第101話 洋服コーディネイト勝負
翌日。
レンガ500個を積み終わった僕は、街の商業地区にやってきた。
二度金貨予報をした洋服屋さんに行くために。
「あ。ここだ」
大きな看板のある店で『クイーン洋服店』と書いてある。
その店の斜め向かいにもうひとつ同じ大きさくらいの洋服店があり、『キャピタル洋服店』と看板を出している。
「こっちがライバルのお店だな」
たしかに、『キャピタル洋服店』の方が華やかな感じがする。
だけど、今は『クイーン洋服店』の店頭に人だかりができている。
「こんにちわ」
「あ、予報屋さん。いらっしゃいませ」
「お客じゃないんですよ。うちのスタッフががんばっているかなと」
「はい。見てください」
店頭に木人形が4つ並んでいる。
それぞれ服が着せらていて、足元に木製のプレートがおいてある。
「Mコーデ、Rコーデ、Sコーデ、Cコーデ。どれが誰のコーディネートなんですか?」
「クレアさんがCコーデで、ミリーちゃんはMコーデよ。残りのふたつがうちのスタッフなの」
あれ、店長さん。
予報屋では普通に話していたのに、ちょっとおネェぽい?
「どうですか? うちのスタッフのコーディネイトは?」
「正直言ってもいいかしら? まだまだって感じね」
確かにミリーちゃんのMコーデは薄緑のカーディガンと白いスカートのかわいらしいコーデ。
15歳らしいといえばそういえるんだけど、このお店のメインのお客さんにとってはかわいすぎるかも。
クレアさんのCコーデは、ベージュのワンピースをベースにした無難なもの。
ちょっと特徴に欠けるかも。
「あ、ジュートさん。来てくれたのー」
ミリーちゃんが店の奥から出てきた。
お店の人やお客さんと話をしていたらしい。
「クレアさんは?」
「今日は用事があるみたいで、木人形に服を着せたら帰っちゃった」
「どう? 洋服屋さんも楽しそうだね」
「うん。いろんな洋服に囲まれているのって幸せ」
今、来ている服もこのお店で買ったのかな。
見たことがない服だと思うしね。
「だけど、アクセサリーがないの」
「どういうこと?」
「あ、うちの店はアクセサリーは扱えないのよ。商会ギルドのライセンスが洋服だけなの」
商会ギルドに所属している店は、扱える商品がライセンスによって決まっている。
商品ごとのライセンス発行数は決まっているから、過当競争になることを防いでいるのだ。
「ミリーちゃんがコーディネートしたとき、リボンをつけたいっていうんだけど、うちのお店じゃ扱っていないからね」
「そうか。売っていない商品は使うのは問題ですね」
「でも。この子はリボンがあったらもっとかわいくなるのにー」
Mコーデの木人形を指して言う。
「ミリーちゃん。その木人形にアクセサリーを使えるいい方法ってないですか?」
「アクセサリーショップとコラボをすればいいでしょう」
お、でたね。テンプレスキル。
だいぶ僕もテンプレスキルを発動させるのに慣れてきたな。
「コラボってどういうことかしら?」
「コラボっていうのは、一緒にイベントをしたりすることなの。この場合のコラボはアクセサリーショップとコーデで協力しあうってことなの」
たぶん、コーディネートでアクセサリーを使いたいのは、ミリーちゃんだけじゃないはず。
やっぱり、アクセントとかにアクセサリーが欲しいよね。
だから、どこかアクセサリーショップとコラボして、そのお店のアクセサリーを借りて木人形でコーデ展示するってことだな。
「それなら、私がいつもアクセサリーを買っているお店じゃどうかしら」
《キンコンカンコーン》
「そのお店はこのお店の商品と相性がよくないでしょう」
「あ、そのとおりね。私が好きなのはちょっと派手だから」
店長さん。そんなに派手なアクセサリーつけたりするの?
男の僕からすると、男がアクセサリーつけたりするのは抵抗があるな。
「3軒隣のアクセサリー店がいいと思うの」
《キンコンカンコーン》
「そのお店はこのお店の商品と相性がよいでしょう」
「そうね。そこなら、うちの商品とバッチリ合うわね。私好みじゃないけど」
早速、店長さんとミリーちゃんでアクセサリーショップに話に行った。
その間も道を通る人がコーデ人形が気になって寄ってきている。
二人づれの若い女性は、MコーデとCコーデのどちらがいいか話している。
片方の女性がMコーデを絶賛していて、もうひとりはCコーデ派みたい。
そんな話をしている横を別のお客さんがお店の中に入っていく。
やっぱり、店頭に人がいるとお客さんが寄ってきやすいものなんだ。
お店の集客って面白いなと思っちゃった。
予報屋さん総出でお店の集客中です。
まぁ、女性ふたりは趣味で、主人公は顧客フォローだけどね。




