9話 絶対絶命!?
ラノスは逃げろと叫んだ。
しかしルフレ、レンジ、ミアは動かなかった。
いや、正確には動けなかったのだ。
3人は、呼吸が乱れ冷や汗をだらだらと流し、ブルブル震えていた。
あの魔物に怯えていたのだ。
魔物は俺達に気づき森全体に響き渡るような咆哮を浴びせ俺達の方に向かってきた。
ラノスは動かない3人に震えた声でもう一度叫んだ。
「おい!逃げろ!」
2回目のラノスの叫びに3人は今おかれている状況に気づき震える体でその場から離れた。
《アーマ》を足に瞬時に纏い無我夢中に逃げた。
しかし、魔物は《アーマ》状態の俺達より圧倒的に早く一瞬にして俺達の前に立ちふさがれてしまった。
追いつかれてしまった事に、驚きを隠せなかった。
え?もう追いつかれたのかよ。
どうしよう、このままじゃ全員死ぬ。
考えろ!考えろ!どうしたらこいつから逃げられか。
「ガラァァァァ!」
そんな時、魔物が長い爪をした手を大きく振りかざしミアに向かって攻撃を仕掛けてこようとした。
魔物の攻撃にいち早く気づいたラノスはミアの方に振り返り走った。
間に合え!間に合え!!
俺は誰も失いたくない。
約束したじゃんか、ミアや皆を守るって。
ラノスは、ミアに向かって叫んだ。
「ミア!逃げろーー!」
♢
~孤児院時代~
ラノスが孤児院で魔法の練習して魔力が尽き倒れてるラノスにミアからタオルが渡される。
「ラノスお疲れ様」
「ありがとうミア」
ラノスはタオルを受け取り汗を拭く。
「ラノスなんで急に魔法の練習をしてるの?」
「強くなるたりたいんだ」
「強く?」
「そう、みんなやミアを守れるぐらい」
♢
〜現在〜
まだ守れるくらい強くはなれてないかもしれないけど、その約束がこのままじゃ果たせなくなっちまう。
だから、俺が死んでもこの3人は守る。
魔物はミアに向かって攻撃を仕掛けた。
ミアは、あまりの絶望に叫ぶしか出来なかった。
「キャアーーー!!」
ミアの悲鳴と同時にラノス、ルフレ、レンジが叫んだ。
そんな3人の目には涙が溜まっていた。
「「「ミアーーー!!」」」
その瞬間どこかでレンジの後ろの草木からどこかで見たことがある執事服を着た男の人が飛び出てきた。
その男は瞬時にミアの前に立ち魔物からの攻撃を剣で受け止めた。
「いやー危機一髪でしたね。でもこっからは大丈夫だ私が来たからにはもう心配はない」
ミアの前に立っていたのは、以前ギルドで飯食ってる時に話しかけてきたボルアーというお爺さんだった。
4人はボルアーと気づき泣きながら叫んだ。
「「「ボルアーさん!」」」
「ちょと待っていてください。まずはこいつを倒してからだ!」
ボルアーは魔物の手を剣で思いっきり押し返した。
押し返された魔物はバランスを崩しその隙にボルアーは反撃をしようと剣に魔力を貯めた。
魔力を貯めるボルアーを見た魔物は瞬時に体制を立ち直し、距離をとり魔物は口を大きく開け、魔力を一箇所に集めた。
ボルアーと魔物の周りに風が吹き荒れた。
先に攻撃を仕掛けたのは魔物の方からだった。
魔物の攻撃は、口に溜めた魔力をレーザービームのように放ち真っすぐボルアーの方に向かった。
魔物の攻撃はラノス達でも分かるような魔力を高密度にしたものだった。
ボルアーは魔物が攻撃を放ったと同時に魔力が溜まった。
「君達はこれからどんどん強くなると思います。今は助けられてる側かもしれないですが、いつか誰かを助けられるようになれるようになります」
ラノスはボルアーの言葉を受け孤児院の時に言った「皆を守れるくらい強くなりたい」言葉を思い出していた。
「三の舞、、、凍てつく花」
ボルアーが攻撃を放つと、魔物の攻撃とぶつかった。
