地下都市7
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「ここは、君が言う通り浮島だ。
そして、なぜこの浮島が宙に浮かぶのか、その答えを明かすためには、まず基本に立ち返らねばならない。
我々の国はダグラスという神のもとに存在する神聖国家である。われわれの国には、こうした格言が伝えられている。
———人。それは神の元に在り、永遠に神と共に在る。その意思の元に生まれ、その使命を果たさんとすれば、その導きの元で歩むを許さるる者なり———
この言葉が示すのは、すなわち、すべての人間は神によって生み出され、神と共に存在し、神のために生きることを宿命としているということである。
我々が今こうして生き続けることができるのは、神の絶え間ない存在があってこそであり、神が存続する限り、我々人間もまた永遠に、不滅の存在として生き続けるのだ。
要するに、我々と神とは心で、運命で、深く繋がっているのだ。
そして、その繋がりの中で、真の人間に神からの祝福として“魔法”という神の力の一端である特殊な能力が授けられる。私もそれを操る一人である。
では、本題に戻ろう。
どうやって、この浮島がこの世の重力に逆らい、宙に浮き続けるのか。
答えは、まさにこの魔法という力にある。
この力を用いれば、我々はいかなる物理法則をも超越し、神の使徒と化すことができる」
そう告げると、彼は左手に装着していた手袋をそっと外し、露わになった手首にきらめく金属製の手枷のような物を見せた。
その腕輪は、精密な彫刻と不思議な紋様が施され、その目に沿って光が巡っていた。
まるで古代の神秘の力を秘めたかのようであった。
彼は部屋の中央に鎮座する巨大な球体へと歩み寄り、左手を突き出し、慎重にかざす。
すると、低い呪文のような言葉を吐き出し始めた。
その瞬間、球体は静かに、軽々と宙へと浮かび上がり、周囲の明るい光の中で、しっかりとその存在を示すかのように浮遊を始めた。
「これが、魔法というものだ。
この原理を応用すれば、たとえば球体を回転させたり、無数の破片に分裂させたり、さらには一度散り散りになったものを再び一体にまとめることができる。
物理法則では決して実現しえない、奇跡のような現象を、この力は可能にする。
まさに、この魔法こそが、我が国に絶大な力をもたらし、国全体を支える礎となっているのだ。
さてここで重要なのは魔法というものを全ての者が操れるわけではないが、それを行使するための魔力というものは人間に備わっているということ。
魔法を操ることができなくとも魔力を流し込むことで扱う魔道具というものを使うことができる。
戦闘においても魔法で戦えなくとも魔道具を駆使することで戦えるというどのような者にも平等に輝くチャンスがあるという素晴らしい国なのだよこの国は。
そして、君も見たところ、その潜在能力を秘めた者であるようだ。
君が鍛錬を積むならば、やがてこの程度の魔法は使いこなせるようになるだろう」
— μετά—
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