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セレスティアル  作者: たくレイ
第一章
24/60

23話 記憶の片鱗

 目が覚めると病院のベットの上にいた。

 なんでいるのかは記憶にない。

 恐らく戦いの傷で誰かが連れて行ってくれたのだろう。

 ただ目覚めは最悪だった。

頭は痛く、少し気持ち悪い。

 そしてあたりを見渡すとボルアーさんとヒーラーの女性がいた。

 

 2人はラノスが目覚めたのに気づき驚いたような顔をしていた。

 しかしどこかホッとしているようにも見えた。


 「少年体の調子はどうだい?」

 「……大丈夫です。」

 「君1週間寝たっきりだったんだよ。」


 1週間。

 俺はそんなに寝ていたのか。

 まぁあんな無茶な戦いをすればそんだけ寝れんのかな?

 

 「すみません。迷惑かけて。」

 「いや、君が謝る事ではないよ。謝るのは私の方だ。」


 ボルアーとヒーラーの女は座っていた椅子から立ち上がった。

 先ほどまで座っていて気付かなかったが2人の体には沢山の包帯が巻かれていた。

 どれだけ苦しい戦いだったか分かるほどであった。

 そしてラノスに頭を下げた。

 謝罪だ。

 

 「私が不甲斐ないばかりに君の仲間を助けれず、君に大きな傷を負わせてしまった。」

 「……」

 「本当に申し訳ない。」

 

 

 ボルアーは今回の戦いで一番上という事もあり誰よりも責任を感じていた。

 そのためひたすらに戦っていた。

 皆を誘ってしまった責任。

 皆を守らなけてばいけない使命感。

そして、戦友ネルガルの仇。


ラノス自身もボルアーさんは謝る必要が無いと分かっていた。

恐らく誰よりも敵を倒し、味方を助けていただろうボルアーに賞賛の声すら言える。

そんな人が頭を下げてくれている。

なら、自分も誠意に答えるのが筋だ。

ラノスは、体を起こしボルアーさん、そしてミアを回復してくれたヒーラーさんにお礼を伝えた。


「お二人とも頭を上げてください。俺の方こそ助かりました。ありがとうございます.......。」


ボルアー達は頭を上げた。

 その時ラノスは初めてボルアーの顔を見た。

 ボルアーに辞めろと言われたのに戦ってしまった事が少し気まづかったので見ずらかったのだ。

 そんなボルアーの顔は悲しい顔をしていた。

 今にでも泣きそうな。

 まるで親が子を心配してるような感じだった。


 「なんで、そんな顔をするんですか」 

 「……少年の顔を見るとこちらまで悲しくなってしまってね」


 ボルアーの言葉にラノスは横に置いてある鏡で自分の顔を見た。

 そこに写されていたのはゲッソリとした俺が居た。

 一瞬誰が写されているか分からなかった程変化があった。

 1週間寝たっきりの状態で何も食べていなかったこと。

 寝ているとき泣いていたであろう目が赤く腫れていた。


 (こんな顔あいつらに見せられねよ。)


 「はは酷い顔ですね。」

 

 苦笑する2人。

 そして沈黙になった。

 何か話せる空気ではなかった。

 そんなのがしばらく経過した。

 

 そんな中ボルアーさんが話し出した。

 

 「すまない。ちょっと他の所も行かなくてはいけないので、一先ず失礼させてもらってもいいかな?」

 「はい。今日はありがとうございます」

 「ええ」


 ボルアーとヒーラーの子はラノスの部屋を後にした。

 このまま居ても話合いも難しかっただろう。

 ボルアーさんは気を遣ってくれたのかもしれない。

 


 コンコン


 「失礼します。」

 

 ドアがノックされ部屋にナースさんが入って来た。

 白衣を着てる可愛らしい人だった。

 落ち込んでた気分が少し上がった。

 全男子可愛いナースさんが検査してくれるなら元気が出るものだ。

 前の世界ではこんな事はあり得なかった。

 しかし、今目の前に現実としている!。

 

 「体調はどうですか?」

 「まぁまぁです。」

 「それにしてもボルアーさんって人凄いですよね。」

 「えっ?」

 「今回の被害あった方に一人一人回って謝ってるみたいですよ。」


 ナースの言葉で先ほどボルアーが言ってた言葉を思い出す。

 『他の所も行かなくていけないから失礼するよ』と言う言葉。

ラノスは胸が苦しくなった。

それほどボルアーが責任を感じているとわかったからである。

自分も苦しい思いをしてるはずなのに...