魔物の攻撃がボルアーの攻撃とぶつかってる先端からどんどん凍っていき、だんだんと魔物の方に凍って行き最後には魔物の全身が凍り、バラバラに崩れた。
魔物を倒したボルアーは、ミアに声をかけた。
「大丈夫ですか?」
「うん、助けてくれてありがとうございます」
「他の皆さんは大丈夫ですか?」
ボルアーは3人の顔を見回した。
3人は頭を縦に振り問題がないことを伝えた。
ボルアーは4人が安全だと知り、ホッとしたような顔をした。
そんな顔を見たレンジはボルアーに話しかけた。
「ボルアーさん、助けてくれてありがとう」
「いえいえ、皆さんが無事で何よりです」
「それでなんだけど、なんでボルアーさんもこの森にいるんだ?」
レンジから質問された瞬間、先ほどまで明るい顔をしてボルアーが一気に豹変し、険しく怖い顔になった。
その瞬間周りの空気が重くなった感じがした。
ラノス達4人に一気に緊張が走り、少し恐怖を感じるまでであった。
するとボルアーは、ハッ!とした顔をし、先ほどまでの明るい顔に戻った。
「ははは、すまないねぇー変な空気にさせてしまった。」
「いえ、大丈夫ですよ。こちらこそすみません、うちのバカが変な質問しちゃって」
「ラノス!俺はバカじゃねぇぞ」
「いえ、レンジ君はバカです」
「ごめんレンジ君、私もそう思ってる」
レンジはルフレ、ミアからのダブルパンチを食らい体操座りしてブツブツと独り言を始めた。
そんなラノス達を見てボルアーは、笑っていた。
そこから、ボルアーさんが色々話してくれた。
ボルアーさんは《夜明けの星々》のメンバー5人とここ東区の森の調査依頼を頼まれ来たとの事だった。
ボルアーさん達は、調査1日目の夜にゴブリンの大群からの襲撃があったとの事だった。
しかし、流石は《夜明けの星々》。
あっという間にゴブリンの大群は殺したとのことだった。
しかし、次の瞬間殺したはずの一匹のゴブリンから大きな光を放ちボルアーさん《夜明けの星々》を包み気づいたら先ほどまでいた場所からワーブさせられてたらしい。
ワープの場所から偶然僕達の姿が目に入ったらしく、話を聞きに来ようと行ってみたら絶体絶命だった所を助けたとのことだった。
「という事がありまして、今に至る感じですね」
「メンバーの皆さんご無事だといいですね」
「彼らなら心配ご無用です。彼らは強いですから。さっきのフェンリルくらいなら倒せるくらいですし、クエスト中なにかあった場合は、クランの決め事で無理はせず一旦引く事にしてるのでもしかしたらもうギルドにいるかもしれないでね。」
「あの~ボルアーさんフェンリルというのはさっき私達が襲われた魔物ですか?」
「ええそうですよ。ついでに言うとフェンリルはBランクくらいの強さですね」
4人はフェンリルのランクに驚いた。
「まじか、あの魔物クラスでBランクかよ、絶対A以上だと思った」
「まぁどちらかと言うとAランクに近いBですね」
俺もAランク以上だと思ってた。
さっきボルアーさんがいなかったら、ミアどころか俺達全員が恐らく死んでたかもしれない。
ここは、ボルアーさんも恐らくクランの決め事でギルドに戻るから一緒に戻ることにお願いしよう。
「ボルアーさんお願いなんですけど、一緒に帰らせてくれませんか」
「ええいいですよ。若者を失うわけにはいかないですからね。」
ボルアーは笑みをこぼしながら了承してくれた。
ラノスはいちよう他の3人にも戻ることを聞いた。
やはり3人もギルドに戻ることを賛成だったため、ボルアーとラノス達4人でギルドに戻って行った。
ギルドに戻るとボルアーと一緒にクエスト受けていたであろう仲間が居た。
そこから、ラノス達4人は今日のお礼を言いギルドを後にした。




