表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/93

地下都市15

なろう作品らしい表現でふわっと投稿するなろう特有の少年の一人称視点的作品が見たい人はこちらもどうぞ。

     → 恢攘のフォクシィ https://ncode.syosetu.com/n3085kf/

「フレイ」と名乗るその老人は、高階層の障壁をひとりで歩んでいた。

 外部からの光が飛び込み、壁にうっすらと射されている。

 清潔でありながらもどこか暗い陰が広がる模様は、他の心境を映しているかのようだ。


 いつものように歩みを止めない老人であったが、一度、誰もいない道の中で小声でボソボソと独り言を唱えながら一瞬立ち止まった。


 まるで、何か深刻なことを考えているかのように。


「あの少年の目」


 その細い声には、何か深い関心と疑問が混じっていた。


「他は、いや、あいつは確かに。これは本物だ。相変わらず性根は腐っていそうだが。」


 身体を止め、ポケットに入っているペンダント取り出し見つめる。


「それに、あのペンダント。そしてこれに呼応するかのようにして鳴り出したヘイムダルの鐘。偶然とは言えまい。ってことは計画が成功したのか…?」


 自己の手に渡った浮誇を覚えるペンダント。


「それは本来ならば、器が発芽した後に成されるべきシナリオだったはず。

 それにもかかわらず、まだ何も起きてない。

 私の知らないシナリオか…予言の書には無いイレギュラーか…何かがおかしい…」


 深刻そうな顔をし、虚空を見つめる。


「はぁ。しかたない。実際鐘は鳴ってしまったのだ」


 その老人は深いため息をつき、一歩先へ進む。


「保険は可能なだけかけておいても悪くはないだろう…。もし器でなければその時は処理するまでじゃ」


 そんな一人語を強い音を立てて告げながら、他は指定の場所へ向かって、材をコツコツと響させて歩んでいった。





  — μετά—

アドバイスや感想を是非気軽に書いてください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