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第67話 商業地区で初めて起きたこと

「ジュートさんと一緒に出掛けるのは、お姫様の時以来ね」

「そうだね。あの時はひどい目にあったね、ミリーちゃん」


今日はレンガ屋をお休みして、ミリーちゃんと商業地区に来ている。

目的は、僕の住む部屋探し。


さすがに予報屋で毎日銀貨何枚も収入があるのに、1日大銅貨1枚の貸ベッド生活はないだろうと、

部屋を探しにきたのだ。


部屋探しは不動産屋さんに行かないとできないから、不動産屋さんが集まる商業地区に来たのだ。


「不動産屋さんって、どのあたりにあるか知っているの?」

「だいたいは聞いてあるから大丈夫」


それはクレアさんに教えてもらっていた。


クレアさんと一緒に来れば、いろいろと教えてもらえると思うけど、

金銭感覚が違うからちょっとね。


その点、ミリーちゃんとだと安心。

似たような金銭感覚だから。


今はクレアさんが入ったから、予報屋の雑務もしてくれるようになった。

だけど、その前はミリーちゃんがやってくれていた。


それも、お小遣い程度で。


僕が予報屋を続けられたのも、ミリーちゃんの協力があったからこそ。

だから、そのお礼も兼ねて、ミリーちゃんに服をプレゼントしようと思って。


15歳の誕生日は大人になる特別な日だから、かわいい服を来て迎えたいと思うだろう。

だけど、ミリーちゃんの養父母はちょっと離れた村にいるから、服とか買ってもらえないだろう。


でも、まずは不動産屋さんだ。


「あ、一杯あるわ」

「本当ですね。ざっと見ただけで6軒もありますね」


家の絵が描かれた看板の店が6軒ある。


「どのお店に入るの?」

「まずは大き目のお店に入りましょう」


青い大きなドアがおしゃれな不動産屋さん。

窓には綺麗なお花の鉢がぶら下げられている。


「いらっしゃいませ。なんの御用ですか?」


お店にはひとりの20代後半くらいの女性がひとり。

真っ赤で縁に白ラインがある服を着ている。

きっとユニホームだと思う。


「インスラを探しているんですけど」


インスラというのは、共同住宅のひとつの部屋。

毎月の家賃で借りることができる。


「どのあたりのインスラがご要望ですか?」


女店員さんはにこやかに接客してくれる。

なかなか、感じが良い店だな。


「できれば、職人地区のインスラがいいんですが」

「すると、職人さんですか?」

「はい。レンガ職人をしています」


あれ?いきなり、女店員さんの笑顔が消えたぞ。


「レンガ職人?あれって誰でもできて賃金が安い仕事でしょう」

「ええ、まぁ。そういわれていますね」

「インスラというと、だいたい月に金貨2枚くらいが標準的なところよ。それも、その月の家賃と保証金で最初に倍はかかるのよ」

「はい。だいたい知っています」


不快そうな顔で女店員さんがにらんでいる。


「だからさ。レンガ職人ふぜいにインスラを借りるなんてできるはずがないのよ」


なんか、急に感じが悪くなった女店員さん。


たしかにレンガ職人の賃金だけでは無理だ。

予報屋の収入ができたから、借りにきたのだ。

だけど、予報屋という仕事を説明するのは難しそうだな。


別の店に行くしかないのか?


