植物園のティータイム
植物園でお茶をしていた。相手は薔薇たち。薔薇はやはり紅茶が好きだ。だが、間違ってもローズティーなんて渡してはいけない。彼女はローズティーが嫌いだ。味が嫌いなのではなく、存在が嫌いなのだ。そりゃあそうだ。なにせ原料は彼女の仲間なのだから。そんなことしたら彼女らは二度と僕とお茶なんて飲んでくれないだろう。彼女らのご機嫌取りは凄まじく大変だし、僕だってヒューマンティーなんか出す奴とお茶なんて飲みたくない。つまりそういうことだ。
彼女らは高慢で高飛車な性格だが、決して悪いやつらではない。結構会話が好きだし、僕には到底思いつかないような優雅な遊び心を持っている。それはなかなか僕を離さない特別な力だ。だから僕は植物の世話をやめない。もしかしたら僕は薔薇達に寄生されているのかもしれない。だが彼女は僕の世話がないとすぐに枯れるのだから、ただ、心の持ちようだと思う。僕はそんなことを考えながら薔薇達にお茶を注いだ。お茶会は終わることを知らず、僕も終わりなんか来なければいいと思った。
最後の薔薇が枯れた日のこと。僕は少し悲しんだが、恐ろしいことに、もう慣れてしまったのか、少ししか悲しまなかった。僕はそれ以来薔薇を育てるのを辞めた。植物園は荒れ放題になったが、僕は気にしなかった。 悲しいことに悲しめない事ほどに恐ろしいことはない。僕はそう思った。
ある日、僕はサボテンを買ってきた。室内で育てられる小さなやつだ。彼はお茶はあまり飲まなかったが、とても愉快な奴で、陰気な僕とすごくうまがあった。僕はたまに考える。僕が死んだあと、サボテンは悲しむだろうか?多分それなりに悲しんで、違う人間を探しに行くだろう。それは、少し悲しい。
お恥ずかしながら文章の仕事を目指しています。先はまだまだまだ遠いですが、一生懸命1歩ずつ頑張りたいと思います。アドバイス等をどしどし下さると助かります。
コメントも一言貰えるだけでモチベーションが凄く上がるので、お暇であればお気軽にお願いします。
毎日1話以上の投稿を目指していて、今日で14日目、今日1個目の投稿です。
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フフフ…。気付いたか?そう、さっき読んだあとがきは…私の…残像だ!