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第二十二話「後始末(1)」

「まあ、及第点、と言った所でしょうか」


 両手に持った原稿用紙の束を自らの前にある横に置かれた長机の上に置き直し、イナが若干不満の色を滲ませながら言った。

 そこは灰色のコンクリートで四方を固められた狭く無骨な部屋であり、右手側に嵌め込まれた窓からは薄灰色の空の向こうからうっすらと朝陽が射し始め、爽やかな朝の始まりを予感させていた。


「本音を言えば修正すべき細かい箇所がいくつもあるのですが、あなたの熱意に免じて今日はこれくらいの完成度で合格としましょう」


 全然満足してないんだけどな。その朝の訪れと対極に位置する苦々しい表情は、イナの心情を言葉よりも雄弁に語っていた。

 だが彼女の上辺の言葉を聞いて、彼女と向かい合う様に机の反対側に座っていたライチはそんな彼女の本音を棚上げし、疲労で十歳は老け込んだように翳りの差したその顔を明るく輝かせた。

 達成感と開放感が一気に身の内に流れ込み、こわばった体を暖かく解していく。それと同時に緊張の糸が切れ、操り主のいなくなった人形の様にズルズルと椅子の上をずり落ち、やがて背もたれの縁の上に首筋を置いて深くため息をつく。その目は光を失い底なし穴の様に真っ黒に染まり、目元にはハッキリと判るほどにクマができていた。


「もう……もう帰ってもいいっすか?」

「ええ。今までご苦労様でした。後は自室でゆっくりと休んでください」


 イナからの許しを得て、ライチがよろよろと椅子から立ち上がる。そして多少ふらつきながらも、何とか出入り口のドアノブを掴んでそこに全体重を掛ける様にしてノブを捻り、おっかなびっくり千鳥足で部屋を後にした。


「少しやり過ぎたでしょうか……」


 その時のライチの疲れ切って丸まった背中を見て、自分以外誰もいないその部屋の中でイナが呟いた。

「……でもまあ、これで彼らも反省したでしょう。うん。これくらい厳しく行った方が彼らのためになるのです」


 だが自分がこのような行動を取った経緯を思い出し、すぐさまイナは自分が正しい事をしているのだと自己認識を新たにした。





 海上にてメイデイとの戦闘をやり終えたカサブランカがオキナワに帰還した時、ライチは――いや、無断で『生け贄ヒツジ作戦』を決行したメンバー全員は、オキナワの大地に足を踏み入れた途端に隊員によって拘束され、そのままこの部屋に連れてこられたのだった。

「さて皆様、皆様はなぜこうしてこんな殺風景な部屋に連れてこられたのか、理解しておりますよね?」


 その部屋の中には、怒りを隠す様にして顔面に乾いた笑みを貼り付けたイナの姿があった。身の危険を感じた時には既に扉に電子ロックを掛けられ、その部屋は完全に缶詰状態と化した。


「この部屋の鍵はスバシリの手にかかれば簡単に開けられますけれど、ロックを外した瞬間この部屋は爆発する仕組みになっておりますので、あしからず」


 スバシリがノブに手を掛けてハッキングを開始しようとしたまさにその時、ぞっとするほど清々しい笑みを浮かべてイナがそう言った。面に溢れんばかりの憤怒を抑えつけようとしていたために、その口の端は口さけ女の様に吊り上がり、半開きになった目からは殺意の混じった光がセーブ出来ないまま燦々と漏れ出していた。

 まさに阿修羅の笑み。獲物を前に戦鬼の浮かべる会心の笑み。

 彼らは抵抗をあきらめた。

 そしてその部屋の中、彼らは揃って長机の前に並んで座らされ、そこでイナ立ち会いの下で反省文を書く事になったのだ。

 最初の頃こそ不平不満を小声で漏らしていた彼らだったが、五分も経つ頃には既に観念したのか黙々とペンを走らせた。そして始めてから二、三十分後、彼らは続々と反省文を書き上げ、監獄からの退出を果たしていった。


