12話 満月の下で貴方に
目が覚めるとそこには赤い髪の愛らしい美少女が寝ていた。
美少女の正体はミアだった。
そうかミアか・・・ッ!?
俺は勢いよく起き上がった。
その際に俺とミアに被っていた布団が取れる。
布団の下から出てきた俺達の体にはちゃん服装があり安心する。
それはそうだ。
だってもし裸だったりしたら、つまりそういう事をしたってことになるしな。
嫌それはそれでやってみたいと思わなくもないけど。
だって俺も男だし。
地球にいた頃と合わせれば45歳になるけど、精神も体もこっちに引っ張られているのか、俺は年相応の動きが多々ある。
それにしてもなんで俺はミアと一緒にいるんだ。
悩んでる間に、俺が起き上がった衝撃からかミアの目が開く。
「ん〜ラノス?」
寝起きでボケているのか反応の鈍いミアは、やがて頭が働き出したのかベットから勢いよく離れる。
「あああれ、なっななんでラノスが私のベットに!?」
「落ち着けミア」
それはそうだよな。
起きたら突然男性が横にいるんだから。
それも俺だし、俺も驚いたからな。
うーんそれにしてもなんで俺はミアと一緒に寝てたんだ。
確か昨日は、レンジ達から誕生日のお祝いをしてもらって、夜まで話し込んだ後ミアとベランダで話を・・・!!
そうだ、ベランダで話をした後、俺とミアで今日は一緒に寝ようってことになったんだ。
あの時は、誕生日ってことでテンションがおかしくなってたのもあるしな。
でもまさか自分からあんなセリフが出るなんて。
思い出しただけで顔が熱くなってくる。
「そっか私達昨日」
どうやらミアも目が覚めてきたのか、昨日の事を思い出した様だ。
そして徐々に顔が赤くなっていく。
わかるよミア、俺も同じ気持ちだと思うから。
それから数分したのち、お互いが落ち着き始め朝食を取る為に部屋から出るのであった。
♢
「遅いぞお前等」
「おはようございます」
食事場に来た俺達を迎えたのはレンジ達だった。
どうやら俺達が来るまで待っていてくれた様だ。
「悪い待たせた」
「おはよう」
俺達はレンジ達の向かい側に座りながら返事をする。
「お前等一緒に出てくるあたりやっぱり付き合ってるだろ」
レンジは俺とミアが元々付き合ってると思っていたらしく、昨日の誕生日の時に否定してからやたらと、「付き合ってるだろ」、「付き合え」とうるさい。
「レンジ君いい加減にしなさい。ラノス達が付き合ってないって言ってたでしょ」
「あ〜いやそれがな」
「うん」
俺とミアは、口ごもりながらお互いの顔を見合わせて頷き会いながら口を開く。
「「俺達(私達)付き合う事になりました!」」
・・・・・・・・・
ああれ、なんで黙るんだよ?
・・・・・・・・・
誰かなんか言ってくれよ。
・・・・・・・・・
隣にいるミアもなんか気まずくなってるじゃん!
・・・・・・・・・
「「ええぇーーーーーーーーーっ!!!!」」
「おせぇよ!!」
遅れて反応するレンジ達にツッコミを入れる俺だった。
♢
「昨日付き合ってないって言ってたじゃないか!」
先程の驚きから落ち着いたレンジは、俺達に確認を求めてきた。
まぁそれはそうだよな。
昨日は付き合ってないって言いながら、今日付き合ってるって報告した訳だしな。
「実はあの後ラノスに告白されちゃって」
昨日のことを思い浮かべウットリするミア。
「誕生日が終わった後に2人が抜け出した時だね」
ルフレは、俺達が付き合ったタイミングを予測する。
「うん。あの後ラノスとベランダに行ってね・・・」
そう言ってミアは昨日のことを語りだす。
それと同時に俺も昨日の事を思い浮かべる。
♢
誕生日が終わり俺とミアは、先に抜け出し宿のベランダに向かった。
ベランダに着いた俺達は外の景色を見た。
大きい満月の下に輝き爛々と輝く街並みはとても綺麗だった。
俺は、ベランダのフェンスを掴みながら今日の誕生日を思い浮かべた。
「今日は楽しかったね」
爛々とした街並みを背景いに笑うミアはとても綺麗だった。
それこそ街の景色が目に入らないぐらいに。
ードクンドクン
