ルート邑
なろう作品らしい表現でふわっと投稿するなろう特有の少年の一人称視点的作品が見たい人はこちらもどうぞ。
→ 恢攘のフォクシィ https://ncode.syosetu.com/n3085kf/
雪が静かに舞い降り、白銀に染まった大地を覆っているのに、体を刺すような冷気は感じられなかった。
むしろ、足元を伝う感覚は、しっとりと湿った雪のはずが、重い靴の中では乾いた土のざらざらとした触感に過ぎず、どこか幻のような錯覚を覚えさせた。
不思議な気候はまるで現実と幻想の境界を曖昧にし、すべてを包み込む白い世界は、視覚だけでなく聴覚や触覚さえも遠い昔の記憶を呼び起こすかのように、淡い現実感しか与えてくれなかった。
風のささやきすら感じられず、周囲には生命の営みを告げる小さな囁きもなく、辺り一面に広がる静寂は、まるで異界への扉を開けたかのような畏怖と神秘に満ちていた。
果たしてここは、ありふれた自然の景観と呼べるものなのだろうか？
それとも、何か別の力―異質な存在―が意図的に創り出した虚構の舞台なのであろうか？
そんな疑念が少年の内面に突如として波紋を広げ、知らず知らずのうちに彼は身体を震わせた。
寒さを感じるはずの体が、妙に温かい感覚に包まれながらも、背筋だけが時折鋭く冷たい刺激に襲われていた。
心の奥底で不安と好奇心が交錯する中、少年は隣を歩く少女に視線を移した。
彼女の瞳には、再会の喜びと共に、かすかな謎が宿っているように見えた。
「なぁ。ツィアはこの2年、何してたんだ？」
その問いを発すると、言葉の裏に秘められた期待と不安が、彼女の顔に浮かぶ影とともに、周囲の奇妙な空気に溶け込むように感じられた。
フレイの影により、訓練期間中はほとんど会うこともできなかった二人の再会は、胸の奥深くに秘めた思いと、心拍数を高鳴らせる一種の解放感をもたらしていた。
ツィアは、ふと視線を落としながらも、淡々と語り始めた。
「私は…マグ・ウェインに…魔法を…教わった」
と、その声はかすかな震えを含みながらも、どこか誇り高いものを感じさせた。
少年は、かすかに微笑むと同時に、心の片隅でツィアの潜在的な才能への期待を新たにした。
「あぁ。そっか。ツィアは魔法の才能ありそうだったもんな」
二人は互いの手を取り合いながら、冷たくも幻想的な山道を歩み出した。
辺りに漂う独特の静寂は、2年前の記憶を呼び覚まし、両者の心中には当時と同じ不安と興奮が混じり合う感覚がよみがえった。
ふと、会話が途切れてしまう寂しさと、先行きの未知に対する不安が重くのしかかる中、少年は再び問いかける。
— μετά—
アーセナルよかったねぇ。ライスがとんでもなかった。これはベルナベウでもきびぃのじゃないかぁ？
ふわっと現れ、ふわっと投稿。良きかな良きかな…
