表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

68/112

第68話 公国の絶対絶命の危機

ん?ここはどこだ。何が起こったんだ?


「それで、軍師どの。本当に策はあるのか?」


誰?軍師って?

だいたい、あなたは誰ですか? ………えっ、大公様?


今、僕の横にいるのは、さっき、金の縁飾りの黒馬車に乗っていた大公様だ。

でっかくて飾りがつきまくりの豪華な椅子に座っている。


「まぁ、聞くだけ無駄だろう。わたしとて信じた訳ではないからのぉ」


何を信じたって?意味、不明。

だいたい、なんで大公様の隣にいるんだ、僕。

僕も大公様と同じような豪華な椅子に座っている。


部屋の中には僕と大公様。他には誰もいない。


大きい部屋で、豪華な応接間みたいな部屋。


「ほら、見てみぃ。あの帝国の軍団の素晴らしさを」


大公の指さす方向には、赤い色の四角形の物が5つ見える。

ずいぶんと遠くだから、すごくでかい物だということだけ分かる。


今、僕らがいるところはどうも高いところだ。

ずっと下方に街壁が見える。

街壁の先の遠方に赤い四角がある。


「しかしまぁ、軍団を5つも用意するとは。帝国は我々のことを、ずいぶんと過大評価してくれたものよのぉ」


帝国の軍団。聞いたことある。

フルプレートの鎧とでかい盾、そして長い槍を装備した重装戦士。

装備の色は赤に統一されているという。


その重装歩兵が8000人集まって、ひとつの軍団になる。

だから、ひとつの軍団が動くだけで国は簡単に滅んでしまう。


実際にいくつもの国が帝国の軍団に滅ぼされ帝国に吸収されている。


すると、我が王国にも帝国の軍団が攻めてきたというのか。

それも、赤い四角形がひとつの軍団。5つもの軍団が目の前に終結している。


もしかして、王国は絶対絶命の危機か?


「ところで、私達の軍勢はどの程度なのですか?」


あれ、勝手に僕の口が動いてしゃべっている。

どういうことだ?


「ふたりじゃ。わたしと、そなたのふたり。あの軍団と戦うのはそれで充分であろう?」


いきなり、僕が笑い出した。

すごく楽しそうに笑っている。


大公様も笑い出した。

ひとしきり笑った後、大公様は言い出した。


「まぁ、帝国が狙っているのは、我が王国全部ではあるまい。わたしの領土を差し出せば、終わる戦いじゃな」

「ちょっと待ってください。もしかして、大公様、負けるつもりですか?」

「いい加減にせんか。状況をしっかりと見てもらおう。あの5つの軍団の後ろにいるでかい奴、あれが何かわかるか?」


なんだろう。たしかにでかい奴がいる。全部で7つ。大きさは正確には分からないけどたぶん20mを超えている。


「ドラゴンだ。帝国には龍使いがいるという噂があったが、あれがいるってことは本当のことらしいな」


5つの軍団に7体のドラゴン。


これは勝ち目ないな。

完全に。


「きっと、帝国はドラゴンを先行させて、われわれがいる城の頂上の部屋に向かってくるだろう。ブレス一発で終わりだ」

「大公様は、そう結果を予報するんですね」

「おい、軍師よ。それ以外の予報がでるものなのか?」


予報スキルは反応しない。

もしかして、予報スキルは使えないってことか?


「予報はいりません。結果だけ作ればいいのですから」

「どうやって?」


えっ、できるのか、そんなこと。

偉そうに言って、ヤバイんじゃないのか、僕。


「知りません」

「ふざけているのか?」

「いえ、本当に知らないんです」


平然と言い切る僕を信じられない物でも見ているような表情の大公様。


「まぁ、いい。わしの人生の最後の最後に、そなたと一緒にいるのはきっと良きことだろう。どうしようもないことを悩む男より、平然と運命を受け入れる男こそ、最後のわたしの横にいるのにふさわしい」


大公様が沈黙してしまった。

えっと、どうしよう。


何かしゃべらないと思うけど、そもそも、勝手にしゃべっているだけで僕がしゃべることはできないし。


長い沈黙の後、赤い四角形の方から、大きな鬨の声が上がった。

全ての帝国軍団の戦士が声を上げている。


遠くにいるけど、鬨の声が伝わってむくる。


いよいよ、攻撃が始まるらしい。


大公様の予報どおり、7体のドラゴンが上空に飛び上がった。

上空でくるくると廻り、くさび型に編隊を組む。


先頭にいるのが、ひときわ大きい真っ赤なドラゴンだ。

巨大ファイヤードラゴン、だと思う。


一体で街を滅ぶと言われている災害級の魔物。

それに続くのは、青、緑、白、黒、黄、銀の色が違うドラゴン。


ドラゴン編隊は帝国の軍団の真上を超えて向かってきた。


「さて、いきますか?」

「どうするのだ?」

「スキル・アンロック!」


《スキルロックは解除されました。すべてのスキルが使用可能です》


「目の前に陣取っている全ての帝国軍団は崩壊した!」


《言ったら実現スキルが発動しました》


チート回の予告だよん。だって、タイトル回収に時間がかかりそうなんだもん。


街歩き回のストーリー評価は、49人で242。平均4.94。評価いいですね。よかった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