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side:少女
この話までがプロローグです。話はこれから本格的に入っていきます。どこまでいけるかわかりませんが、一周年記念日までには完結させたいです。本当に。
他人
どうしてみんなは他人を信じられるのだろうか? それが私にはわからない。
自分には絶対の自信が持てる。それは自分自身だから。自分の考えは唯一無二であり、この世界で自分だけのもの。
私はナルシストじゃない。何なのかと尋ねられたなら、私はこう答える。
「自分しか信用しないだけ」
信じられるのは自分だけ。信じるのは自分だけ。だから、自分には絶対の自信がある。
だからかもしれない。私はあいつにイライラしている。他人を信用するあいつに。
あいつは何だって信じる。嘘や冗談も真に受ける。そんな性格なのに、自分の言葉には全くの自信が無かった。
見ていてイライラ。そして、そのイライラする自分に私はイライラする。理由がわからないから。どうしてイライラするかわからないから。
だから、私はいつも睨みつける。あいつを、他人しか信じない男、斉藤諒のことを。