 それなのに俺は....何してんだよ。

 ボルアーさんは前を向いて歩いてるのに。

 それでも俺は、俺はもう元気になんてなれないよ。

 

 ラノスは悲しさに涙がポタポタ垂れた。

 目がパンパンになるほど泣いていたのにまだ出る。

 なんでこんなに涙が出るんだよ。


 

 「これって君の仲間の物って聞いたけど……」


 

 そんな中ナースさんはラノスにある物を見せた。

 それはラノスは見た事がある物だった。

 何より大事で思い出のある物。

 それは俺とミアの誕生日でもらったネックレスだった。

 ラノスは自分の首についてるネックレスを確認した。

 ミアとのペアルック。

 レンジ、ルフレが選んでくれたやつ。

 片翼と半分のハートがそこにはあった。


 ラノスはナースさんから受け取った。

 そして、自分からネックレスを外した。

 自分のとミアのをくっ付けた。

 すると、両翼の翼に真ん中に付けられたハートになった。

 二つで一つ。

 

 すると脳裏に付き合った日の思い出が蘇ってきた。

 

 「お前ら付き合ってるんだろ?」

 

 レンジが言ってくれた言葉。

 あれがきっかけで言えたんだよな。

 最初は驚いちゃったけど色々想像しちゃったな。

 そこからルフレ、レンジが用意してくれたご飯食べたな。

 豪華でめちゃくちゃうまかったなあれ。

 2人には無理させたな。

 そしてその夜、ミアとベランダに行って色々話したな。


 『私本当はね、大きくなったらシスターになるのかなぁ〜って思ってたんだ』

 『シスターか、ミアに似合いそうだな』

 『良かったのか俺達との冒険者生活で』

 『うん私、ラノスと一緒に居たいって気持ちの方が強かったから』

 

 あの言葉は嬉しかったな。

 そこから言ったんだよな。

 ミアに。

 俺の気持ちを。


 『ミア、幼い頃に言ったよな"なんで強くなりたい"のかって』

 『うん』

 『俺さ、守りたい者ができたんだ。それは、レンジやルフレ、孤児院の皆だったり、でもさ』

 『でも?』

 『一番最初に守りたいって思ったのは、ミアお前なんだよ』

 『えっそれって』

 「ミア好きだ。お前を一人の女性として」

 「っ!」

 「これからも俺達と・・・いや俺と一緒に歩んでくれないか」

 『・・・うん、ゔん。』

 『私も、私もラノスが・・好きです。これがらも私ど、一緒に居てくだ・・・さい』

 

 ラノスは目に沢山の涙が溜まっていた。

 そんな楽しかった思い出があの戦いで何もかも失ってしまった。

 残ったのは思い出とネックレス。

 そして、助けれなかった自分への怒り。

 ただそれだけだった。

 

 

 あの時俺も死ねばよかったな。

 そうすれば天国でまた一緒に入れたんだろうな。

 あっそうだ。

 今からでも死ねばいいのか。

 もう、俺に思い残すことなんてないし。

 あってもどうでもいいや。

 ミア、レンジ、ルフレ今から俺もそっちに行くよ。

 天国に行っても皆で一緒に暮らそうな……。



 ラノスは手に《アーマ》を中心に集めた。

 パワーを上げ一撃で死ぬためだ。

 ナースさんは部屋に置いてある花瓶に水を入れている。

 気づいていない。

 

 《アーマ》は十分溜まっていた。

 そしてラノスは怪我を負ってる所にめがけて攻撃をする。

 

 (今そっちいくね、、)

 

 その時ラノスの視界にあるものが目に入った。

 それはナースさんが水を入れてる花瓶の中に入ってる花だ。

 赤色の綺麗な花。

 どこかで見た事がある花だった。

 そして思い出した。

 ミアと一緒に買い物と散策していた時だ。

 ミアが花屋で俺にプレゼントしてくれた花だった。

 あの時、ミアが花言葉あるとか言ってたな。

 結局聞けなかったけど。

 

 ラノスは一時自分の攻撃が当たる寸前で止めた。

 ミアが言ってた花が気になったからだ。

 花の事を聞いたら死のう。


 「あの、その花って?」

 「ん、あぁこの花はねアングレールドって言ってとてもいい花なの」

 「いい花っていうと?」

 「この花には花言葉が2つあるの

  1つが【いつまでもあなたと一緒】って意味と

  もう1つは余り知られていないのだけど【逆境を乗り越えて生きる】

  って意味があるの。素敵よね」

 「はい、、、、、」


 ラノスは話を聞いたので、また手に《アーマ》を集めた。

 しかし、最初は集まっていたのがドンドン消えていった。

 死ぬ気がなくなったのだ。

 今のナースさんの話でラノスの心が変わったのだ。

 

 

 死ぬ気だったのにそんな事言われたら死ねないじゃん。

 ミア。

 そうだよな、考えたらそうだよな。

 自殺なんてしたらお前らに怒られるよな。

 ごめん、俺間違ってたわ。

 前向かなくっちゃだめだよね。

 俺の事天国まで届くような凄い冒険者になるからさ。

 もう少しまってて。

 その間そっち(天国)で見ててよ。

 凄いの見せてやるからさ。


 ラノスの顔は最初とは違った。

 最初の時絶望していた顔とは違い晴れた顔をしていた。

 

 

 


 

 


  

 

 

 

 

 

 

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