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作者: 澄
掲載日:2018/01/29

からっぽのさびしさに震える夜を描こう

張り裂けそうな胸の奥で消化しきれない思いが渦巻いているから

紅梅色の山茶花の花が咲き乱れた端から散っていく様をかき乱される

思いに重ねて

銀鼠色の冷たいアルミの枠に深く沈み込む青を埋め込んだ

奥に奥に沈んでいくものを形にして

どこからか鈴の音が聴こえて枯れ草色のぺんぺん草がさらさと揺れて

遠くの方から駆けてくるあの子は白いカッターシャツを着て面影は消えない

藍色の学生服

星が降るよな空の下で

ぺんぺん草を弄るのは脱走したばかりの柴犬で

柴犬のこまちゃんは脱走ばかりするから

ぺんぺん草が大好きで

ぺんぺん草の土手の下

水の匂いが心地よくて

清流の音

風が揺れてる

ごうごう言ってる

夏には蛍が隠れるの

あの長老の木の下っ側に

ぺんぺん草の土手の上

淡藤色のキャンバスに指先でうめているから

時折火傷をしそうになって

それは柴犬のこまちゃんが

動けなくなった頃のことで

おなかがとっても大きくなって

脱走も出来なくなって

びぃーんって飛行機が飛んでた

青い空が綺麗だったの

ラジコンのプロペラがくるくるへなへながきってなって

墜落したとき

紺色のとんぼがいっしょにくるくるしてた

風と空の色

こまちゃんはいなくなったの


アルミの枠では収まらないから

金茶色の夕焼けに時折赤橙が混じるの

空は大きなキャンバスで

からっぽのさびしさに震える夜を描こう

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