地下都市6
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そう言うと彼は静かに立ち上がり、ゆっくりと部屋の奥へと歩を進めた。
その背中には威厳があり、その動作ひとつひとつが、まるでこの国そのものの威信を体現しているように見えた。
彼の言葉と行動には、決して軽率なものはなく、すべてが計算され、整然としている。
私たちは顔を見合わせ、一瞬の躊躇の後、彼の後に続くことを決めた。今から語られるであろう真実が、私たちに何をもたらすのか、そのすべてを知る覚悟を持って。
彼は静かに、しかし確固たる足取りで、入ってきた扉の方へと向かった。
扉にそっと手を添えると、石のような素材でできた重厚な扉は、まるでとても重く高貴なものであることを彷彿とさせるように石と石が削り合う音を響かせをあげながら開かれ、その向こう側に広がる空間は、これまで彼が歩んできた狭い通路や薄暗い部屋とはまったく異なる世界の入り口であった。
扉の向こうに広がるのは、広大で果てしなく明るい空間。
そこは、天井から床にかけて輝く光が降り注ぎ、まるで昼間の太陽の下にいるかのような圧倒的な明るさと、透明感あふれる空気が満ちていた。
視界の先には、4つの支柱に支えられた巨大な球体が置かれており、その周りを小さな球体がゆっくりと回っている。
まるで地図でも表しているかのような配置の仕方だが、なんのどこの地図だかは見当もつかない。
その中心の球体は、まるで神秘的なオーブのように静かに漂い、周囲の空間に幻想的なオーラを放っていた。
彼の心はすでに現実と夢の狭間で揺れ動き、何が何だか全くわからなくなるほどにあたり一面に広がる奇妙な光景に圧倒されていた。
脳裏には、目の前で次々と現れる不思議な事象が次第に積み重なり、説明のつかない現象が混沌と広がる中、思考は次第に霧散し、混乱の渦に巻き込まれていく。
しばらくの間、彼は無言のままその場を歩き続け、人の気配が消えたことを感じる。
ふと、後方から扉が閉じる鈍い音が聞こえたその瞬間、彼は再び静かに、しかし力強く口を開いた。
「ここは、君が言う通り浮島だ」
— μετά—
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