「僕さ、学校行ってなかったんだよ」


 ライチを除いて。


「火星にいた頃はまともに学校行ってなかったからさ……」


 彼は文章が書けなかった。


「物心ついた頃からずっと機械いじってたから、専門用語以外の文字とか文法とか、全然書けないんだよ……」

「ま、まさか格差社会の弊害がこんな所で出てくるとは――」


 これにはさすがのイナも面食らった。文字通りの顔面蒼白である。だがそんな予想外の事態を前にしても、イナは不必要なまでに慌てる事はなかった。


「――いや、そう、そうです! 知らなければ、今から知れば良いのです!」


 むしろ変なスイッチが入ってしまった。勢いよく椅子から立ち上がり、居心地の悪そうに身を縮こませていたライチを驚かせる。


「思い立ったが吉日ッ! 思い立ったが吉日ッ! ミスター・ライチ! 授業を始めましょう!」


 そしてイナのその一言によって、そこは反省文を仕上げる所から、急遽ロウアーの火星人に読み書きを教える教室へと変わってしまったのだった。ライチに拒否権はなかった。


「ふっふっふ……さあ、準備をするのです。今からみっちり行きますからね。ちゃんとついてきてくださいよ!」


 体を横にして机に乗り上げ、眼鏡の縁を押し上げてライチを見下ろしながらイナが目を光らせる。そんなノリノリで女教師を演じる彼女を拒絶する事など、到底無理な相談である。


「大丈夫、わたくしが全て面倒を見ますから。だからあなたは、全てをわたくしにゆだねてください。そう、そうです! あなたの全てを、わたくしの前にさらけ出すのです!」


 イベント大好き人間。いつぞやのクチメの言葉が脳裏をよぎった……。

 ……結局、その授業は深夜まで続いた。イナの教え方が良かったのかライチの飲み込みが早かったのか、それとそれ自体は見慣れていたからか、文字を知る事はさほど苦戦せずに終えた。だがそれでも、文法は依然として大きな壁となって立ちはだかった。

 そしてそれまで親身になって教えてきたイナだったが、いざ文法の段階になってその教育方針を「書いて覚えろ」の一点にシフトした。結局ライチは反省文を書いては捨ててのデスマーチを敢行し、次の日の明け方まで休み無しでその作業に没頭していたのだ。





 イナが己の正しさを再確認していた頃、ライチはやっとの事で自室に戻っていた。

 その頭は中に鉄の塊を詰められたかのように重く、万力で締め上げられるかのように痛みを訴えていた。一歩歩く度に視界がぐにゃりと歪む。

 もうペンは握りたくないし見たくもない。まっすぐベッドに直行し、その上に全力で突っ伏したライチがそう思った直後、その肉体はいきなりスイッチが切れた様に意識を手放し、議論の余地もなく深い眠りの海の中へと落ちていった。


「カリン……」


 落ちる寸前、ライチは殆ど無意識に、助けを求めるかの様にその名を呼んだ。


『ライチ、私が勉強教えてあげよっか?』


 記憶の底から過去の記憶が這い上がってくる。エコー混じりのカリンの声が、ライチの弛緩しきった耳に突き刺さる。


「あのとき、受けてれば良かったなあ……」


 後悔先に立たず。そう思う間もなく、ライチは意識を手放した。




「改めてみると、随分と派手にやられたものだな」


 午前八時。反省文から解放されたライチが自室にて未だ泥の様に眠っていた一方で、彼よりも先に文章を書き終えてしっかり夜に睡眠を取っていたジンジャーは、シンジュクから持ってきたフランツモデルのジャケットに乗り込んで海と陸の境界線である砂浜の上に立っていた。そのジャケットの卵の様につるりとした無貌の顔はカサブランカをまっすぐに見据えていたが、この時ジンジャーがそう言葉を漏らした対象はその船ではなかった。


