心得
第13章〜悲劇〜
この人達は何?
仲間って何?
ここは何処?
何で・・?レイキ・・は?
「そんな心配しなくても大丈夫よ。」
ふと後から声がした。
振り向いてみるとそこには 銀色の瞳の少女が居た。
歳はおそらく同じくらいだろう思うその少女は
愛想がよさそうに笑って話かけている。
「あん・・たは、誰や?」
「ああ、ごめんなさい。私の名前はシナ。呼び捨てでいいわ。で、こっちの子は、私の弟のカナ。よろしくね。」
「よろしくね。レイナさん。」
そしてこちらの少年もとても愛想が良さそうだ。
外見だとこの姉弟はホントに良く似てる。
きょう・・だい・・。
「・・あの、ここは?それに仲間ってなんですか?」
「敬語じゃなくていいよ?」
と、また1人増えた。
「あ〜俺の名前はコウでいいよ!と言うよりも、サヲから何にも聞いてない?」
「うん。何か最近頭の中に声が聞こえてくるようになったんや。それがすごく気になってて考えてたらその声がだんだん近づいて来て、振り向いたらそこにサヲがいて・・」
「連れて来られたって訳ですね?」
「そうや。」
「まったく、俺が考えた計画ちゃんと行ってないんだから・・。」
「まぁいいじゃない、コウが話してあげれば。」
「しょうがないか・・サヲはなんか部屋に篭っちゃったし・・。んじゃ話すからよーく聞いてね?」
どきっ
なんだろうこの緊張は。
「・・君はね、サヲに選ばれたんだ。」
・・・はい?
「私が・・選ばれた・?サヲに?」
「そ、ここに居る2人もそうさ。いいか?サヲに選ばれたのには訳があるんだよ。」
と、ココまで言うと次にシナが話す。
「そう。まずサヲの目的は政令軍を潰す事。その為には、有力な仲間が必要。」
「それで今サヲさんは、ボクたちのような人物を探しています。」
「ボクたちの・・ような・・?」
「そう。この2人は君と一緒なんだ。だから君も選ばれた。」
「何・・?私と2人と何処が同じなんや?」
「それはね、悪役の心得。」
「?」
「ん〜分かりやすく言えば、物語って必ず悪役がいるでしょ?でも悪役って正義に必ず最後はやられて終わりなの。そして俺たちはまさにその悪役って事。」
がちゃ
と そこにサヲがやって来た。
「説明は終わったの?」
「今してるとこですよ。」
「俺の計画上ではサヲが説明するはずだったんですけどぉー。」
「だから来たんだけど?」
「えっホント?じゃあ宜しく!」
「・・・大体の事は聞けた?」
「さ・・さあ?」
「説明の意味ないじゃない。何を教えていたのさ。」
じとり・・ とサヲがコウを見た。
「すみませんねぇ〜。説明下手で・・」
「あっあの!悪役云々は聞いたんやけど、なんで私が悪役なんや?」
「ああ、そんなこと。答えは簡単、君はこれから悲劇を体験する事になる。」
「悲劇・・?」
「そう。ここに居る人たちは皆悲劇を受けてきた人たちさ。悪役ってそんな感じでしょ?だから僕たちは悪役。」
「悲劇って何・・?それに政令軍を潰す何てあんた 何者なんや。」
にやり
「・・ねえ。トライラって知ってる?」