養鶏場、絶品バジリスクの卵
今日の朝ご飯は納豆ご飯
今日は鳥の国にある、とある養鶏場からお送りします。
養鶏とは畜産の一種で鶏を飼育することを言います。
肉を生産する鶏と卵を生産するための鶏がいます。
この農場では卵を専用で生産しています。
しかし今回取材させてもらったのはただの鶏ではありません。
バジリスクという恐ろしいモンスターを飼っている養鶏場です。
つまりバジリスクの卵を生産する養鶏場なのです。
バジリスクは雄鶏と蛇を掛け合わせた姿をしていると言われていますが、
今回お邪魔した養鶏場では鶏の姿に蛇の尻尾が掛け合わさった姿をしていました。
このモンスターが持つ毒は超強力で、毒液は匂いを嗅ぐだけで死に至るともいわれています。
この養鶏場ではそんな恐ろしいモンスターをなぜ育てているのでしょうか。
養鶏場のご主人はいったいどうやってこのモンスターを育てているでしょうか。
この養鶏場では数万羽のバジリスクを飼育しています。
これらのバジリスクは広大な農場で放し飼いにされています。
のびのびとした暮らしをさせることでよい卵を生産することができるとご主人が考えているためです。
そこら中をバジリスクが闊歩する農場は熟練の冒険者でも近寄りがたい地獄絵図のような荒地と化してます。
そう、荒地です。
バジリスクの毒によりかつては美しかった平原も根こそぎ滅んでしまったのです。
美しかった平原も歩けば毒を踏み、並みの生物なら死んでしまうような荒地になっているのです。
しかし、ご主人はバリアを体の周りに張ることで毒をガードしながらお世話をしています。
ご主人は元々名のある冒険者だったそうです。
とあるダンジョンでバジリスクの卵を食べたら恐ろしく美味だったために、それを皆に分け与えようと思い、養鶏場を作ったそうでした。
万が一農場から大脱走など起きたら国が亡びるような災害になりますが、
現在そのような事故は起きたことがないです!それにご主人がどうにかしてくれそう!
今後も大丈夫そうですね!
ご主人はバリアを張りながら餌を与え始めました。
餌は主にモンスターです。
スライムからアンデッド、ドラゴンまで雑多に死骸をばらまいています。
普通の餌よりもモンスター肉のほうがおいしい卵になるそうです。
ご主人としては人肉も与えてみたいそうですが、流石に倫理的にやばいから自粛しているようですね。
人肉で成長したモンスターが産んだ卵……そそらならないですね(白目)
そんなこんなで餌を与えた後は卵を集める作業です。
卵はバジリスクがその辺に産み落としているのですぐに見つかります。
これもご主人が一つ一つ丁寧に集卵します。
ときにはバジリスクが毒を吐き出すせいで毒に染まっている卵もあります。
そういうのは売り物にならないため、バジリスクに無理やり食べさせます。
無理やり食べさせられたバジリスクは苦悶に呻きます。毒がまずいからみたいです。
集卵作業が終わったら最後は農場の見回りをします。
殺し合いをしているバジリスクがいたらまとめて掻っ捌きます。
ほかのバジリスクにまで被害が及んだら大変なことになるからです。
喧嘩両成敗、とでもいうのでしょうか。あまりにもエクストリームな解決方法でした……。
こうしてバジリスク養鶏場の一日が終わります。
ご主人のエクストリーム集卵により量産された卵は市場に出回っていくのです。
それでもここでしか生産されていない非常に貴重な品となるため、高価な食材として扱われているそうです。
そしてバジリスクの卵はやはり絶品です。
濃厚な味は鶏とは比べ物になりません。
舌に卵黄が触れると大地がのしかかってきたような重みが響きます。
しかしそれでいて心地よい重さにも感じられます。
白身は水のようになめらかでありながらしっとりとした感触にもとらえられる独特な感触になっているのです。
しかし特筆すべきはその栄養価と熱量です。
卵かけごはんとして食べれば一日、スクランブルエッグにすれば三日、卵焼きにすれば一週間
寝ずに動けるほど元気になるともいわれています。
日々の努力と管理がこの素晴らしいバジリスクの卵を量産するのです。
これからもご主人は毎日頑張ることでしょう。
こんな卵、ぜひぜひ一生に一度は食べてみたいと思うのでした。
一日三食卵かけご飯。
醤油はじっくりご飯を一周するようにかける。
そして味の素を三振り。
味の素のうまみはTKGを次のステージへと押し上げる。
評価お願いします。