秘匿物品回収報告書:兵器人間瓦斯倫男
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秘匿物品回収報告書【増田太郎/兵器人間瓦斯倫男】
担当者:
秘匿一課所属 海川有馬/秘匿一課所属 賀茂瀬里奈/秘匿一課所属 鳥羽或人
物品番号:
2022041EAjp
物品種別:
人体・機械・呪物・魔道機械
物品危険性:
不安定・封印可能→不能
魔術種別;
複合的呪術:B群神経操作術/A群精神操作術/A群電荷・磁性誘導術/A群力学操作術/A群生体情報変容術/A群霊魂操作術
秘匿物品強度:
キロトン級→メガトン級→無害
秘匿物品処理:
魔界府篠田重工産業博物館極秘所蔵処分
物品通称:
瓦斯倫男
物品外観;
基本は大日本帝国陸軍少尉増田太郎氏の遺体。身体・内臓全体の85%、頭部、胸部、両腕、両脚、胸部等が機械化。頭部はヘルメット状、鋼鉄製の脳髄と連結した機械と合金製の差し歯、および咬合補助の鉄線機構が設けられる。
胸部には小型化された発動機が前面から背面に掛けて貫通している。
背骨は発動機の一部に埋め込まれているほか、肩甲骨などは取り払われている。
消化器官は全て取り払われ発動機から伸びた内部骨格が人体の形状を保っている。
両腕は同じ機構の義手であり口に含まれた道具の形状を手が再現する機能を持つ。
自在に手と道具の状態を切り替えることができることが観察される。また各関節は回転する。脚部は間接の回転機構以外は通例の合金製義肢であることが報告された。(※1)
物品魔術観測:
CHI141地点での散発的な【波形:呪物・非生物波動、推定最大魔力量:96KM、最大瞬間強度:96Mt】の魔力波動を千葉県船山町観測点にて2月8日21時34分~16日3時21分までに3回の観測。
なお、これらの観測は警察資料とほぼ日時と位置が一致する魔力観測報告であることが17日秘匿一課員による実地調査によって判明。
物品魔術効能:
①魔力循環機構。本物品の胸部にある小型発動機には乾燥した人間の脳髄が四つ内蔵されているほか、心臓も四つ内蔵されている。また、血文字の魔術的結合が儀式によって施されており、これはA群霊魂操作術に分類される術式とB群神経操作術、A群精神操作術の複合術式が刻まれており、霊魂操作によって小型発動機内部に魔力で形成された霊魂を循環させ、全身に魔力を巡らせ、消費した魔力を霊魂体によってなるべく吸収する機構を成立させている。更に霊魂体自体も魔力を微弱ながら生成するため、長期の魔力維持が可能になり少ない人工的な手法で呪物を作成している。また、神経操作術と精神操作術の触媒として霊魂体も利用されているため、これらに残留する記憶情報を基に本物品に『夢』のような幻覚を見せることで凶暴化と鎮静化を制御できるようにしている。(※2)
②再現機構。本物品は頭部にある口に何らかの道具を挿入し咀嚼、嚥下することで、手をその吸収した道具似た形状、似た効能を持つ姿に変化させる。道具は全てを咀嚼・嚥下する必要はなく、その一部分で良い。そのため、飛行機の残骸やジェットエンジンの部品を食べることでその性能を再現できる。これは東南アジアに広く分布する形態模写の信仰に関わる呪術が複数援用されており、本物品口内・消化管内に刻まれたと思われる術式である。その正確な組成は残骸からは不明。(※2)
③関節の回転。本物品の主要な間接は360度の回転機能を有する。また、その回転の勢いはレシプロ機の馬力に等しいと推定される。発動機と各関節に渡って刻まれた術式であることが想定され、その一部は発動機に刻まれており、発動機の持つ本来の性能を再現するインドシナ半島方面の形態模写術式の様相が見られた。(※2)
なお、上記の報告部分は秘匿保障委員会より権限を委任された特派員および認定された魔界政府代表者にのみ閲覧が許可される。
回収経緯・概要
2月16日千葉県警の報告と魔力観測に基づき、この件を一課預かりとして、秘匿一課課長は課員海川有馬、賀茂瀬里奈、鳥羽或人に担当を指名。
同日9時20分より捜査が開始された。
11時35分ごろ移動中に本物品の襲撃を受ける。同時刻、半径150mの秘匿結界を千葉県船山市山林にて展開。
上記の襲撃の際、本物品を操作していると思しき違法術師と人型兵器三体を発見。魔術・装備的特徴から違法傭兵団体『アーネンエルベ』の一員と判明(※3)
本物品と魔術師は戦闘中にそれぞれ逃走。違法魔術師は地下を行き来する魔術を使用するものと思われる。
12時5分、千葉県船山市内で本物品と再度邂逅、本物品は逃走、逃走には近隣に出現した先述の違法術師が関連。
14時13分、船山市山林にて先述の違法術師と本物品、そして違法団体『隠者の薔薇』大幹部団黄金の教示『栄光のジュン』と接敵、戦闘に至る。
14時23分、鳥羽或人による魔術により『栄光のジュン』は撤退。違法術師は神経損耗により戦闘不能となるが操作していた人型兵器および違法魔術師は行方不明。何らかの回収機構もしくはもう一人の回収役がいたと推察される。
14時38分、本物品の回収、無力化に成功。同時に本物品の魔術は不能化。残留魔術式や刻印からの再設計は困難と思われる(※2)。
16時21分、府庁への護送完了。
16時30分、秘匿一課課長ベアトリーチェ・カントルへ担当者が報告を完了。
17時40分、秘匿保障業務監査委員会監査官楠田清三により、篠田重工産業博物館へ移送完了。(※4)。
※1:外部資料、2022041EAjp作業報告書に記載。
※2:外部資料、篠田重工博物館研究員2022041EAjp事後検査報告に記載。
※3:外部資料、2022041EAjp魔術式調査報告に記載。
※4:本物品の所有権に関する篠田重工の請願に関する報告は篠田重工秘密物品移譲請願報告2022216に詳細が記載。)




