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地下都市3

なろう作品らしい表現でふわっと投稿するなろう特有の少年の一人称視点的作品が見たい人はこちらもどうぞ。

     → 恢攘のフォクシィ https://ncode.syosetu.com/n3085kf/

 やがて、少年らは三階と書かれた標識が目に入った。

 すると彼女はそこで階段を降りてしまった。


 そのままついていくと、そこには、巨大な金属扉がそびえ立っていた。

 門番らしき者たちが四人、扉の両脇に立ち並び、無言で少年らを見据えている。


 彼女が一つの合図を送ると、重厚な扉がゆっくりと開かれた。

 奥には、まるで城の本殿のような広大な空間が広がっている。


 高い天井。


 頑丈な作りの壁と大きな柱。

 壁の上部には左右に果てしなく続くガラス。


 その向こうには、どこまでも澄み切った青空が広がっているのが見える。


 扉をくぐると、ふわりと身体が軽くなる感覚があった。


 ……え?


 思わず足元を見下ろす。


 今までは砂の上や岩肌の階段を踏みしめてきたが、ここに広がるのは大理石の床。

 光沢を放つその白さが、まるで別世界へと足を踏み入れたかのような錯覚を引き起こす。


 ——ここは、まさか


 恐る恐る後ろを振り返ると、先ほどまでいた巨大な扉が、地底の都市とここを結ぶ通路になっている。


 つまり、少年たちは今、例の”浮島”の内部にいる。


 その事実を理解した瞬間、脳が一瞬混乱し、胸がどくどくと高鳴るのを感じた。


「ここから先が、あなたたちの踏ん張りどころよ。恐れずに頑張るのよ」


 彼女がそう言い残し、その広間に残して立ち去る。


 ガシャン——— 


 扉の閉まる重厚な音が空間に響き渡る。


 少女と二人きりになると、急に空気がひんやりと冷たく感じられた。

 先ほどまでの砂漠の暑さや、地底都市の喧騒とは無縁の、この静謐な空間。

 その場に立つだけで、背筋にじわりと冷たいものが走る。


 広間を進むと、法壇の様なものとその目の前に置かれた机に目がいく。


 その机を取り囲む様に左右に多くの人が座ってこちらを見ていた。


 正面に座る四人が、少年たちに視線を向ける。


「これより審問会を始める」





  — μετά—

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