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セレスティアル  作者: たくレイ
第二章
41/60

40話 寝起きにご注意を

 ラノスは、オークが群がる集落で固まっていた。

 バレたわけではない。

 衝撃的な光景を目にしてしまったからだ。


 オークの小さな小屋にて捕まっている魔族の女性。

 ・・・・って


 (何でお前が捕まってんだよ!?リリス!!!)


 何してんのアイツ!

 おかしいだろ!

 お前ヒーリング草の採取していただろ!


 ラノスは、混乱する頭を抱えながら《空間把握》を使う。

 小屋の見張りは4体、室内は2体といったところだな。

 リリスは、ぐっすり眠っているようだ。

 

 それにしても、オークに美女ときたか・・・まずいよな。

 オークの種族的特徴として挙げられるのは、とてつもない繁殖力と食力だ。

 基本的にオークは種族問わず、女性を巣に持ち帰り子供を孕ませる。

 女性から産まれて来るのは、オークだけ。

 女性は自分が魔物の子供を産んだと知り心が壊れ、死に至るとされている。

 そもそもが、オークに犯された時点で心が壊れる者も数多くいる。

 

 他にもオークは食力が旺盛であり、日に数十キロの食事をする。

 雑食でもあり、何でも口にして食べていく。

 草、実、肉、穀物などと幅広い。

 オークの群れが村などに攻め込んだ時には、そこには何も残らない。

 食料も建物も生き物などもだ。


 そんな危険なオークの目の前にいるリリスはとても危険だが、俺はオーク達の反応に違和感を感じていた。

 確かにリリス相手に欲情はしている。

 しかしこれは、、、


 (恐怖か)


 そうだ。

 オークから感じ取られるのは、確かな恐怖だった。

 リリス相手にか?

 リリスは、最上位デーモンの魔族だ。

 魔物だから何か感じるものがあるのかも知れない。

 

 だがこれは、ラッキーだ。

 リリスはまだ何もされていない。

 ただ眠って捕まっているだけ。

 それならやる事は一つだけ。


 「よし助けよう」


 

 「ブモォー!」


 騒がしく響き渡るオークの雄叫び。

 集落は今、何者かの襲撃により混乱の極みだった。

 姿の見えない者に、同胞が1体、1体と消えていく。

 相手はまるでこちらの動きがわかっているのか、暗闇の中でも確実にこちらを仕留めてきている。


 「ブモォ、ブモォ」


 新しい同胞の死体が見つかった。

 死体を見ると、喉元と脳に二つの線がある。

 恐らく、喉を潰した後に頭を切りつけたのだろう。

 

 オーク達は、恐怖していた。

 見えない敵の存在、抵抗も許されず殺された同胞の姿に。

 今この時も何処かで殺されているかも知れない。

 

 恐怖は伝わっていき、やがてそれは集落全体へと広がっていく。


 「ブモォー!!」



 「14体目と」


 ラノスは物陰に隠れ、始末したオークを数える。


 リリスを助ける決意をしたラノスは、集落に混乱を広める為にオークを暗殺し続けた。

 音を立て誘き寄せたところを、孤立したところを、物陰に隠れながら確実に1体1体殺していく。

 

 オーク全体に真正面から攻める。

 流石に今の俺でもこれは自殺行為だと思う。

 1体2体なら問題ない。

 しかし、数が数だ。

 不意を突かれて呆気なく死ぬ、なんて冒険者にはよくある事だ。

 だからこそ、より確実に相手を倒し生き抜く。


 「そろそろだな」


 オークがそれぞれのグループに分かれ出した。

 これでは、各個撃破はできない。

 でもこれで良い。

 密集して集まるというのは俺にとって好都合だ。

 

 「よし、いなくなったな」


 リリスの所にいたオーク達もいなくなり、俺は小屋の中に入ることができた。

 小屋の中には特別な物は特になく、リリスの寝息しか聞こえない。

 

 「ったく。ぐっすり寝てるよ」


 ほんと何で捕まったんだコイツ。


 「おいリリス。起きろ」


 俺は、リリスを揺さぶる。

 相当深い眠りについているのか、首がガクンガクンと動いても起きる気配がない。

 オークにいつ気づかれるかもわからない。

 早く目を覚まさせたいが、これは無理だな。

 急いでいるという事もあり、起こすのは諦め俺はリリスを抱き上げる。

 容量はお姫様抱っこに近い。

 

 ドアに近づき開けようとする俺だが、そこで《空間把握》に1体のオークが近づいた事を知らせる。

 ドアの前まで来た。

 この小屋の出口はここ一つだけ。

 ドアノブに手を近づけるオークだが、それは最後まで叶わなかった。


 「オラーー!」


 ラノスは力強くドアを蹴り上げ、オークを吹っ飛ばす。

 その音が聞こえたのか、何体かのオークが集まりだす。

 

 「ああクソ!結局バレるんだよな」


 俺は、逃げ道を探す為に左右に首を振る。

 ・・・あそこだな。

 俺は、一点の逃げ道を見つけ走りだす。

 


 までは良かった。


  

 お姫様抱っこと慣れない体制という事もあるが、蹴り飛ばしたドアの木片に足を躓き倒れ込むラノス。

 その際、リリスは地面に転がる。

 

 「んんん、何よ一体・・・ッ!?」


 衝撃によってか、目を覚ますリリスは周りを見渡し固まる。


 

 さてここで問題です。

 野生で暮らしているオーク達は衣服を着ていると思いますか?

 

 答え:着ていません


 

 因みに、オークは例外なく全員が雄です。

 

 

 リリスの目には、オークの汚らしくグロテスクな物が目に焼き付いてしまった。


 「あっ、やべ」


 ラノスは、この先の展開を容易に想像してしまった。

 男3人組の時もそうだ。

 リリスは男の体に耐性がない。


 そんなリリスが見つめる先、、、ラノスは全身に《アーマ》を全力で掛け、衝撃に備える。



 「きゃあああああああああああああああああああ!!!」

 




 オークの集落は一晩で消え去ってしまいました。

 1人の女性の声と共に。

 

お読み頂き、ありがとうございます。

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