地下都市3
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やがて、少年らは三階と書かれた標識が目に入った。
すると彼女はそこで階段を降りてしまった。
そのままついていくと、そこには、巨大な金属扉がそびえ立っていた。
門番らしき者たちが四人、扉の両脇に立ち並び、無言で少年らを見据えている。
彼女が一つの合図を送ると、重厚な扉がゆっくりと開かれた。
奥には、まるで城の本殿のような広大な空間が広がっている。
高い天井。
頑丈な作りの壁と大きな柱。
壁の上部には左右に果てしなく続くガラス。
その向こうには、どこまでも澄み切った青空が広がっているのが見える。
扉をくぐると、ふわりと身体が軽くなる感覚があった。
……え?
思わず足元を見下ろす。
今までは砂の上や岩肌の階段を踏みしめてきたが、ここに広がるのは大理石の床。
光沢を放つその白さが、まるで別世界へと足を踏み入れたかのような錯覚を引き起こす。
——ここは、まさか
恐る恐る後ろを振り返ると、先ほどまでいた巨大な扉が、地底の都市とここを結ぶ通路になっている。
つまり、少年たちは今、例の”浮島”の内部にいる。
その事実を理解した瞬間、脳が一瞬混乱し、胸がどくどくと高鳴るのを感じた。
「ここから先が、あなたたちの踏ん張りどころよ。恐れずに頑張るのよ」
彼女がそう言い残し、その広間に残して立ち去る。
ガシャン———
扉の閉まる重厚な音が空間に響き渡る。
少女と二人きりになると、急に空気がひんやりと冷たく感じられた。
先ほどまでの砂漠の暑さや、地底都市の喧騒とは無縁の、この静謐な空間。
その場に立つだけで、背筋にじわりと冷たいものが走る。
広間を進むと、法壇の様なものとその目の前に置かれた机に目がいく。
その机を取り囲む様に左右に多くの人が座ってこちらを見ていた。
正面に座る四人が、少年たちに視線を向ける。
「これより審問会を始める」
— μετά—
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