13話 緊急招集
ラノス達は、放送が流れたのを聞きギルドに向かった。
ギルドに着くと、沢山の冒険者がいた。
ギルド内は今回の緊急招集で呼ばれたからかザワザワしていた。
ラノスは前に立っていた男の冒険者に話しかけた。
「すみません。冒険者全員集めるなんてなにがあったんですか?」
「んあぁ、俺も詳しいことは分かんなねぇーけどよ、お前最近東区の森が異常なのは知ってるよな?」
「はい、僕達実際東区の森に行ったので」
すると男は驚いた顔をした。
「お前らあそこから生きて帰ってこれたのか!」
「はい、死にかけましたけど、ボルアーさんが危機一髪のところで助けに来てくださって」
ラノスは苦笑いをしながら言った。
「まぁそれでよ、その東区の森の魔物共が最近魔道具を持っているみたいでよ、この前Aランクの冒険者がゴブリンに殺されたって話だぜ。」
「Aランクの冒険者が!?だってゴブリンってあのゴブリンですよね?」
「ああ、なんかゴブリンを倒した瞬間にゴブリンが持っていた魔道具がなんかしらで発動して殺されたって聞いたぜ」
あれ?俺らが東区の森に行った時ボルアーさんもゴブリンを倒した瞬間光が出てワープされたとか言ってたよな。
なんで、魔物が魔道具持ってるんだ?
もしかして・・・・・
「少しどいてもらっていいかな」
そんな時、後ろの方から聞いたことがある声がラノスの耳に届いた。
そこにはボルアーがおり、後ろにはボルアー率いる《夜明けの星々》のメンバーとこの街で《夜明けの星々》と同じくらいの力を持っているチームの《蒼天の使者》のメンバーがいた。
ラノスは一瞬固まってしまったのだが、それに気づいたミアがラノスの腕をつかみボルアー達に道を空けた。
通り過ぎるボルアーをラノスは見ていたのだが、ボルアーの顔はいつも見ていた優しい顔ではなく、険しくどこか怒っているような顔をしていた。
「ラノスだめだよ、ボーとしちゃ」
「あっごめんミアありがとう引っ張ってくれて」
「全然大丈夫だよ」
ミアはにこやかに言ってくれた。
ギルトにいる人達もボルアー達に気づき道を空けた。
ボルアー達は皆が空けてくれた道を通り、一番前まで行った所で止まった。
「皆来てくれてありがとう。今回の放送は私が受付嬢に頼んで皆に集まってもらったんだが、なんで招集したか噂で聞いたかもしれないのだが、東区の森の異変は皆知ってるね?」
ボルアーの問いにギルド内の人達は頷いた。
「そこに僕ら《夜明けの星々》と同じように調査依頼を頼まれた《蒼天の使者》のリーダでありAランクで私の戦友でもあるネルガルがゴブリンが持っていた魔道具で殺された」
ボルアーは悲しそうな顔をしていた。
「魔道具は人間が作るものだ、だからこの異変はどこかの人間が行為的にやっている事になる。そんな奴をほっといていいはずがない。被害が拡大してしまう前に皆力を貸してくれないか、私のチームだけでは手が余る。命を落とすかもしれない危険な依頼だけどお願いだ手伝ってくれ」
ボルアーは、頭を下げギルドにいる皆にお願いをした。
その姿を見た《夜明けの星々》のメンバーと《蒼天の使者》も頭下げお願いをした。
他の冒険者はどうするか考えていた。
Aランク冒険者を殺せる力を持っている敵と戦うなんて誰だって行きたくない。
しかし、そんな誰かの声がギルド内に広がった。
「「「「行きます」」」」
声の正体は、ラノス達4人だった。
「ボルアーさん。助けてくれた恩を返したかったんですよ」
「うん!助けてもらえてなかったら今頃ここにはいなかったんだし、こっちからお願いしたいぐらいてす」
「そうですね。ぜひ手伝わせてください」
「おう!俺も手伝うぜ」
ラノス達4人の言葉を聞いてボルアーはラノス達にお礼を言った。
するとラノスはギルドにいる全員に聞こえるように話した。
