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ラジオ  作者: とい
2/6

何も無かった。

消えた人たちは、こことは違う別の場所にいました。

あれ、さっきまでラジオ聴いてたのに、ここどこだろう。


なんか面白そうだな。

真っ暗な場所で何故かそう思った。


ボソッと何かを呟く声が聞こえてきた。


誰かいるのか?


少し大きな声を出して辺りを見渡す。

すると、ものすごい音が聞こえてきた。


スポーツの会場のような物凄い声の、密度。頭が痛くなってきた。


するとみんなもそう思ったのか急に静かになった。

うるさかったから、嫌だったが、静かになったら急に怖くなった。


とりあえず隣の人と話してみようそう思い。


小さな声で囁くように話しかける。

はじめましてここはどこか分かりますか?


少し時間が経って、から、声が帰ってきた。

はじめましてここがどこかはわかりません。

私はさっきまで家に居たのですが、気づいたらここに立ってました。


どこか聞いた事があるような安心感を覚える声だなぁと思った。


そうですか。

僕も家に居たはずなんですが。気づいたらここにいました。

ラジオを聴いていたんだけど。


私もラジオ聴いてました。


少し話をした。


1時間ほど時間を過ごした。


そろそろ移動したいですね


そうですね。動けたらいいですけど。


そう言って互いにあたりを見渡す。


ぎゅうぎゅうとまでは言えないが近くで大勢の人の話し声息遣いが聞こえてくる。


この場所で時間を過ごしても平気なのは顔も分からない話し相手がいたからだろう。


それほど静かになってしまえば心が冷え切ってしまう。


どうしてこうなったのだろう。


ああ、トイレに行きたくなってきた。

ああ、眠たくなってきた。


いつもなら少し怖さを感じながらトイレに行ってこの時間には寝てるのに。


すると誰かが電気をつけたみたいに、急に明るくなった。

その、あまりの眩しさに、目を閉じたが少しして目が慣れてきて辺りを見渡した。


そこには観たことのないほどの人がいた。


水平線の彼方


どこまでも人が続いていた。

そしてある事に気づく、さっき話してたのは隣の家の大学生の戸丸くんだった。


やあ戸丸君じゃないか。


え、何とかあんちゃらさんちゃらスポーツの隅々さん。


あ、嘘びっくり。


よく見ると自分の周りの人はみんな見たことある人ばかりだった。


もしかして場所はそのままで凝縮されて転送みたいなされたのかな。

だったら遠くにいる人は知らない人かもな。


でも明らかに全員がここにいるわけじゃない事は分かる。僕の妻と子供が居ないから。ま、ここの方が非日常だから今は家族が普段通り過ごしている事に期待しておこう。


それにしてもどうして急に明るくなったんだろう。

上を見上げても特に何かある訳でもなく下を見ても何も無い

横を見れば人が沢山いるここはなんなんだ。


それから数時間が立ちトイレの限界が近づいてきた。


何ある変化があったさっきまでずっと人の行列だったのに人が少なくなってきた。


そうか、1番外側の人が動き出したのだろう。


そして少し隙間が広くなってとりあえず申し訳ないがトイレをした。


しかし興味深いな僕が中心に居たわけじゃないだろうに何故か前も後ろも右も左もみんなが均等に移動したように隙間ができていた。

例えば机に大量の水をこぼして逆再生した時それは当然のように落とした場所に戻っていくが僕がいるところを、真ん中より右だと仮定すれば右側の方が早く戻る事ができるはずなのだ。

左側は少し遅れる


という事は僕がいた場所が真ん中なのかそれとも右と左で人の密度が違い偶然、一緒に動き出したのか?


いやそもそも人が動いているのだそれは不規則なのだろう。


しかしもし私が真ん中なのならば、何か原因の一部があるのかも知れない。


特にする事がないので外側に歩きながら考えました。


何となく右側に進んだ、僕がずっと見ていた方向に。


それからここにいた人達は全員死にました。この場所は食べ物も生き物も土も作り物も水も何も無かった。普通に息がすえていることさえ、不思議になる程何も無かった。

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