「おい、どうしたんだ?」

「あ、店長。この男が金もないのにインスラを借りたいと」


店の奥から出てきたのは、40代半ばくらいのおっさん店長だ。

僕のことをじろじろと見る。


「あれ、もしかして。黒猫予報屋さんですか?」

「えっ、あ。はい。予報屋もしています」


なんで僕のこと知っているんだろう。


「観ましたよ、予報試合。私も黒猫さんに賭けて儲けさせていただきました」

「そうでしたか。でも、どうも僕に借りられるインスラはないみたいなんですよ」

「ご冗談を。あれだけ華麗に予報ができる方がインスラを借りられないってどういうことですか?」

「さぁ、こちらの方が言うんですよ」


店長と僕にじぃーとみられた女店員さん。


「だって、店長。この人、レンガ屋だっていうのよ。レンガ屋がインスラ借りられるはずないじゃないですか」

「テムよ。何度も言っているが、勝手にお客さんのことを決め付けるんじゃない」


テムと呼ばれた女店員が怒られた。

説教が始まってしまった。

テムはしゅんとして、説教されている。


ひと時の説教タイムが終わると。


「すいませんでした。予報屋さん」

「いえいえ。予報屋だというのは説明が面倒くさくて、もうひとつの仕事を答えたので」

「だけど、職業でお客さんのことを決め付けるなとしょっちゅう言っているんですよ。ほらあやまりなさい」

「ごめんなさい。有名な予報屋さんだなんて全然知らなくて」


一応、反省しているらしい。

テムのことはもういいだろう。

本題を聞こう。


「それで、僕に借りられるインスラはありますか?」

「ちょうどいいのがありますよ。職人地区にあるインスラなんですけど、家賃が月に金貨1枚と銀貨7枚です」


ちょっと安い物件だ。

ひとりで住むから広さはそれほど必要ないし。

安いとこなら、そこがいいか。


「ただ、ちょっと訳あり物件でして」

「どんな訳ありなんですか?」

「二階の部屋なんですが、下の階が居酒屋をしていまして。夜は騒がしいんです」


居酒屋か。

どうせ、夜は予報屋をしているから、それほど早く部屋に帰らないし。いいかもね。


「下の居酒屋ってどんなお店なんですか?」

「黒猫亭ってところで。あれ?予報屋さんは黒猫チームでしたよね。この物件に縁がありそうですな」


なんと、黒猫亭の上にあるインスラ。

職人地区にある黒猫亭は、ひとつだけ。

いつもの黒猫亭の上のインスラが空いていたんだ。

横で聞いているミリーちゃんもびっくりしている。


「そこ、借りましょう」

「えっ、部屋を見ないで決めて大丈夫ですか」

「あ、部屋の見学もできるんですか?」

「もちろんです」


部屋は見せてもらってから決めることになった。

だけど、黒猫亭の上というのは、最高の場所だ。

予報屋が暇なら、部屋にすぐ戻れるし。


「それでは見に行きましょう」


来た道を引き返すことになった。


元々、僕の生活圏は職人地区だった。


ベッドを借りているのも職人地区だし、土木ギルドも職人地区にある。

黒猫亭も職人地区だ。


土木ギルドからレンガ積みの現場に行く以外は職人地区にだいたいいる。


その職人地区に向かうには、街のメインストリートを歩く。

馬車が余裕ですれ違えるだけの幅のある広い道だ。


メインストリートに出る前に人混みで進めなくなってしまう。


「なんでしょう、この人混みは?知っています?不動産屋さん」

「しまった!今日は大公様が来る日だった」


大公様とは、この街から馬車で2日ほど行ったところにある植民都市を中心に広い領主を持つ貴族。

この街を治めている伯爵様とは兄弟でときどき街にやってくる。


お付きの者が100人以上になるから、大公様が来る日は馬車が何台も連ねてやってくる。

それを見学するために、街の人がメインストリートの横に集まっているのだ。


「大公様が行くまでは、メインストリートは使えません。ほら、あの真っ黒の馬車で金の細工で縁を飾っているのが大公様の馬車です」

「すると、手をふっているのが大公様ですか?」

「そうでしょう」


待っていると、ジュートの真ん前に大公さんの馬車がきて、窓から大公さんが手を振っているのが見える。


その瞬間、いきなり目の前が真っ暗になって、何も見えなくなった。


《ジャジャジャ~ン。夢予報が発動しました》


な、なんだ?夢予報って??


なんといきなり訳がわからないスキルが発動したらしい。どうなってしまうのか?



前回の予報の回で、評価が57人でストーリー285ポイント。

なんと、平均が5!


全員が5をつけてくれたか、評価変更してくれた人もいるかもだけど。


予報屋の回がすごく評価が高いので安心しました。


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