「皆は、これまでボルアーさんと《夜明けの星々》の人達のメンバー《蒼天の使者》リーダのネルガルさんとかに助けてもらった事はないんですか」
ラノスの言葉に先程まで悩んでざわついてた冒険者達が黙った。
その冒険者の顔には助けてもらった事があったのか気まずそうな顔をした人や下にうつむく人がいた。
「怖いのは分かります。僕達も怖いです。でも、僕は助けてくれた人が困ってるんだったら助けてあげたいです。自分だけ助けてもらっていざとなったら助けない臆病者になりたくないです」
ラノスの言葉に1人手伝ってくれる人が出た。
すると、次から2人8人とどんどん参加してくれる人が出て来て最終的には全員が行くと言ってくれた。
その光景をみたボルアーや《夜明けの星々》、《蒼天の使者》のメンバーが喜んだ。
♢
あれから色々話合い、ラノス達は寝床一旦帰ることにした。
部屋に入るとラノスは膝から崩れ落ちた。
「はぁ~怖かった」
「カッコよかったですよラノス君」
「うん!カッコよかったよ。それに、ラノスのおかげで皆参加してくれる事になったんだし」
「そうかな~えへ」
付き合ってからか余計ミアに褒められるとラノスは喜ぶようになった。
「そうそうカッコよかったぜ、僕は臆病者になりたくないですだったか」
レンジがラノスをバカにするように先ほど言っていた事を真似しながら言った。
するとラノスを除く3人が大笑いした。
ラノスは恥ずかしくなり、部屋を出た。
はぁ~あんな事言っちゃったけどやっぱ怖いな。
Aランクの人が殺されるくらいやばいってことだもんな。
でも、街にいる冒険者が皆協力してくれるって心強いしボルアーさんもいるから大丈夫だろ。
何があってもミア、レンジ、ルフレの3人は俺が守る。
ラノスは手を強く握りしめた。
♢
まだ空が暗い朝の中、街の冒険者がギルドの前に集まっていた。
緊迫な空気の中、不安な顔をしている冒険者もチラホラいたが言葉に出すものはいなかった。
Aランク3名
Bランク30名
Cランク50名
Dランク40名
Eランク17名
Fランク10名
総勢150名。
少し心もとない人数だ。
「いっぱい人がいるねラノス!」
「えっう、うん。凄い空気だけどね」
そうラノスはミアに話すとラノスはあることに気づいた。
「ミア、ネックレス付けてきたのか?」
ミアの首にはこの前誕生日プレゼントとしてルフレ、レンジから貰ったネックレスが着いていた。
しかしラノスはネックレスをつけていなかった。
最初は付けようとしていたのだが、戦いの妨げになってしまう可能性があったため、ラノスは部屋に置いてきていた。
「うん、最初は戦ってる時に邪魔になるかなって思ったんだけど可愛いし、これ付けてるとラノスが私の近くにいるって感じがしてお守りとしてもつけてるの」
ミアの言葉にラノスはキュンとしミアの手を握った。
ミアは、一瞬動揺をしていたが顔を赤らめ強く手を握った。
後ろからその姿を見ていたルフレは、まるで親のような目で見守っていたのだが、レンジはラノスの耳元で「ヒューヒュー」と煽った。
それに対し少しラノスはムカつきレンジの手を思いっきり握り、やり返してやった。
すると、ボルアーがやって来た。
いつになくボルアーの雰囲気には緊張感があった。
ボルアーは冒険者全員に聞こえるように大きな声で話した。
ラノスはレンジの手を離しボルアーの話を聞いた。
「皆今日は集まってくれてありがとう、敵の人数は未知数だ。しかしここに集まってくれた皆となら必ず勝ち全員が生きて戻って来れると私は信じている、、、行くぞ!街の平和とネルガルの仇をうちに!」
ボルアーの言葉に冒険者達は最初の雰囲気が嘘だったかのように元気に返事をし、目的である東区の森の方に向かった。




