38話 何もながっだ!
「ふぁ〜〜あ。よく寝た」
俺は朝の日差しに当てられながら、起き上がる。
近くのベットには、リリスが眠っている。
ちなみにリリスは、5つあるベットのうちの4つを繋げて眠っている。
何でも『これぐらい広くないとね』との事だった。
俺は、別にベットを繋げるつもりもなかったから特に反論もしなかったが、内心引いていた。
コイツ、キングサイズじゃなければ眠れないなんて言わないよな。
「ううん」
おっ、リリスも起き上がったようだ。
「おはようリリス」
「おはよう」
リリスの布団が捲り上がる。
布団の下には・・・っ!?
俺は顔を横に背けた。
「おい服」
全裸というわけではない。
ワンピース状の物を着ているが、今は肩元の紐が腕の方にまでズレており、リリスの肌白い胸元が見えそうで非常に扇状的だ。
リリスは、寝ぼけており未だラノスが目を背けている理由が分からない。
リリスは、ゆっくりと自分の服装を見た。
「ああ、何だこのことか」
「このことってお前なぁ〜」
「私は、自分の美貌には自信がある!」
「ああ、はいはい綺麗綺麗早く服装整えろ」
「つまんない奴だな〜」
リリスは心底つまらないといった様子で紐を元に戻す。
「ほら直したぞ」
ラノスは、視線をリリスの方を向く。
・・・コイツ本当に美人だよな。
素直な感想だ。
誰が見てもリリスの姿は人目を惹きつける。
魔族の見た目をしているのも拍車が掛かっている。
しかし俺はすぐにまた目線を逸らした。
罪悪感を感じたからだ。
リリスにじゃないぞ。
ミアにだ。
リリスとどうなるつもりもないが、今考えてみると女性と同じ部屋で2人きりというのはマズイのではないだろうか。
ミアはもう死んでいる。
それでも俺はまだ、ミアへの想いは忘れていない。
違うな。
忘れらるはずがないんだ。
ミアだけじゃない。
レンジもルフレもだ。
だからこそ、もしまた大切な人ができた時に絶対に守り抜いて見せると決めたんだろ。
ラノスは胸の誓いと共に頷く。
「?」
リリスはまた目を逸らし、頷くラノスを不思議そうに見ていた。
♢
それから俺達は朝食を終え外に繰り出した。
リリスとの朝食は見ているだけで胸焼けしそうだった。
これじゃあ500万Gもすぐなくなるな。
今は400万Gだけど。
兎にも角にも俺だって特別お金を持っているわけではない。
貯金などはしているが、それはもしもの時の為だ。
簡単に使うつもりはない。
なら稼ぐしかないよな。
「ということで着きました。冒険者ギルド!」
「おぉ〜これが冒険者ギルドか」
アルタイルの冒険者ギルドはさすがと言うべきか、大規模な大きさのギルドだった。
まるで小さな城のようだ。
俺達はギルドの扉を開き中に入る。
中に入ると熱気を感じた。
これは揶揄的な方でだ。
人の多さは勿論の事、大いに盛り上がりっておりよく言えば活気的、悪く言えば熱苦しい。
「騒がしいところね」
「それだけ元気な証拠だよ」
俺はリリスを連れ受付嬢の元まで向かう。
受付嬢は俺達の存在に気づき笑顔を向ける。
「アルタイル冒険者ギルドにようこそ。初めての方ですね?」
「はい。依頼と冒険者登録に来ました」
「かしこまりました。まずは冒険者登録から始めましょう」
「お願いします。登録の方はこの子が受けます」
俺は、隣のリリスを前に出す。
「頼んだわよ」
「お前は何でそんなに上から目線なんだよ」
リリスの相変わらずの態度にラノスは呆れを覚える。
そんな中受付嬢は水晶を取り出す。
「こちらの水晶に手をかかげてください」
「ええ」
水晶は光り輝き一枚のカードが現れる。
「そちらのカードは、身分証の変わりにもなりますので無くさないようにお気をつけください。
それでは、本日はどういった依頼を受けますか?」
「それなら決まっているわね。討伐」
「採取依頼でお願いします」
俺は、リリスの言葉を遮る様に被せる。
遮った事に苛立ちを感じたのか睨むリリス。
「ちょっとなんで採取なのよ?」
「討伐でもいいけど、お前のランクだとたいした値段にならないぞ」
「Fランクの討伐依頼ですとこちらになります」
受付嬢は何枚かの依頼書をリリスに見せる。
リリスは依頼書を読み上げていくが、その顔は段々と苦くなる。
「わかったか」
「そうね・・・採取は?」
「はい。こちらです」
「へー、いいわねこっちの方が報酬高いのね」
採取の依頼は討伐と違いランクを問わないものが多く、冒険者なりたての頃は採取依頼が人気だったりする。
「決めたわよ。ラノス私はこれを受けるわ」
ー採取依頼ー
ヒーリング草の採取
報酬:10束につき5000G(無制限)
参加条件:ランク問わない
「いいんじゃないか。それじゃあ俺はこれかな」
ー偵察依頼ー
オークの集落を発見しました。
集落の規模、オークの数の詳細を求む。
報酬:3万G(詳細の内容次第で報酬が上がります)
参加条件:Cランク推奨
「偵察がメインなのね」
「集落に突っ込むにはリスクがあるからな」
「オーク程度簡単でしょ」
「どれほどの規模かわからないし、オークの進化型もいるかもしれないだろ。
まずは偵察をする事が大切なんだよ」
「なるほどね」
頷くリリスは理解できたようだ。
「それじゃあ行くか」
「ええ」
「無事なお帰りお祈りしています」
俺達は依頼を受け、冒険者ギルドを出るのであった
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