第104話 製鉄炉はレンガ製だった!
「どうです、でかいだろう」
鉄製のヘルメットをかぶったおっさんが言う。
ドワーフかと見間違いそうな、背が低いくせにがっちりしているおっさんだ。
「でかいですね」
しみじみと見上げて僕が言う。
僕は今、新しい施設を作るという現場に来ている。
新しい施設というのが製鉄炉だ。
製鉄炉は鉄鉱石から鉄のインゴッドを作るための施設。
高温で溶かした鉄を作るために、熱を逃がさない耐火壁が必要になる。
その耐火壁は、耐火レンガで作り上げる。
そこでレンガ積の専門家として僕が呼ばれた訳だ。
「ただ、見ての通り、複雑なカーブを描いた耐火壁をつくらないといけません」
「カーブですね。美しいカーブを描いたレンガ」
もう、その話だけで萌えて、おっと違った、燃えてきた。
レンガでカーブを作っていくのは、難しいけど楽しいことなんだ。
「レンガ早く積んでみたいです」
「そう簡単にはいかないさ。今、炉の内部の形にした砂を固めているところだ」
「そこに沿ってレンガを積むんですね」
「そうだ。やってくれるか」
「はい。僕を中心に少年少女レンガ隊を連れてきますよ」
「頼んだぞ」
出来上がれば、高さ6mにもなる製鉄炉。
耐火レンガはなんと10枚も重ねていく。
大量のレンガを積まないといけないのだ。
「どんな感じでやったらいいですかね」
「それは任せてください」
まずは、実際に積む前にイメージトレーニングしてみよう。
マイコテをもって、イメージのレンガをイメージのモルタルで積み上げていく。
( レンガ・レンガ・レンガ・確認・レンガ・レンガ・レンガ・確認 )
( レンガ・レンガ・レンガ・確認・レンガ・レンガ・レンガ・確認 )
( レンガ・レンガ・レンガ・確認・レンガ・レンガ・レンガ・確認 )
うーん、大丈夫だ。
微妙なカーブを描いているが、しっかりと積んでいける。
しかし、これだけの大量のレンガを積むとなると、僕と少年少女レンガ隊でいけるか。
少々期間はかかるが、仲間内だけでやろう。
その方がクオリティは間違いなくアップする。
( レンガ・レンガ・レンガ・確認・レンガ・レンガ・レンガ・確認 )
( レンガ・レンガ・レンガ・確認・レンガ・レンガ・レンガ・確認 )
( レンガ・レンガ・レンガ・確認・レンガ・レンガ・レンガ・確認 )
いい感じだ。
一周10mちょっと。
もう一回で積みあがるな。
( レンガ・レンガ・レンガ・確認・レンガ・レンガ・レンガ・確認 )
( レンガ・レンガ・レンガ・確認・レンガ・レンガ・レンガ・確認 )
( レンガ・レンガ・レンガ・確認・レンガ・確認 )
よし、一周完成した。
早く実際に積んでみたいな。
シバ君たちと一緒に。
子供たちもうれしそうにレンガを積んでいる姿がイメージできるぞ。
( レンガっ・レンガっ・レンガっ・確認 )
一生懸命積んでいるまだ慣れていない子の姿。
( レンガ・レンガ・レンガ・確認・レンガ・レンガ・レンガ・確認 )
シバ君くらいになると、一人前に積んでくれそうだ。
「なんか楽しそうだな」
「監督、すごく楽しみです。こんなに分厚いレンガ壁積んだことないですから」
「そうだろう。期待しているぞ」
期待されるって嬉しいな。
おっと、時間だ。
そろそろ行かないと、予報屋の開店時間に間に合わなくなってしまうな。
4月に入って、気楽に新作を書いていました。
来月には、『土魔法』の書籍の第二巻がでます。
こっちの読者に更新の予定を聞かれちゃったので、
再開することにしました。
同時並行で土魔法も書きます。
まだ、更新タイミングは未定ですが、
まずはレンガから書いてみました。
「期待しているぞ」って思ってもらえたら、評価をよろしくお願いしますっ。




