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第64話 商売のお手伝いも楽しいな

クレアさんが黒猫予報屋に就職すると決まった。

細かい条件は予報屋が終わってから、じっくりすると決めて、今は僕の横に座っている。


アシスタントを兼ねた見習いだ。


クレアさんの二番くじの人は、初めて来るC級冒険者の剣士さん。

依頼を選ぶ予報が欲しいとのこと。


冒険者がやっぱり予報屋の一番のお客さんだね。

30分じっくりと予報をしたら、納得してくれた。


そして、その次の人。


「それでは3番くじの方」

「はい、私です」


手を挙げたのは、前に一度予報をしたことがある商会の人。

たしか中級ポーション・ネオを扱うかどうか迷っていた人。


「こんにちは。前に一度、予報した方ですよね」

「ええ。あの時はありがとうございました」


《感謝ポイント15を獲得しました。次のランクアップまで88感謝ポイントです》


おっ、感謝ポイントが入ったぞ。

そこそこ良いポイントだな。

だいぶ儲かったんだろうなぁ。


「中級ポーション・ネオが全部定価で売れて、倒産の危機を回避できました」

「それはよかったですね」

「ただ、中級ポーション・ネオが人気になりすぎて買い付けができなくなってしまいました」

「それは、それは」


商売は難しいものらしい。売れないと困るし、売れすぎると買い付けができない。

ちょうど良い売れ方って、そう簡単にはいきそうもない。


「それで、中級ポーション・ネオに変わる商品を探していまして」

「そうなんですね」

「何か、儲かる商品ってないですか?」


あれ、予報は反応しない。

あまりにざっくりした質問すぎるからかな。


「それでは予報できないですね。今は、どんな商品を考えているんですか?」

「もう少しで魔物討伐が始まるじゃないですか。それ向けになにか良い商品はないかと思いまして」

「質問してみてください」

「えっと、討伐に向けて、これから売れる商品はありますか?」


《ピンポンパンポーン》


「討伐に必要な物品は特に足りないものはないので、売れないでしょう」

「あ、やっぱりそうですか。困ったな」

「他にどんな商品を扱っているんですか?」

「さまざまです。食べ物から武器まで。扱わないのは奴隷だけ、って言っています」


奴隷は普通の商人は扱わないみたい。

奴隷商人という特別な仕事の人が扱っている。


「すると、食べ物とか?」

「それも聞いてみましょう。来週あたり人気になる食べ物ってありますか?」


《ピンポンパンポーン》


「ご飯の人気が出るでしょう」

「ご飯って何ですか?」

「なんだろう…ご飯。あ、一度食べたことあるかも」


たしか、前に魔グロ料理を食べたときに〆ご飯というのを食べたことを思い出した。


だから、黒猫亭のマスターに詳しく聞いてみた。

すると、ご飯というのは米という穀物を炊いた食べ物らしい。


南方の雨が多い地域で採れる穀物で、この街にはほとんど入ってきていないとのこと。


「米が手に入るなら、私も買うぞ。前に高額をはたいて取り寄せた米がもうほとんどなくなってきているんだ」


なんでも極東の島料理には欠かせない食材らしい。

まずはマスターがお米のお客さん第一号だね。


「でも、南方の地域だと買いに行くのも大変ですね」

「往復1か月はかかりそうです。そこまでして米を買い付けにいくのはどうも……」

「そうですよね。もしかしたら、近くで手に入る可能性もあるんじゃないですか?」

「それもそうですね。聞いてみましょう。この街の近くで米が入手できるところはありますか?」


《ピンポンパンポーン》


「ルーファン村で手に入るでしょう」

「ルーファン村か。ここから2日くらいの村ですね。だけど、どうしてそこに米があるんだろう?」


予報はその理由は答えてくれなかった。

理由は別に未来とは関係ないから、かもしれない。


「よし、ルーファン村に行ってみよう。きっと米があるはずだ。買い付けてマスターに料理の仕方を教えてもらって、ご飯を人気料理にしてやるぞ」

「ガッテンだ!最高のご飯に合うおかずを作ってやるぞ」

「それは心強い味方です」


ふたりで盛り上がっているから、僕は単にそれを聞いていた。


「まずは、市場で屋台をやるのはどうだろう。多くの人にご飯の美味しさを広めよう」

「いいですね。マスター。必要な人員とかはこちらで、用意しますよ。一緒にやりましょう」


なんか、面白そうな話になっている。

まぁ、予報しなくても、楽しそうだからいいか。


「おっと、最後に予報に聞いてみないとですね。市場でご飯料理の屋台、人気になりますか?」


《ピンポンパンポーン》


「人気が出て、すぐに売り切れてしまうでしょう」


最高にやる気になって、商人さんは黒猫亭を出て行った。


「予報って、そんな感じにやっていくのね。とっても面白いわ」

「いろんなパターンがあるから、今日のところは見ていてくださいね」


その後は、冒険者と、もうひとり恋愛相談があって、クレアさんも入れて5人の予報が終わった。


中級ポーション・ネオの次はご飯屋台ですか。この商人さん、ブームメーカーですね。



クレアさんの回が評価が4.4でそこそこよかったので、予報屋さんのスタッフになりました。

評価やコメントしてくれた方ありがとうございます。


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