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スキル<クエスト>~世界に逆らう~  作者: Iori-y-


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2/5

ズル

銀鉱石を地面に並べる。


数は十個。全部、質の悪い安物だ。普通なら精錬してもロクなインゴットにすらならない。


「……で?」


フロールの声は落ち着いている。だがほんの僅か、探るような間があった。


「見るだけでいい」


俺はそう言って、鉱石に手をかざした。


魔力の流し方なんて知らない。けど、“こうすればいい気がする”っていう妙な確信がある。


転生特典か、それとも――元な○う作家の勘か。


「……集まれよ」


ぼそっと呟く。


すると、空気が変わった。


目に見えない何かが、鉱石の周りに“溜まる”。


フロールが初めて、わずかに息を呑んだ。


「……魔力の収束……? ですが、その制御は――」


無視する。


集中するのは一点。


“ミスリルになる瞬間”。


条件なんて曖昧でいい。どうせこの世界は“そういうノリ”で動く。


だったら逆に利用する。


――ミスリルとは何か。


高純度金属に、異常な魔力が干渉した結果生まれる“変質体”。


なら。


「変われ」


その一言でいい。


次の瞬間。


ピシ、と音がした。


銀鉱石の一つに、亀裂が走る。


中から覗いたのは――淡い青銀色。


明らかに、ただの銀じゃない。


「……おい、これ」


手を伸ばす。


触れた瞬間、頭の中に声が響いた。


《ミスリルを1g入手しました》


――きた。


思わず口角が上がる。


「やっぱりな」


振り返る。


フロールは、沈黙していた。


いつもの機械みたいな即答がない。


数秒。


いや、体感ではもっと長く感じた。


そしてようやく、口を開く。


「……確認しました」


声はいつも通り。だが、その奥にわずかな“揺らぎ”がある。


「当該行為は、“採取”として正常に認識されています」


「だろ?」


「……はい」


間。


「本来、ミスリルは自然環境下で長い年月をかけて生成されるものです」


「でも今は違う」


「……はい。違います」


フロールはそこで一度言葉を切った。


そして、ほんのわずかに――柔らかくなる。


「荒木裕太様」


「なんだ?」


「あなたの手法は、既存の枠組みでは説明が困難です」


「つまり?」


「――天才的です」


空気が静まる。


やけにあっさりした一言なのに、妙に重い。


「……マジで言ってる?」


「はい。創造神の眷属として断言します」


フロールは続ける。


「この方法は、理論上“再現性”があります」


「ってことは」


「はい。ミスリル1000gの収集は――」


ほんの一瞬だけ、ためらって。


「達成可能です」


ニヤッと笑う。


「最初からそう言えよ」


「いえ。通常は不可能ですので」


「でも俺ならいける」


「……はい」


わずかな間。


そして、はっきりと。


「あなたなら、可能です」

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