表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

95/112

第95話 黒い奴のスペシャルアタック

ゴブリン軍団とセントラルチームの総力戦は混戦となった。


一気に両軍がぶつかり合って、敵と味方が混ざり合う。

剣と剣がぶつかり合う闘いだ。


「どうなんです? 現在の状況は?」

「どちらにも被害が出ています。戦力的には同じくらいかも」


見張り役の剣士が教えてくれる。


覗き窓から見える戦場の状況は、混沌としてよく分からない。

僕は見張り塔に上がって、戦況を確認していた。


「もしかして、あれってジェラドさんですか?」

「そうでしょう。もう、あそこまで喰いこんでいるんですね」


緑と青のゴブリン達に囲まれている白くみえるジェラド。

ガンガンと前にいるゴブリンの群れに剣を振るっていて、前に前にと進んでいる。

レイドリーダーは普通の鎧だから、どこにいるのか分からない。


「もしかして、ジェラドさんはゴブリンの群れを突破して、ゴブリンロードを狙っているのでしょうか」

「そうでしょう。だけど、その前に紫色ゴブリンバーサーカー3匹がいますね」

「あいつらも倒して、ゴブリンロードとの一騎打ちか」

「そうだと思います」


もう、緑と青のゴブリンの群れの外れまできた。

あと一歩で、そこから出てゴブリンロードの方向へといけるぞ。


「両軍の被害が増えてますね」

「はい。無力化された比率だと、わが軍の方が有利です」

「だけど、あいつらには闘いに参加していない奴らがいますからね」


そんな話を見張り役としていたら、ジェラドがゴブリンの群れを突破してゴブリンロードに向かった。


「あ、ジェラドさんが出ました」

「はい。だけど、バーサーカー3匹がブロックしていますね」


ゴブリンバーサーカーは太った身体なのに、すごい突進を見せる。

三匹が一直線になって、ジェラドに突進していく。


「大丈夫でしょうか、ジェラド様は?」


《ピンポンパンポーン》


「苦戦するけど、勝てるでしょう」

「そうですよね。やっつけろー」


1匹目のバーサーカーの剣を剣で受けたジェラドには、1匹目の背中を超えてきた2匹目の剣が襲う。

すんでのところで避けたが、バランスを崩して横に倒れてしまう。

そこに3匹目の剣が振り下ろされる。


やばい!


その時、別の剣士が剣で受けた。


「あ、レイドリーダーだ」


ジェラドに続いてゴブリンの群れを突破したレイドリーダーが3匹目を倒した。

残り2匹のバーサーカーとジェラドが闘っている。


レイドリーダーは、ゴブリンロードと剣を合わせた。

しかし、ゴブリンロードの動きが速い!


すぐに身体を翻して距離を取り、さらに打ち込みをしてくる。

レイドリーダーは、防戦一方だ。


その間にジェラドはバーサーカーを一匹倒し、残り一匹になった。


「ゴブリンロードを倒せますか?」


《ピンポンパンポーン》


「もうすぐ、ジェラドと協力して倒すでしょう」

「やっぱり!いけーーー」


そんな応援の声を聴いているがごとく、ジェラドが最後のバーサーカーを倒して、レイドリーダーと並んで立つ。


「いける!ふたりならきっとゴブリンロードを倒せる」

「だけど、あの黒い奴は動かないんですか?」

「そういえば、ただ見ているだけですね」


しばらくゴブリンロードとふたりの闘いが続いた。

2対1なのに、互角に戦うゴブリンロード。


魔物としてはA級を超えているということか。


「あ、チャンスです」


ジェラドは打ち込んできたゴブリンロードの剣をすんでのところで躱して、体当たりをかませる。

バランスを崩したロードの前にはレイドリーダーが立っている。


「やった!」


身体を斜めに斬り、ゴブリンロードが倒れた。

ふたりは最後の敵、黒い奴に向きあった。


その時、黒い奴が動いた。

黒い奴の周りに黒い霧状の何かが発生して、ジェラドとレイドリーダーのいるあたりに移動する。

黒い霧の動きは早く範囲が広いため、ふたりは避けられず包まれてしまう。


「なんですか、あれは?」

「わかりません!」


黒い霧が通り過ぎたあと、ジェラドとレイドリーダーは立っていた。

無事だ。


「よかった。大丈夫なようですね」

「そうでもないかも。見てください」


なぜか、ジェラドとレイドリーダーが向き合っている。

お互いの剣を相手に向かって振り下ろしている。


「まずい。あの黒い霧のせいか!」


このままじゃ、まずい。

助けにいかないと!


あの黒い奴に勝てる可能性があるのは、僕だ。

そして、予報屋チームだ。


いまこそ、あの黒い奴を倒しにいくタイミングなんだ。


あの黒い霧はやばいらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