「いやあ、当たり所が悪かったとしか言えませんなあ。腕と頭はある程度狙ってできますが、砲弾で『人間』と『魚雷』の接続部分をピンポイントで狙ってぶっちぎっちまうなんざ、もう偶然としか言えませんよ」


 ジンジャーの意識はそのカサブランカの手前に鎮座されていた、かつて『メイデイ』と呼ばれていた物の残骸に向けられていた。それは先ほどからジンジャーの乗るジャケットの足下に立って説明していた濃い青色のツナギを着た男――ソウアー所属のジャケット整備班の一人――の言う通り、人間の形をした部分と魚雷のような形をした推進部分が力任せに引き千切られた様に二つに分かれて、座礁したように海岸に転がされていた。両者を接続していた腰の部分からは引き千切られた大小様々なコード類が骨や血管を連想させるかの様に痛々しく露出し、かつて人間の頭と腕がくっついていたと思しき箇所も同じように傷口を曝していた。


「直せるのか?」

「まあ、やれんことは無いとは思いますが、二、三日で終わるとは思えませんな。どんな技術が使われているのか検討もつかない――おっと」


 男が言葉を切り、口に手を当てて後ずさる。砂煙を巻き上げながらジンジャーの乗るジャケットの足下に一台のトラックが停まってきたのだ。それはソウアーの所持する充電型の電気エネルギーで動く白いトラックで、コンテナの代わりに三メートルほどの長さを持った荷台を牽引していた。

 その荷台の上には、濁った白色をした細長い硬化プラスチック製のケースが置かれていた。全長二メートル強。荷台の殆どを占有していた。


「ええと、ジンジャー・バーリィだっけ?」


 トラックの右側の窓が音を立ててずり下がり、そこから一人の女が顔を出してジャケットを見上げる様にして言った。青い帽子を被って薄茶色のツナギを羽織り、胸元までファスナーを開けたそのツナギの下から白いシャツが顔を覗かせていた。

 メインカメラを動かしてその女の顔をズームしながらジンジャーがマイク越しに言い返す。


「そうだ。それが例のブツか?」

「ええ、そうよ。これを持って、定刻までに予定のポイントに集合すること。ジャケットも忘れずに。いいわね?」

「ああ、わかった。ところで――」


 ジンジャーがその女に質問をぶつける。


「お前も行かないのか? 曲がりなりにもジャケットのパイロットだろう?」


 それを聞いた女――カスタムジャケット『メイデイ』の正規パイロットであったその女は、肩を竦めてそれに答えた。


「遠慮しとくわ。こっちの方が気楽で性に合ってるから」





 メイデイ共々カサブランカに収容されたその女は、その後の簡単な尋問で自らを『モブリス』と名乗った。その後モブリスはオキナワに着くまでの間、ロックをかけられた個室の中に監禁する事になった。


「その部屋はロックを外そうとすると爆発するからね!」

「最近そればっかりだな」

「でも抑止には繋がってますよねー」

「そーいうこと! ほら、わかったらさっさと入ってじっとしてる!」


 モブリスはそんなスバシリの言葉を素直に受け取った。彼女はその後にメイデイを奪取されカサブランカが襲撃された時も外に出ようとするアクションを見せる事も無く、その部屋にある固定式のベッドや机にしがみついて振動から必死で耐えていた。ドアのロックを解除出来なかった事も理由の一つであったが、何よりモブリスの心の中には件のメイデイを奪った少年ほどに火星人に対する反骨心は芽生えていなかったのだ。単純に疲れたからと言うのもあったが。

 そしてメイデイとの交戦を終えてカサブランカがオキナワに着いた時、モブリスもまたオキナワ支部に連行される事となった。その時の彼女の顔は汗まみれで、酷く憔悴しきった表情を浮かべていた。だがこれは別に敵の本拠に向かうのが精神的に辛いからではなく、単にメイデイとの一件において船酔いしただけである。

