最愛の人
とある同性愛者の独り言。
同性である意味も要素もあまりありません。ご了承ください。
あんな状況で、貴方は僕の唯一の光だつた。
そう、僕の、『最愛の人』。
ねぇ、貴方は僕を許してくれますか?こんなにも自分勝手で、身勝手で、僕はどうしてこうも、「恋愛」と言うものに向いて亡いのか。
貴方と出会つたのはとある夏の日でしたね。僕は何時ものやうに心の疵を 弄び。
貴方は何時ものやうにふぅわりと自然に、僕の中に入つて来て。
「今日は、可愛らしい御兄さん。」
なんて。
僕は一体如何してその光に惹かれてしまつて。つい。
「…今日は。」
なんて。
僕等は果して出会つて好かつたのでせうか。
過去の男を 引き摺る僕に、貴方は何処までも優しく切なく、微笑んで。
その時。あれれ。ポタリと墜ちる物に僕は。初めての感覚に僕は。
ねぇ。だけど。…嗚呼、駄目なんだ。
僕は貴方を、貴方は僕を、愛しては成らないと言うのに。
僕は貴方の気持ちに応えられない。だつて、この心は、気持ちは、きつと。
『愛』何かじゃ亡いんだ。
きつと。僕のこれは穢い欲でしかなくて。唯の自己顕示欲で。
きつと。貴方のそれは誠の愛とやらで。僕を包み込んでくれて。
それ故に僕は、僕は。
一緒にいると、罪悪感を感じるのは変ですか?
一緒にいると、劣等感を感じるのは変ですか?
一緒にいると、自己嫌悪に陥るのは変ですか?
一緒にいると、不安になつてくるのは変ですか?
一緒にいると。…一緒にいると?
可笑しいな。僕はこんなことを。したかつた訳では。訳では。
如何何だろう?
この状況に満足している僕が居る。満足していない僕は。果して。
アイシテルヨ。
本当に。心の底から思うよ。そうだな、貴方の骸にでも誓おうか。僕の腕の中で安良かに眠る貴方に。
僕の愛は、少し位は伝わつたかな?
愛仕方なんて。僕には解らない。けれど、きつとこれが正解だと思える。
だつて僕はこんなにも満足している。貴方が生きていた頃の自己満足な、自分本意な愛じゃ亡くなつたよ。今は僕の全てを貴方に捧ぐことが出来る。
「僕が愛した人は不幸に成るんだ。」
何時だつたか、僕が貴方に紡いだ言之葉。
貴方は唯笑つて。
「君となら。不幸すら幸福に変わるんだ。」
嗚呼、貴方は僕の言之葉を何処まで正確に捉えていたの?
嗚呼、僕の言之葉は貴方に何処まで正確に届いていたの?
貴方を『不幸』にはしたく亡かつた。
ねぇ、僕は。間違つてなんか亡い筈なんだ。
そうでしょう?
貴方は、今、幸ですか?
幸でしょう?
貴方は、幸でなければ成らないのだから。
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