1日の終わり
「トライラ・・?知ってるわ。だって有名だもの術師の間では。」
「そう、トライラは術師。君も術師だ。トライラに狙われているのは政令軍が基本だ。」
「・・・?」
「わかんない?つまり政令軍は術師を恐れている。」
「え・・・」
「だから奴らはトライラのような者が今後一切増えないように、術師の弱い者からどんどん殺していってるんだ。」
体が震える。
「そして次は君の番だった。だけどそれを君の両親が見逃すわけないでしょ?」
「そんな、じゃあ!私の父と母は私のことを助けようとして死んだって言うの?」
「そういうことになる。」
・・・・
「シナ・・・。」
「・・めんね・・」
「えっ?」
「ごめんね。私のせいで、私のせいでお母さんとお父さんを・・」
「・・大丈夫だよ。」
「?」
「だって、父さんと母さんが居なくなってもシナが居るから・・ボク寂しくないよ・・。」
「・・・ありがとう。」
2人で笑った。
大丈夫だと言える そんなカナがシナは羨ましかった。
「・・そういえば、何でそんなに詳しいの?」
「・・・・・・・・・知りたい?」
「ええ!」
「うん。ボクも知りたいな。」
じゃあ・・と言って一旦会話を止め、また口をひらく
「・・・トライラの名前言える?」
いきなりのサヲの質問にシナとカナは戸惑った。
「えっ?ううん分かんない。トライラだけじゃないの?」
そう返したら何か思いついたのか、コウが立ち上がった。
「サヲ、俺お茶持ってくんね。」
「うん宜しく。」
そう言ってコウが出て行った。
「で、知らないんだよね。教えてあげる。
・・・・彼の名は、トライラ・ユイ・サヲ・・・・、僕がトライラさ。」
「!!!!!!!!!」
「え!ホントに?」
「うん。」
部屋が静まり返った。
あれ・・?トライラって人を平気に殺すんだっけ?
怖い怖い・・殺されちゃうのかな・?
「殺さないよ。」
「・・!?な・・で?!」
「僕は政令軍にしか殺しはしないんだ。」
「心読ん・・!!」
「うん僕って心読めちゃうんだよね。」
「サヲさん・・?ボクたちをここに呼んだ訳は?」
「呼び捨てでいいよ。何で君達を呼んだか?決まってるじゃない、僕の夢を一緒に叶えてもらう為さ。」
「夢・・?」
「うん、僕の夢。世界滅亡亡国計画。」
「せかい・・めつぼう・・ぼうこく計画・・?」
「うん、そのために僕は邪魔をする政令軍を殺していった。どうせ標的は一緒だし。どう?」
「・・・いいわ。」
「シナ・・・?」
「カナ・・・・・今から私たちの敵は政令軍よ。」
「・・分かった。」
「・・・じゃ、決まりだね。ここにすんでいいから。部屋は好きにあいてるとこ使っていいから。あと細かい事はコウにでも聞いといて。」
「「うん。」」
そう言って、サヲは部屋から出ていった。
「っていうか・・広すぎない?此処・・。」
「同感。」