第85話 作戦の会議中にレンガ積む
「ここからは、チーム分けだ。予報屋さん達は外で待っていていただこう」
チーム分けは関係者以外立ち入り禁止のルールがあるらしい。
冒険者にとって、どのチームに入るのかは、大きな関心毎だから仕方がないことだろう。
「時間が空いてしまったわね」
「会議最後にまた参加するから、その間は何するの?」
まぁ、のんびりとしていてもいいよ、と言われたんだけど。
僕にはやりたいことがあったので、了解をもらっている。
「討伐のための資材が運びこまれてきていますね。あれを見て思いついたんです」
討伐必要な消耗品類。
ポーションをはじめアイテム類。
装備のメンテナンス用品。
そして、食料。
1週間は、この拠点で200人が生活をする。
だから、必要となる物資も多い。
「小麦粉に、チーズ、トマトがありまして」
「うん。あったね」
さすが居酒屋の手伝いをしているミリーちゃん。
ちゃんと食料がどんなものがあるか、チェックしていた。
「ほら、それがあればできる料理があるじゃないですか」
「あっ、もしかして」
「分かるよね、ピザさ」
「だけど、ピザって窯がないと焼けないわ」
「うん。だから、作るのさ」
200人が生活する場に作るピザ釜。
当然大きくないとダメだよね。
ちょうどいいことに余ったレンガがまだ随分とある。
既にレイドリーダーに了解をもらってある。
一度作ってみたかったんだ。
レンガ積みのドーム型ピザ釜。
「そんなの作れるの?」
「レンガなら任せてもらいましょう」
まずは、
釜の下部分をレンガ積みをする。
ぐるっと周りを囲って薪を燃やす場所。
煉瓦・煉瓦・煉瓦・煉瓦・煉瓦・煉瓦・確認!
煉瓦・煉瓦・煉瓦・煉瓦・煉瓦・煉瓦・確認!
一気に一部が明いた円形に積んでいく。
煉瓦・煉瓦・煉瓦・煉瓦・煉瓦・煉瓦・確認!
煉瓦・煉瓦・煉瓦・煉瓦・煉瓦・煉瓦・確認!
30センチほどの高さになったら、その上に焼き板を載せる。
これは、昨日のうちに、セメントを型にいれて作っておいた。
実は、昨日のうちに計画してあったんだ。
「鮮やかなレンガ積みね。ジュートのレンガ積んでいるの初めて見たわ」
クレアさんが褒めてくれる。
クレアさんはレンガ積みの現場に来たことないね。
さて、ここからが本番だね。
ドーム型にレンガを積んでいく。
そのためには円形の型枠が必要になるんだけど、今朝、設計士ギルドに行って借りてきた。
前にアーチを作ったときに、ドーム用の型があるのを確認済みだったんだ。
「レンガを立てるようにして円形に並べるんです」
レ・レ・レ・確・レ・レ・レ・確
ン・ン・ン・ ・ン・ン・ン・
ガ・ガ・ガ・認・ガ・ガ・ガ・認
少しでもズレると形がいびつになるから、丁寧に積む。開口部以外を円形に積んだら、次の段。
レ・レ・レ・確・レ・レ・確
ン・ン・ン・ ・ン・ン・
ガ・ガ・ガ・認・ガ・ガ・認
「下の方をバルモル多めで上の方が少な目。型枠で押さえて、内側に倒れ掛かるように積むんです」
「すごく繊細なのね」
「ジュートさん、すごいー」
ふう。続いてはその上だな。
レレレ・確・レレレ・確
ン・ンン・ ・ンン・ン・
ガ・ガ・ガ・認・ガ・ガ・ガ・認
「ふう。できた」
「綺麗なドームになってきたわ」
「きれいー」
「最後は蓋を載せる様に積むんです」
ガレレ
ン・ン・ン
レ・・ガ・・ガ
レンガ・レンガ
レ・・レ・・レ
ン・ン・ン
ガガガ
「よし、できあがり」
「やったわね」
「できたー」
うん。
初めて造ったにしては、なかなか美しくできたぞ。
これで、明日、ピザを焼いてもらおう。
まぁ、僕はいない予定だけどね。
「チーム分けの会議が終わったぞ」
レイドリーダーが拠点から出てきた。
「おおっ、ピザ釜が完成しているじゃないか」
「はい」
「予報だけでなく、こんなこともできるのか。予報屋」
「あ、レンガ屋も本職なんです」
「それでは、早速、明日にはピザを焼いてふるまうとするか」
「よろしくです」
こうして、初めてのビザ釜ミッションは完了した。
ピザ釜のアイデアは楜紅さんのコメントより頂きました。レンガネタ、コメントで募集中。笑
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イベントに関係ないレンガ回でした。
ちょっとレンガを書くのに手間がかかったたけど、いい感じ。
ピザ釜作っている感じ、出ていたかな。
やるなと思ってくれたら、↓で評価して欲しいです。レンガ回増えるかも




