10〜始まる狂い〜
ここから本格的にグロくなってきます。
気をつけて観覧してください。
第7章〜血〜
そこは海だった。
青く綺麗な海とは違う、その真反対の色をした・・
赤く人間の内臓とも思える物が浮かんでいる残酷な海だった。
眼が痛い。
夢だ私は夢を見てるんだ。そうに違いない。
ぐちゃ
靴で何かを踏んだ。
私は恐る恐る靴の下を見た。
「い・・・・いやあぁぁぁぁ!!!!」
其処に在ったのは
まぎれも無く自分の父親の顔だった。
怖い怖い怖い怖い怖い
「な・・んで・・?」
こんな事になった?
自分が5分出かけているうちに一体何があったのか。
「お父さん、お母さん・・!!」
親の変わり果てた姿を見て泣き叫ぶ
彼女の名は デスティ・エン・シナ
この街唯一の術師。
と言っても術師の中では中ぐらいのランクだ
そんな彼女は術師にしては珍しく、とても心の優しい人であった。
それは親の影響でもある。
何時でも優しくて、でもいけない事はちゃんと注意して、いつも明るく元気な父と母。
そんな彼らの身になにがあったと言うのか、
たったの5分で。
「い・・一体何が・・!!カナ・・?何処・・!?何処にいるの!!?返事をして!!」
何で?何処にいるの?
カナ、カナカナカナ カナ!!
『”カナ”モイナイ』
「皆、何で?どこ行ったの・・?私を1人にしないで・・。」
(カナ、何処に行ったの?)
カツ――・・ン
「!!誰!?」
そう言い振り向いた。