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戦神子の存在

「だ、だから無理ですってば!!」


「いや、貴女なら出来るはずだ。

…というより、もう我々にはカリンにすがる他術はないのだ!」


「え、何それ、重い!!!

チートも何もない私に何が出来ると!?」


「ちーとというのがどんなものか知らぬが、貴女ならやれる!!

せいゆうという演じ手であったカリンならば!!」


「声優で何をしろってんですか!!


…って、え……?声優が、何ですって…?」


ここでようやく私達の言い争いは止んだ。

相手が王族であるという爆弾発言に萎縮する間もなく、いきなりの【戦神子】発言に全力否定で舌戦を繰り広げていた私達だけど、話の矛先があらぬ方向に向いたことで、ようやく冷静になってきた。


少し息を荒げながら、ふうと一息息を吐き出したイケメン騎士様…もとい、ユーリオ殿下はにやりと口角を上げて私の向かいに立った。


「やはり、声に特出した演じ手というのは嘘ではないようだな。

これだけの声量で言い争いをしていたのにも関わらず、息を切らさないとはさすがだ。」


「…っま、まぁ、これくらい、基礎の基礎ですし…」


こんなことで褒められるのは、なんだかこそばゆい。殿下のツボがよくわからなくて、困惑してしまう。


「カリン、俺は何も貴女に闘えと言っているわけではない。

あくまで、【戦神子】として、我々の旗頭になって欲しいのだ。」


「わ、私が…旗頭に…?」


つまり、象徴的なもの、カリスマ的なものを私に求めているってこと…?


私の表情から読み取ったのか、ふっと口許を弛めユーリオ殿下は頷いた。


「カリンは頭の回転が早くて助かる。

我々にとって、異界からの迷い人とは、異能の持ち主で闘いの神ともされている存在だ。


その能力は知能であったり、戦闘力であったり迷い人により異なるそうだが、我々の国で国の存亡に関わる一大事があると、異界からの迷い人が救ったと伝記に記されている。」


「な…なん…っ」


なんてゆーチート伝説…ッ!!

そして、何故私にその力がないのよ!!

…いや、あっても困るけど、結局なくても巻き込まれてるんなら、折角なら魔法とか使ってみたかった…。


「あ、…あの、1つお聞きしたいのですが…」


「なんだ、カリン。」


「この世界って魔法ってあるんですか…?」


「魔法か。

遠い異国の地にそのような異能の国があると聞いたことがあるが、この国にはないな。」


「ないのか……っ」


ちょっとショックだ…。

チートを持ってないなら、せめて見たかったというミーハー心も打ち砕かれてしまった。


「…もしや、カリンの国にはあるのか…?」


「なっないですないです…っ!!

そんなものあれば、どんなに人生楽しいか…っ。


またも勘違いをさせてしまってすみません…」


いらぬ期待をさせてしまった…。

ほんと私ろくなことしないなぁ…。


「…そんなに何度も謝られると、心が痛いな。

俺は、そんなにも怖い顔をしているだろうか」


私が1人自滅していたら、怯えているせいだと思わせてしまったらしい。

違うのに!!

この謝り癖は、お国柄の問題な気がする…。


「あっ、その…謝るのは癖っていつか…別に怯えているわけではないので気にしないで下さい。


…それよりも、ユーリオ殿下。

私が闘わなくても良いっていうなら、私にどんなことをして欲しいのですか…?」


「……っ!カリン………。

【戦神子】に、なってくれるのか…?」


うぅ、期待のこもった眼差しで見ないで欲しい…。なれるかどうかなんて、私にはわからない。でも…。


「正直、私に何が出来るのかなんて、全然わかりません。

でも、このまま何もしないで、帰れないのは嫌だから…出来ることがあるのかどうか、知りたいんです。」


「…貴女は、強いのだな…」


「……え…?」


私が、強い……?

そんなわけない。強くないから、虚勢をはって強く見せようとしてるだけだ。


でも、出会ったばかりの人にそんなことを言ってもどうしようもない。

私は日本人特有の愛想笑いを浮かべて、受け流した。


「…ありがとうございます。

そう言って頂けて光栄です!」


一瞬ぴくりと殿下の眉が動いた気がしたけれど、その後表情に変化はなかったから気のせいだったみたいだ。


とにかく、私が日本に帰れるかどうかは、この【戦神子】とやらが重要なキーポイントのようだ。


詳細を確認すべく、目の前でぽかんと私達のやり取りを見つめていたおじさま集団に向き直ったのだった。

やっと物語が進みます。

登場人物のほとんどが名無しの集団ですwww

早く他のキャラも出せるように頑張りたいと思います!!

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