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第24話 数じゃないんだよ数じゃ

錬金術士さん、再登場。

「お待ちしていました」


錬金術士さんの工房の現場に着いた。

満面の笑顔で錬金術士さんが迎えてくれる。


「ご指名ありがとうございます」

「いえいえ。指名を受けてくれてありがとう」


お互いにっこりと笑う。

いいなぁ、こういう関係。

だけど、ちゃんと確認しておかないといけないことがある。


「今日は500個のレンガを積む予定です」

「もちろん、500個でオッケーだ」

「前回は時間が短かったけど500個積みました。今日は時間が長くても500個です」

「それは、土木ギルドの人に聞いている」

「それで、料金なのですが、指名料が入るので大銅貨6枚になります」

「それも聞いているよ。もっと多くてもいいって言ったけど、決まりだって言われた」

「その通りです。500個積んで大銅貨6枚。了承していただけますか?」

「もちろん、それでオッケーだ」


やっぱり、条件はしっかりと確認しておかないとね。

それを変に変えようとするなら、施主であっても、監督官であったも、拒否するって決めていた。


「あともうひとつ、確認したいことがあるんですけど」

「なんだ?」

「昨日の人、どこがダメだったんですか?」

「もう全然ダメ」

「よかったら、その人がやったとこ、見せてくれます?」

「見てよ、ひどいんだから」


僕がやったとこの続きをその人がやっているらしい。

レンガの積み方をチェックしてみる。


「あ、たしかに微妙なズレがありますね」

「そうだろう」

「だけど、強度的には問題ないと思いますが」

「そうなのか?ただ、それだけじゃないんだ。ダメなとこが」

「他に何があったんです?」

「テンポだよ」

「テンポ?」


テンポってなんだ?って顔をしていたら、錬金術士さんが実演してみせてくれた。


「あなたがレンガを積むとするじゃん。こんな感じで積むよね」


あ、身体の動きの真似がうまいね。たしかに僕が積んでいる感じが良く出ている。


「昨日の男はこうよ」


うん、そうなるよね、普通。動きに統一感がない。速かったり、遅かったり。


「積んでいるのを見て、イライラしちゃって」


あー、それはそうだろうなぁ。僕が積んでいるのを実況している錬金術士さん、楽しそうだったから。

だけど、レンガ屋さんにそういうの求めるのはどうかなと思うけど。


「じゃあ、僕は僕で普通に積めばいいんですね」

「そうとも言える」

「ん?そうじゃないとこもあるような口ぶりですね」

「実は、お願いがあってね」


ヤバ。僕が積むと分かったら、なんか難しいこと言うんじゃないかな。


「これを使って欲しいんだ」


じゃじゃーんって、効果音を口で言った錬金術士さん。

レンガの上にかけられていた布を取り払う。


そこにあったのは、不思議なレンガだった。

そもそも、レンガなのだろうか。

大きさは、普通のレンガと一緒だけど、透明なのだ。

ガラス製のレンガ。

それも、普通の透明なガラスのだけでなく、色がついたガラスのもある。


「なんですか、これは?」

「みたら分かるよね。ガラス製のレンガだよ」

「よく、そんなの手に入りましたね」

「ふっふっふ。錬金術士をなめてもらっては困るよ。全部、錬金術で作った特製レンガだ」

「ええっ、錬金術でレンガ作ってしまったんですか?」


レンガを作ると言うと、土魔法って相場が決まっている。

それも、大した価値がない魔法だと思われている。


錬金術になると、普通の魔法よりアイテムづくりだとすごいのができると思われている。

それなのに、錬金術を使って、レンガつくりをする錬金術士なんて聞いたことがない。


「アトリエ部分は上を窓にして光が入るようにするつもりだったんだ」

「あ、一階と二階を吹き抜け構造にするんですね」

「そうそう。で、上から光を入れる」

「はい」

「だけど気が変わって、ガラスレンガにしようと思いついたんだ」

「はぁ」


この人の思いつきはちょっと怖い。

「なんで、そんなことするの」ってことを思いつきだけで平気でやりそう。


「錬金術は精神統一が重要なんだよ。だから、色ガラスも入れて、光のパワーを採り入れたアトリエにしたいんだ」


なんか、目をつむって夢見る顔になった。

できあがったアトリエをイメージしているのだろう。


「えっと、何がしたいかはよくわかりました。今日積むのは、前回積んだカーブのある壁部分ですね」

「そうだ。ちゃんと足場も造ってもらったから、できるだろう」


うん、しっかりとした竹で作った足場が用意されている。

梯子まで掛けてくれているから、安心してレンガを積めるだろう。


「でも、色ガラスレンガを使うとなると、順番が大切になりますよね」

「いいところに気が付いたね」

「順番を書いた紙とかないんですか?」

「ない」

「えっ、じゃあどうやって?」


まさか、僕のセンスに任せるとか言わないだろうなぁ。

嫌だよ、そんなの。絵は下手なんだから。


「その代わりのやり方はちゃんと開発してある」


あ、妙にうれしそうな顔になった。

それも、イタズラを思いついた子供みたいな顔。

なんかヤバイやり方なんじゃないかな。


どんなやり方なのか・・・


どんな無茶なことを言うんだろうか・・・どうなるか気になるって人は

ブクマや評価をしてくれるとうれしいです。



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