
姫だけなら分かるが、何で俺まで狙ってるんだ!?
リリスの魔力の量は魔王並だ。
そんな魔力を持っているリリスが今魔法で俺達を狙っている。
もちろん、そんな攻撃まともに食らえば一発でお陀仏だ。
それどころか、この城の崩壊を起こすレベルだ。
ラノスは足に《アーマー》を集中させた。
そして、離れているリリスとの距離を一瞬で詰めた。
近づいたなやいなやラノスの右手の手とうを食らわせる。
ードン!
思いのほかいい音がリリスの頭から奏でられた。
「いったいわねー!なにすんのよ!」
「いや今お前!俺と姫様殺そうとしてたろ」
「だって、私あのガキに恥かかせられたのよ!」
リリスの言いたい事も分かる。
小さな姫に思いっきり吹っ飛ばされたんだからな(笑)
そうとうプライドが気づづけられたんだろう(笑)
しかし、殺そうとするのは間違っている。
こんなにすぐ殺そうと思うのは魔力が多いからなのか。
リリスの事は今、ベアーさんに調べてもらっている。
だが、ラノスも時間がある時に本などを読んでリリスの事を調べていた。
そこでとある本を見つけた。
それは魔力に関する本だった。
魔力は名前の通り魔の力と書く。
内容は魔力量が多い生物ほど悪の心を持つ傾向が多い事だ。
実際に魔物は多くの魔力を保持していて、生物達を殺していく。
リリスは以前ベアーの所で調べた時に魔力量は測定不能と記載された。
本の事が確かなら、リリスはもの凄い悪という事になる。
しかしこの本には根拠となる事は書いていなかった。
でも、カッとなると相手をやりすぎてしまう事や最悪の場合だと殺してしまう事もある。
実際リリスは以前500万Gの男達を最初殺そうとしていた。
なんとか抑えてボコボコにする事くらいまでには済んでた。
この事をラノス自身考えていた。
リリスと一緒にいる時間が長いという訳ではない。
出会いは最悪ではあったが、2人で色々な事を経験した。
依頼や買い物、飯だってほぼ毎日一緒にしている。
うん、奴隷のような扱いだったけどまぁ楽しかったと思う。
そしていい案が思いついた。
それは――
「なぁリリスキレてすぐ殺そうとかするの辞めろよ」
「そんなの周りが私をイラつかせなければいいのよ」
「リリス俺は、お前が誰かを殺すのなんて見たくないんだよ」
「えっ!!」
それは感情に呼びかける事だ。
普通に言ってもキレて俺がボコボコにされるだけだ。
なので心にも無いくさいセリフなら効くのではないのかと思った。
「だからさ、お前の綺麗な手を汚さないでくれ」
「……ラノス」
決まった。
思ったとおり褒められるのがあまり慣れていない。
褒められるとすぐ調子乗ってしまう事が多いリリス。
それを活かしたのだ。
「ラノス言ってる事キモイわよ、まぁ今回はあなたに免じて許してあげるわ」
「えっあぁ、ありがとう」
ラノスの言葉に少しでも響く事があったのか、許してくれれた。
すると姫の声が聞こえた。
後ろを振り返るとラノスがいなかった事に気づいたのだ。
「男、早く来るのじゃ!」
「ほら、リリス姫が呼んでるから行くぞ。
それに依頼達成したから報酬貰えるぞ!」
「おおー王家の宝物庫から貰えるとかいうやつか!
早く行くわよラノス!」
リリスはラノスの腕を掴み猛ダッシュで姫の方に向かった。
連れてかれる時ラノスは先ほど思った事を思い出す。
(リリスは魔力量がただ多いだけで、悪の心があるはずないよな。多分こうゆう報酬とかの話を聞くとはしゃぐ辺り、子供なんだろうな)
♢
ラノスとリリスは姫について行くともの凄い大きな部屋に着いた。
やはりこの部屋も他の部屋同様、豪華な部屋だった。
ラノスとリリスはソファーに座っていると執事らしい人がやって来た。
「ラノス様、リリス様飲み物は何がよろしいですか?」
「俺はコーヒーで」
「私はなんでもいいわ」
「承知しました。
姫様はいつものでよろしいですか?」
「頼むのじゃ」
「承知しました」
執事という事もあり紳士的な人だった。
顔もイケているオジさんだったのでカッコいい人だった。
「それじゃあ本題を話そうかの」




