地下都市47
なろう作品らしい表現でふわっと投稿するなろう特有の少年の一人称視点的作品が見たい人はこちらもどうぞ。
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「うん……あぁでもそうかぁ。二年ぶりのツィアとの再会か。どれほど彼女が成長しているのか、楽しいだな」
「お主、妹を思う心は立派だが、あまりに執着しすぎると、それは気持ち悪いぞ。
それに情が深いのは良いが、それは時に重荷になり己を見失うことになるぞ」
少年は、一瞬戸惑いを隠せぬ表情を見せながらも、すぐに目を輝かせ、疑問と好奇心に満ちた声で訊ねる。
「あ?ちょっとなに言ってるかわかんねぇな。で?そんなことよりその手に持っているのは一体何だ?」
その問いに、フレイはにっこりと微笑むと、しっかりと握られた手から、一つの品をそなたに差し出す。
その姿は、まるで時の重みを感じさせる宝石のように、淡い光を放ち、目の前の景色に新たな彩りを加えていた。
「これは、わしからのお主へのささやかな贈り物だ。卒業祝いのようなものじゃ。
訓練に逃げず立ち向かい、己の限界を乗り越えたお主に対する賛辞じゃよ。
正直なところ、お主が本当にその力を習得できるとは思っておらんかったからな。
快く受け取るがよい」
そなたは、重みと冷たさを感じる銀白の枷を手に取る。金属の表面は滑らかでありながら、どこか荒々しさを孕み、その触感はまるで冷たい夜風が頬を撫でるかのように、鋭くも温かい決意を伝えてくる。
「これは、お主の暴走を制するための枷じゃ。
これまで何度も、己の力が制御不能に陥り、暴走の兆候を見せたのを忘れてはおるまい。
だからこそ、わしは新たにこれを作り直し、解放する力の流れを制御できるものにしたのじゃ。
見よ、このギザギザとした部分。ここを回すことで、力の流れを制御し、限界を超えることが可能となる。今の状態では、制御にはどうしても限界があったのだ」
フレイは、自らの左手首に装着された枷を、優雅な仕草でそなたに示す。
その指先からは、歳月を経た知恵と、かつて数々の戦場で命を賭して得た経験が滲み出し、少年は深い感謝と共に「なるほど、それはありがとう」と呟いた。
「そして、あともう一つ。これを持って行け」
老騎士は低く、しかし確固たる声で告げると、今度は少年の右手首に装着する枷をそっと差し出した。
「もう一つはこいつじゃ。これは『プラスマ』と呼ばれるいわゆる神器だ。
わし自身がかつて使用していたものじゃが、お主用に調整しておいたのじゃ。
アースの力を操る者にふさわしい、特別な品である。
力を流せば、望む武器、槍、剣、斧など、様々な形へと変形する。さあ、試してみるがよい」
— μετά—
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