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「・・・・・」
「・・・・・だから僕は奴等を殺すんだ。あの子の為に。あの子が望んだ世界にするために。」
「あの・・・・子?」
「僕はきっと、いつかはこの報いを受ける。ならば僕はこの一生を悪役として生きる。」
は?何?サヲは今なんて言った?
「まって!君が・・・君が人を殺めるのは自分の意思じゃなくて、ある特定の人の為なんだろう?なんで君が悪役になってまでその子の願いを叶えなくちゃいけないんだ!!!」
「それはまだ教えられない・・・・・・誰にも、ね。」
分かってた、本当は、サヲは”1人”なんだって事。
でもそうじゃない、今は・・・俺がいる。
「・・・そっか、・・・・・・ねぇじゃあさ、俺も仲間に入れてくれない?」
だって・・君は―――
「・・・・・は? 自分が何言ってるのか分かってる?僕が今やってる事知ってる?
世界滅亡亡国計画だよ?それでも僕の仲間になると言うの?」
「・・・言っとくけど俺、結構この平和な世界に飽き飽きしていたんだ。
答えは変わらないよ。」
コウの目は強く綺麗に輝いていた。
「・・・・ハァ・・。分かったよ、でも絶対に裏切らないでね。 裏切った時は・・・」
その続きの言葉が繋がる事はなかった。
サヲが俺に何を言いたいのか、嫌でも分かってしまう。
俺はわざと聞かなかった。
その代わり、やさしく微笑んだ。
世界は真実に辿り着くまでの強い強い掛け橋。