ルート邑10
なろう作品らしい表現でふわっと投稿するなろう特有の少年の一人称視点的作品が見たい人はこちらもどうぞ。
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戦闘の音、剣の斬撃、金属と金属が激しくぶつかる響き、そして血潮が飛び散る悲鳴が背景に重なり合う中で、これらの閃光はまるで時間が凍り付き、すべての感覚が研ぎ澄まされる瞬間の象徴のようだった。
視覚はもちろん、聴覚、触覚、そして嗅覚に至るまで、戦場に満ちる恐怖と美学、そして生と死の狭間で響き渡る激しい感情を全身で感じ取るような、一幕となった。
夜空を覆い尽くすその閃光は、ただの現象ではなく、少年の魂の叫び、その決意と裏切られた希望の象徴であり、視線を奪うほどの美しさと激しさを兼ね備えた、究極の戦闘アートであった。
二つの色彩が同時に解き放たれたその瞬間、戦場は一瞬にして異世界へと変貌し、見る者すべてに、破滅と栄光が交錯する壮大な叙事詩を記憶させるに十分な、圧倒的な迫力と詩情を放っていた。
その直後、地面から、空気の隙間から、そして少年の体から、二色の光―深い瑠璃色と燃え上がる紅玉色―の閃光が走り出した。
瑠璃色の光は、暗黒に浮かぶ蒼く澄んだ海のように、冷たくもどこか哀愁を帯びた輝きを放ち、鋭い視線の先に壮大な歴史の断片を思わせた。
その輝きは、まるで忘れ去られた神話の欠片が、今ここに甦ったかのような神秘性を醸し出し、耳元で囁くような風の音さえも静寂に変えた。
一方、紅玉色の閃光は、血潮のような熱情と激しい怒りを象徴するかのように、燃え上がる火炎のごとく、戦場全体に溢れる激昂の感情を映し出した。
その激しい輝きは、戦いの絶頂に達した男たちの心臓をも叩き、見る者の視界を炎のような熱狂で染め上げた。
戦場の混沌が頂点に達したその瞬間、ある男の鋭い叫びが空気を切り裂いた。
「こいつ…魔術師か? くそ…。早く魔術師を連れてこい‼︎ 早く‼︎」
その叫びが轟くと同時に、少年の右手に現れた純白の槍が、再び不可解な変容を遂げ始めた。
槍の先端が、まるで生き物のような柔軟な意志を持つかのように、ねじれたエネルギーを帯びながら変形し、四本の白い棒状のエネルギー体へと解体され、うねりながら伸び出していく。
そのうねる動きは、まるで静かなる竜が空を舞うかのような荘厳さを感じさせ、ひとつは少女を覆い、守護するように優しく彼女に向かって伸び、残りの三本は、冷酷なまでの切れ味を宿し、戦場にいた数十人もの男たちの首を次々と貫いていった。
あちこちで、男たちの首からは真っ赤な血が勢いよく噴き出し、地面には無数の血だまりが次々と形成され、その血の赤は、夜闇と対比して一層凄惨な情景を刻んだ。
— μετά—
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