9〜ちょっとした小話〜
第6章〜意思〜
最近、思う事がある。
何故人には必ず生と死があるのか。
こんな事考えるようになったのはきっとあの人のせいだ。
ガシャンッ!
「いっ!またやっちゃったよ・・はぁこれで何回目だろう・・。」
今の何か落ちて割れたような音は、
先ほどコウの不注意で落としてしまったお皿の音だった。
「・・やばいな。数えたところこれでもう51回目だ、そろそろ買いに行った方がいいかな?あ〜サヲが怖いなぁ・・。」
なんという新記録だろうか、
実際コウはかなりのドジ体質だった。
最初の頃は仕方ないと大目に見てくれていたサヲだったが、
さすがに40回も同じ事をされては頭にくる。
そして前に1度すごい勢いで怒られた。(あの時のサヲは死神のようだった)
「でもなんでサヲは俺に食器洗いをさせるんだろう?」
「何でだと思う?」
・・・・
「うぎゃあぅぉああう!!」
「何?」
そこにはいつの間に現われたのか サヲが1人立っていた。
「びびびび、ビックリさせないでくださいよぅ・・。」
「そっちが勝手にびっくりしたんでしょ。」
「んな横暴な・・;」
「・・・で?」
「で?」
「何でだと思うの?」
「え〜そんな事急に言われても分かんないよ・・;;」
はぁ。
え?何で?俺なんかいけない事しました?人間としてダメですか?
そんな・・ため息つかれるくらいに呆れた事言いました・・?
「・・まぁ、呆れた事言ったけどね。」
「心読まないでよ!!」
「何でか分からないなんて・・じゃあ教えてあげる。」
「・・・(ゴクリ。)」
息を呑む。
「答えは簡単。君がそれを望んでいるから。」
・・・・・・・
「はぁい?今何て言いまして?」
「何?僕に2回も同じ事言わせる気?」
「めめめめめめ滅相もございますん!」
「どっちだよ。」
「いいえの方で受け取ってくださいいぃぃぃ。」
「・・まあいいや。詳しく簡潔に言うと、君のような人間は人に迷惑は掛けられないタイプなんだよ。だから君が僕の文句を言っていたとしても君の意思がちゃんと体を動かして、貰った仕事をこなすんだ。」
「へ〜〜・・って!」
なんで俺がサヲの文句言いながら食器洗いしてんの知ってるの!?
「見てたから。」
「だから心読まないで――――!!!」
その後割ってしまった皿を見られて怒られたのは言うまでも無い。
コウは実はボケだったりもします★