第98話 久々のレンガ積み
レンガ・レンガ・レンガ!
今日はひとりでレンガ積み。
結局、魔物討伐は大した損害がないまま終わった。
ゴブリンロードを倒したことにより、ゴブリン達の連携ができなくなった。
小さな群れはあったけど、冒険者達が順調に倒していった。
レンガ・レンガ・レンガ!
今日の予定はレンガ500個。
余裕で終わる数だ。
レンガ・レンガ・レンガ!
それでも魔物討伐は3日かかって、僕らは予報の報酬として金貨30枚もらった。
今回は予報のお仕事というより、冒険ミッションみたいなものだから、山分けにした。
「こんなにもらっていいのー」
「すごいわ。あれもあれも買えるわ」
ふたりも喜んでくれた。
レンガ・レンガ・レンガ!
だけど、やっぱり僕はレンガ積みが好きだな。
一個一個、丁寧積む。
レンガ・レンガ・レンガ!
複雑なことも、危険なこともない。
真面目に積んでいけば、予定数に達する。
レンガ・レンガ・レンガ!
僕が魔物討伐している間もシバ君たちはレンガ積みをしていたみたい。
もう、ひとり立ちできるから、今日は別の現場に行った。
だから、ひとりでレンガ積み。
レンガ・レンガ・レンガ!
のんびりと積んでいるつもりだけど、ずいぶんとペースが速い。
まだお昼には時間があるのに、半分終わってしまった。
レンガ・レンガ・レンガ!
もしかして、ズレているとこでもないかと確認してみたら。
ぴしーーっと揃っていて、ズレているとこが全くない。
我ながらすごいな。
レンガ・レンガ・レンガ!
そういえば、今日の夜の予報屋に予約が入っているみたい。
金貨一枚のお客さん。
前に予報した洋服の商店の人。
ミリーちゃんのテンプレで日常服に商品替えするって言ってたな。
うまくいったのかな。
レンガ・レンガ・レンガ!
うーん、今日暑くも寒いくもない日。
まさにレンガ日和だね。
レンガ・レンガ・レンガ!
これからは、基本、レンガ積みは一日500個だけにしようかな。
のんびりとレンガを積む。
これは大切な時間みたい、僕にとっては。
レンガ・レンガ・レンガ!
そんなことをしていたら、お昼になった。
だけど、半端だから、残りも積んでからご飯にしよう。
レンガ・レンガ・レンガ!
レンガ・レンガ・レンガ!
レンガ・レンガ・レンガ!
終わった。
500個、完了。
「お疲れっ」
「いやぁ。のんびり積んだだけだから、疲れませんね」
「まぁ。ベテランレンガ積みなら、そうでしょう」
「ええ」
「はい。これが今日の給金の大銅貨5枚です」
「ありがとうございます」
いくら予報で一日金貨10枚稼いでも、この大銅貨5枚も貴重だね。
レンガ積みは辞められないなぁ。
なんの事件も起きないレンガ積み回だなぁ。




