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第108話 鉱山開発は予報でうまくいくのか?

1カ月ぶりの更新です。


「それでは、試し掘りの話をするぞ」

「はい。よろしくね」


山師ガルスと投資主のエミリーさん。

すぐに実際のやり方から話し始めてしまった。


山師に投資するというのは、決定事項なのね。


「最初は金貨100枚を使って試し掘りをする。それはいいな」

「ええ、そのくらい余裕よ」


あー、金貨5000枚の遺産があると言っても、金貨100枚は大金ですよ、お嬢さん。


「試し掘りは、順番にやっていくことになる。だいたい1週間試し掘りをしても鉱脈の兆候がなかったら、中止して次にいく」

「はい。それでいきましょう」

「まずはどのあたりを掘るか。それが重要だ」


山師は地図を広げた。

何やら記号がたくさん記されている。


「この記号は何?」

「過去に行った調査の結果だ」

「試し掘りをしたの?」

「したところもあれば、まだしていなくて表層調査だけのところもある」


地図に大きな〇を3つ書いている。


「この山は鉱脈的に見て3つの可能性があるエリアが存在する」

「そうなのね」

「まずは、どのエリアにするかだ」

「どこがいいのかしら」

「俺の一押しはここだ。エリアが広いから試し掘りをある程度しないといけないがな」

「ジュートさん。このエリアを開発したら良い鉱山になりますか」


《キン・コン・カン・コーン♪》


「開発は失敗するでしょう」

「なんと。ここではないのか」

「あー、やっぱり。僕は違うと思っていたんだ♪」


インチキエージェント、ジェイミーが口を出してくる。


「僕はね、ズバリここ」


別の丸を付けたところを指さした。


「僕の勘がここが一番だと言っているよ」


うーん。全然信頼したくない感だな。

そこだけは採用してほしくない。


「では、ジュートいくぞ。このエリアを開発したら良い鉱山になりますか」


《キン・コン・カン・コーン♪》


「開発は失敗するでしょう」

「うわぁーー。なんでだ? 僕の百発百中の予感が外れるとは!」


どうみても、百発一中もあれば、当たった方って感じの予感だな。


「それなら、選択はひとつだけね。最後のここ」


エミリーがまだ選ばれていないエリアを指さす。


「ジュートさん。このエリアを開発したら良い鉱山になりますか」

《キン・コン・カン・コーン♪》


「開発は失敗するでしょう」


「「「「「ええー」」」」」


なんと。

全部ダメということか。


「おかしいわ。全部ダメなんて。私の予感だとこの3つのうち、どこかに鉱脈は隠れていると感じているわ」


クレアさんの予感。

百発百中とは言わないが、インチキ・ジェイミーより100倍は役立つはずだ。


「うーん。クレアさんの予感はそう言っているのか」

「ちょっと待ってほしいの」

「なんだい、ミリーちゃん」

「まずはわたしが予報を聞いていい?」

「もちろん」


「ジュートさん。この3つのエリアのどこかに良い鉱山になるエリアはありますか?」


《キン・コン・カン・コーン♪》


「3エリアのうち、ひとつは良い鉱山になるでしょう」

「「「「ええっー、どういうこと?」」」」


さっき、どれもダメって予報だったじゃん。

なんで、どれかひとつはいいって予報なの。


自分で予報していて混乱してきた。


予報だって100%じゃないし、なんか誤差みたいなのもが関係しているのかな。


「やっぱりなの」

「どういうこと、かしらミリーちゃん?」


ひとりだけ答えをもっているらしいミリーちゃん。


きっとテンプレスキルが発動しているのだろう。


過去の経験をテンプレにして、初めての事柄を考えるスキル。

テンプレスキル。


それが出した答えがなんなのか。


その後のジュートへの質問で明らかになったのだ。


また、新連載はじめました。


今度は令和の日本が舞台のローファンタジー。


ダンジョンも魔法もレベルアップもない。


ただ、チート財布があるだけってお話です。


良かったら読んでくださいね。


『時給12億円のニート参上! 使っても無くならない財布を拾ったけどお金の使い方が分かりません』

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