 酔わせたまま放置しておく訳にもいかない。パインを連行したのと同じ理由でモブリスを食堂に通し、そこで水をやって落ち着いた頃を見計らって、隊長以下オキナワ支部の隊員達は本格的に尋問を開始した。

 名前。生年月日。出身。趣味。好きな食べ物。自分の所属している基地の名称と居場所。自分が知りうる限りの基地の規模。自分達の持っていた戦力の内訳およびそれらの入手経路。

 それら他愛のないものから関係者でなければ知る事の出来ない内情まで、モブリスはあっさりと包み隠さず白状した。青空の会に戻るよりも、こちらに取り入った方が得であると判断した故である――マイホームを兼ねていたカゴシマ支部が丸ごと消し飛んだからと言うのもあったが。

 上層部はそんな彼女の状況に真っ先に食いついた。


「モブリス、一つ提案があるんだが」


 小さくあくびを殺していたモブリスに上層部員が言った。


「もしこのまま行く当てが他になければなんだが、ここで生活してみないか? もちろん、それなりにしっかりと仕事して」

「やります! やります!」


 モブリスはそれを二つ返事で了承した。仕事の内容は聞かなかったし聞くまでもなかった。別段青空の会に忠誠を誓っている訳でもなかったし、物が食べられて雨風をしのげる場所さえ確保出来れば、どこにいても一緒だと考えていたからだった。





「お前も順応が早い奴だよな」


 自ら操るジャケットの指が荷台の上に置かれた箱の上蓋を開けていくのをモニター越しに見ながら、ジンジャーがモブリスに言った。肩を竦めてモブリスが返す。


「別に青空の会に肩入れしてた訳じゃないしね。まあ、私も地球生まれだし、連中の言い分も判らなくもないけど」

「火星の人間が嫌いとかではないのか?」

「そんなの考える余裕ないって。もう自分の事だけで手一杯なんだから」


 蓋が完全に開かれ、中身が露わになる。もう片方の手を使ってその箱の中身を取り出すジャケットの姿を見やりながらモブリスが続けた。


「ほら、こっちの……ソウアーだっけ? 青空の会の連中は、あそこがやってるみたいに本格的に植林とか農耕とかしてないからさ。下っ端にまで満足に食料が届いてないのよ」

「農耕してない? ならどうやって賄ってるんだ?」

「戦争が起きた時に当時の人間達が地下に合成食料の精製装置を運び込んできててさ。それを使ってるって訳。でもかなり旧式だしガタも来てるから、満足に食べ物が作れないのよ」

「その満足に出来た分を上の連中が優先的にもらっていると言う訳か」

「そう言うこと」


 上の奴らは下っ端を飯で釣ってんのよ。そんなモブリスの呟きをジャケットの集音センサーは聞き逃さなかった。


「くれてやるから黙って働けと」

「そうそう。だから下っ端は、どれだけ不本意な内容の任務でもこなさなきゃならない。やらなきゃご飯にありつけないから」

「お前もそうだったのか?」

「ええ。まあ、貰える食料の内容にケチつけられるだけ、私はマシな方よ」


 言いながらモブリスが丸みを帯びたジャケットの巨躯を見上げる。銀色に輝く肉厚な流線型の装甲を備えたその巨人は、右手にジャケットが使うサイズにまで相似拡大されたスコップを持っていた。


