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日本国魔界府府庁秘匿部秘匿室秘匿一課  作者: 臆病虚弱
第一章・第一節 【兵器人間は人の夢を見るか? Do cyborgs dream of human ?】
44/56

間話 挿入歌 3

     ……………


――


こんな、夢を見た。

 俺は叔父と釣りをしていた。ちょっと遠出してきた太平洋の海辺。日差しが強くても潮風が涼しい。


「太郎は偉いよ。家族を大事にしているし、生計まで案じて……勉学に励んで。そんな息子を得た太助は幸せ者だ」


 叔父はよく俺を褒める。親父もよくその時引き合いに出される。

 俺はてきとうに相槌を打ちながら、竿が引くのをじっと待っていた。


「あいつがお前ぐらいの時はそんな風じゃなかったからなぁ。誰に似たんだろうなお前は。俺か?」


 冗談めかした調子でそう言う。

 確かに俺が構ってもらう機会が多いのは叔父の方だ、親父はあまり、サシで顔を合わせる機会が少ない。


「叔父さんに似たのかもね」


 そう言うと叔父さんは一瞬ビクッとした後。俺に向けて笑いかけた。

 竿に何か引っかかったのか? と思っていると案の定、俺の竿が引き出した。


「そらデカいぞ。網あるからな、網。ホラ」


 でかい魚を網に入れ、引き上げる叔父の顔は、どこか神妙で、だが妙に笑顔で、この魚に何かあるのかと勘ぐってしまいたくなるものだった。

 網から出してみた魚は親父の死体だった。俺はそのことに魚を網から出すまで全く気付かなかった。


「やっぱりお前は太助に似てるよ」


 叔父の声が俺の口からこぼれ出た。

 俺が叔父の方を見ると、そこには俺の顔があった。

 そうだ、俺が叔父だったんだ。


――


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