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第5章〜双子〜
「スースー・・・んごがぁ!!」
規則正しく寝息を立てていると
腹を思いきし打たれた。
「な、何するんやーーー!!?っていうか誰がやったねん!!」
「あー起きましたかぁ?いや〜何度呼びかけても起きないもんだからついつい・・すみませんね。」
「いやあんた呼びかけてないでしょ!っていうかついついで人の腹打つ人なんていないから!」
「なぁ〜んですか、朝からうるさい人ですねぇ〜人がせっかく起こしてやってんのになんの問題もないでしょ〜よぉ。」
「いやいや!私の人権の問題だから!それに起こしてなんて私一言も言ってないから!!」
先ほどから騒いでいる2人の名前は
女の子が
クレナイ・レイナ
男の子が
クレナイ・レイキ
双子の兄妹だ。
2人とも外見はとっても似ている、が、
中身は天と地ほどの違いようだ。
決して仲のいい双子とは言い切れない。
「だいたい、君が早く起きれば僕が起こさなくてもいいんだよぉ。もっと早く起きる心構えをしたらぁ?」
「あんたなぁ、私は何度もほっといてって言ったんだけど聞こえなかったんか?あ?」
「むぷぷ、レイナ物凄くおばさん口調だよぉ〜?」
「こ、こいつ・・!いっぺん死ねーーーーー!!」
「わーーーー♪」
ドタドタドタ バンッ ガンッ
これは何時もの日常茶万事。
そしてもう一つの日常が・・―――
「やぁ!おはようございます、美しく可愛らしいレイナさん♪さぁ!この僕におはようのキ「ガンッ!!」」
この男はレイナに一方通行な恋心を抱いている健気な男、否、幼馴染、
ダデロム・ジュリだ。
そして先ほど会話の途中でレイキが投げたと思われる鉄の玉をもろ顔面にくらい
その場に倒れこんだ。
「こいついっぺん死んだ方がいいんじゃない?ねぇレイナ〜Vv」
「い、いやいやいや、やりすぎだから!限度を考えようよ!;」
「うぐぐぐ・・お、おのれぇ、クレナイレイキ!なんという事をしてくれたんだ!!それに比べて、レイナさんはホントにお優しいですね!!」
「何言ってんのぉ?君が悪いんでしょ。朝っぱらから人の家に入ってきてさ、迷惑だっつ〜のぉ!」
「な、なにおぅ〜!!!」
「ふ、2人とも!ケンカはやめような?な?どうしてもやるんだったら外でやってーーー!!!」
レイナの悲鳴が家の中に響いた。
まだその頃は知らない、未知の出来事の予想をしてか、外の鳥が鳴いた。