「そういえばさ、あんたの所はどうなのよ?」


 かつて敵対していた事に対するわだかまりを微塵も感じないほどのんびりした口調でジャケットに向けてモブリスが言った。


「私?」

「そ。あんたも火星から来たんでしょ? その時の生活とかどうしてたのよ? やっぱり贅沢な暮らししてたの?」

「いや、お前が考えてるほど贅沢な生活はしてないよ。私もロウアー……下っ端だったからな。ジャケットの免許持ってたからそれを使って、その日暮らしの傭兵稼業だ」


 傭兵。その言葉を聞いて、モブリスが子供の様に目を輝かせる。


「傭兵……なにそれかっこいい。いい響きじゃない」

「ただの使い走り。派遣社員だよ」


 ジンジャーが疲れた様に漏らす。モブリスはそれを聞いて「世知辛いのはどこも一緒なのね」と夢から醒めた様に嘆息し、男は初めて聞いたジンジャーの経歴に耳をすませて聞き入っていた。


「最後に仕事を受けたのが確か、ローリエリーフからの依頼だったか。懐かしいな……」


 そう続けたジンジャーの目は、はるか空の彼方にある赤い星に向けられていた。




 ジンジャー・バーリィの視線の先、地球から約七千八百万キロメートル離れた場所に位置する赤い星。

 その赤い大地の上に、第三火星防衛軍特殊部隊ローリエリーフの駐屯基地はあった。

 基地の左側には滑走路が作られ、その右側には正方形で統一された大小様々な灰色の建物が不規則に立ち並び、それらは全て通路で繋がれていた。


「これが今回の任務か」

「はい。ハイヤーの中でもかなりの有力者の方が、民間の警備企業では当てにならないと言ってきまして……」


 その建物の一つにある、窓から暖かな日光が射し込む全面タイル張りの休憩フロアの中でその部下の言葉を聞きながら、ローリエリーフ副参謀のシド・ブラックペッパーはゆっくりと顎髭をさすった。部下が呆れた様に続ける。


「まったく、あのブルジョア達には呆れて物も言えませんよ。我々の事を便利屋か何かと同じように見ているんですから」

「仕方ないだろう。こちらの運営資金はハイヤーの連中によって賄われているんだ。向こうが大きな顔を出来るのも仕方あるまい」

「しかし……」

「そうむくれるな。それだけ世界が平和になっていると思えば気も楽になる。そうだろ?」


 納得いかない様子の部下をそう窘めてから、シドが改めて自分達の所に来た命令書に目を通した。

 地球への社会見学に向かう学園生徒達の護衛。


「リーリン第三高等学園の生徒達の護衛か」

「俺たちに子守をやらせるつもりなんでしょうかね」


 また部下が小言を言い始めたが、シドは無視した。彼の言い分も判るからだ。

 火星に移住して階級社会が敷かれた後、人間達の間から大規模な争乱がぱたりと姿を消したのだ。小競り合いや犯罪は今もなお発生してはいるが、どれも警察が出動するだけで解決出来る軽度の物だった。

 地球を脱してから軍隊が出撃する様な事態に陥った事は火星に降りたって間もない頃のほんの一時だけであり、今では催事やハイヤーの中でも特に裕福な一部のVIPの護衛に駆り出されるのがしょっちゅうであったのだ。


「依頼者の代表は……ウィートフラワー?」

「ハイヤーでも指折りの大富豪ですよ」


 シドの漏らした言葉に部下が合わせる。この名前にはシドも聞き覚えがあった。


「そして、我々軍隊のパトロンの一人でもある」

「確か、防衛軍に対して一番に金を出している一族だったか」

「ええ。にくい事に」

「断る余地は無し、か」


 どんな組織であろうと、金がなければ立ち行かない。火星防衛軍は建前上は政府が管理している事になっているが、実際は金という一番の弱みをハイヤー達に握られ、実質彼らによってその存続を許されているのだ。

 社会を守るはずの防衛軍は、今や金持ちの私兵と化している。そう名指しでマスコミに批判されるのもしょっちゅうであった。誇張されているとは言え全てを否定出来ないのが辛い所である。


「世知辛い世の中だ」

「まったく」


 外から聞こえる爽やかな鳥のさえずりを耳にしながら、二人は顔と心をどんより曇らせていった。


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