地下都市25
なろう作品らしい表現でふわっと投稿するなろう特有の少年の一人称視点的作品が見たい人はこちらもどうぞ。
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「あ? うるせぇな、ジジィがよ」
吐き捨てるような声が冷気を裂く。その言葉には、確かな棘があった。
「そもそも、この歳で精神がどうのこうのっていうのが間違ってるだろ。俺が未熟? ふざけんな。だったら、大人になりゃ勝手に強くなれるってのかよ」
挑発的な態度をとる少年に対し、フレイは眉をひそめた。
だが、怒ることはなかった。
ただ深く、重いため息をつく。
その眼差しには、鋭さとは別のものが宿っていた
——揺るぎない信念と、微かな哀れみ。
「誰がジジイだぁ? それに、年齢など関係ない。まったく……そもそも考え方から違うのじゃよ」
フレイはゆっくりと首を振る。
その動作には、長い年月を生きた者特有の重みがあった。
「力を自らのものにしようとするのではない。むしろ、お主がその力を扱うにふさわしい人間にならねばならぬのじゃ」
彼はそこで一呼吸置き、低く、それでいて重々しく言葉を続けた。
「アースを極めし者は皆、常に落ち着きを保ち、気品と品格を備えた立ち振る舞いをしなければならぬ。
だからこそ、以前注意したように、決して民間人などに向けて力を行使してはならんのじゃ」
フレイは言葉に力を込めた後、不意に咳き込んだ。
胸を押さえながら、苦しげに何度も咳をする。
その姿は、一瞬だけ、どこか弱々しく見えた。
しかし、少年の視線は冷たかった。そこに同情はなかった。
むしろ、苛立ちすら含まれていた。
フレイは目を細める。冷気の中、静寂が広がった。
「なんでだ……なんで、できねぇんだよ……。こんなにやってるのに……」
少年は吐き捨てるように言うと、大きく息をついた。
まるで、それまでの訓練で蓄積された膨大なストレスを、その一息に乗せて吐き出そうとするかのように。
フレイは彼の言葉を静かに聞きながら、ゆっくりと首を振る。
そして、再び厳しい声を放った。
「その腐りきった心の持ち主である限り、永遠にこの力を習得することはできぬであろうな」
彼は少年をじっと見据えながら、さらに語気を強めた。
「お主が腰抜けである理由は、単に技術が足りぬからではない。
その根本は、お主の考え方が根本的に誤っておるからじゃ。
それができぬ者に、この力を扱う資格などないのじゃ」
彼の目が鋭く光る。まるで、少年の内側を見透かすかのような眼差しだった。
「おい。一旦終わりにするぞ。
これ以上続けたところで、お主の集中力はすでに散漫になっておる。
投げやりな状態で訓練を続けても、何も得るものはない。まずは食事をとるぞ」
— μετά—
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