『お前等付き合ってるんだろ?』
先程のレンジの言葉が頭に浮かぶ。
「ラノス?」
「えっあっああそうだな」
ミアの言葉に遅れながらに反応した。
「私達今日で16歳になったんだよね」
何かを思い返しているのかミアは、顔を街の方に向ける。
「孤児院を出て1年位か〜」
「そっか、もうそれぐらいになるのか」
孤児院を出て1年、色々な事をしたな。
始めての依頼で師匠に稽古してもらったり、依頼をひたすら受けて昇格試験を受けたり、武器屋で装備を固めたり、《夜明けの星々》に会い、東区の森の奥地まで進み死にかけたり、そして改めて強くなる為に特訓していたり・・・そういえばこの街に来てから、強くなろうとしたりで観光らしい観光してなかったな。
買い出しや散策などはしたけど、楽しむ目的で回った事はなかったな。
今度機会があったら皆と遊びに行こうか。
「私ね今とても楽しいんだ」
「それは・・・良かった」
ミアとは最初、強くなろうという事で一緒にいたけどそれが、ここまで一緒になるとはあの時の俺は思わなかった。
「私本当はね、大きくなったらシスターになるのかなぁ〜って思ってたんだ」
「シスターか、ミアに似合いそうだな」
優しいミアの事だ子供に慕われそうだ。
「良かったのか俺達との冒険者生活で」
「うん私、ラノスと一緒に居たいって気持ちの方が強かったから」
「えっ」
ミアの言葉に俺は少しの間固まる。
ードクンドクン
って勘違いするな俺。
一緒に居たいって別に深い意味はねぇだろ。
ミアが俺の事を好きな訳ないだろ。
転生前は、モテた試しがないんだから。
こっちに来たって特別モテている訳じゃないし。
なんなら、ルフレの方がよっぽどモテてるし、昨日だって女の子に話しかけられてるの見たんだからな。
あれ、なんだろうこの敗北感、悲しくなってくる。
・・・・・誤魔化すのはやめよう。
ミアが俺を好きかどうかの前に、俺がミアをどう思ってるかだよな。
考えるまでもない。
俺はミアが好きだ!
転生前の年齢とか関係ない。
ミアを一人の女の子として見ている。
いつから好きだったのかはわからない。
でもこの気持ちだけは本物だから俺は!
「ミア、幼い頃に言ったよな"なんで強くなりたい"のかって」
「うん」
「俺さ、守りたい者ができたんだ。それは、レンジやルフレ、孤児院の皆だったりでもさ」
「でも?」
「一番最初に守りたいって思ったのは、ミアお前なんだよ」
「えっそれって」
「ミア」
俺はミアの目を真っ直ぐ見つめる。
今から言う言葉で俺達の関係が変わるかもしれない。
それがいい方なのかそれとも悪い方なのかはわからない。
それでも、
「ミア好きだ。お前を一人の女性として」
「っ!」
「これからも俺達と・・・いや俺と一緒に歩んでくれないか」
「・・・うん、ゔん。」
ミアは、泣き出しながら辿々しく答えていく。
「私も、私もラノスが・・好きです。これがらも私ど、一緒に居てくだ・・・さい」
その言葉を聞くと同時に俺は、ミアの体を抱きしめる。
ミアの体は特別小さい訳じゃないが、それでも抱きしめた際俺の胸元に丁度収まる。
ミアの体は柔らかく、とても温かい。
でもこれは体が熱い訳じゃない、こうして抱きしめる事で心が温かくなる。
唯こうして一緒にいるだけで、触れるだけで温かくなる。
想いを伝えた事で尚更強く感じる事ができる。
「ラノス」
上目遣いで俺の顔を覗き込む。
その目は潤んでいて、類からは雫が落ちる。
ミアは目を閉じて顔を近づける。
俺も目を閉じ顔を近づけ、そしてーー
♢
「っていう感じでラノスがねラノスがね!」
「へぇ〜!」
「ほうほう!」
興奮してきたミアは声が大きくなってくる。
それに、レンジ達も悪ノリしてるのかニヤニヤした顔で俺を見てくる。
クソ!なんだよこの辱めわ!
しかもなんかミアの話が美化されてるところとかあるし!
あーーーー!!もう辞めてくれ!
そんな俺の願いは最悪な形で叶う。
ーカンカンカン
「緊急事態です!冒険者の方達は至急ギルドに集まってください!!」
そんな鐘の音と同時に放送が街全体に広がる。




