間話 挿入歌 3
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こんな、夢を見た。
俺は叔父と釣りをしていた。ちょっと遠出してきた太平洋の海辺。日差しが強くても潮風が涼しい。
「太郎は偉いよ。家族を大事にしているし、生計まで案じて……勉学に励んで。そんな息子を得た太助は幸せ者だ」
叔父はよく俺を褒める。親父もよくその時引き合いに出される。
俺はてきとうに相槌を打ちながら、竿が引くのをじっと待っていた。
「あいつがお前ぐらいの時はそんな風じゃなかったからなぁ。誰に似たんだろうなお前は。俺か?」
冗談めかした調子でそう言う。
確かに俺が構ってもらう機会が多いのは叔父の方だ、親父はあまり、サシで顔を合わせる機会が少ない。
「叔父さんに似たのかもね」
そう言うと叔父さんは一瞬ビクッとした後。俺に向けて笑いかけた。
竿に何か引っかかったのか? と思っていると案の定、俺の竿が引き出した。
「そらデカいぞ。網あるからな、網。ホラ」
でかい魚を網に入れ、引き上げる叔父の顔は、どこか神妙で、だが妙に笑顔で、この魚に何かあるのかと勘ぐってしまいたくなるものだった。
網から出してみた魚は親父の死体だった。俺はそのことに魚を網から出すまで全く気付かなかった。
「やっぱりお前は太助に似てるよ」
叔父の声が俺の口からこぼれ出た。
俺が叔父の方を見ると、そこには俺の顔があった。
そうだ、俺が叔父だったんだ。
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