1日目のたそがれ
第8章〜カナとシナ〜
カチャ
「カナ!!!」
「!シナ!!!」
やっと出会えたただ1人の肉親の顔を見、一安心する。
「ごめんね、傍に居てあげられなくて・・」
「ううん。でもシナが無事でよかった。」
よかった・・
「あ・・あの有り難うございました。何か迷惑掛けてしまって・・。」
「気にしないで。」
「!はい!!」
にこっと笑い視線をまたカナの方に向ける。
「ここに1人で居たの?」
「ううん。コウさんが一緒に居てくれたから・・」
「コウ・・さん?」
コウとは誰だろうと考えているといきなりドアが開いた。
「ただいま〜。サヲ〜米とパン買って来たよ〜。」
「うん。ご苦労様。」
「あ、お帰りなさいコウさん。」
「ただいま〜。」
ニコニコしている少年は愛想がよさそうで良い人そうだったのでホッと息を漏らした。
「ん?あ!君がシナ?俺コウって言うんだ。よろしくね!」
「え・・と、うんよろしくね。コウ・・さん?」
「コウでいいよ。」
ニコニコ
「じゃあ、よろしくね?コウ。」
うん仲良くしていけそう。
相変わらずカナはコウと話している、とても気に入ったのだろう。
すると、少し黙り込んでいたサヲが口を開いた。
「さて、そろそろ本題に入ろうか?」
「あ、ええ お願いするわ。」
「それじゃ、何から聞きたい?」
「じゃあ・・何故政令軍は私たちの父と母を・・・・・」
思い出したら泣けてきた。
そして隣に座っていたカナが背中を撫でてくれた。
「うん。政令軍が何故君達の親を殺したのか。答えは簡単、邪魔な存在だったから。」
「!?」
「勘違いしないで、君達の親があいつ等にとって邪魔な存在ではない。」
「じゃ、じゃあ邪魔な奴って・・・・?」
「政令軍にとって邪魔なのはシナ、君だよ。」
「私・・・・?」
「そう。」
「な・・んで?何で私が邪魔なの?なんで私が邪魔なのにお父さんとお母さんが殺されなきゃいけないの?何で・・なん・・で・・・・・。」
ふら・・
「!?シナ!!」
「シナ!?大丈夫?」
シナは倒れそうになったがカナが支えてくれた。
「君が何で政令軍にとって邪魔か・・・・・・。ねえ、トライラって知ってる?」