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知らない天井と知らない女性

「ん、ここは…。」


目覚めると知らない天井で、知らない女性に手を握られていた。


「お目覚めですか?良かったです!このまま死んじゃうかと思いましたよ。」


おれはそんなに寝ていたのか?なにかの怪我だったり…。


「きみは?」


「私はスリア。このラムの長村のゴマです。」


おかしい。何かがおかしい。何せおれは研究室でフェルマーの最終定理の証明をしていたんだぞ。


「とりあえず、ズミでもどうぞ。」


「え、おい、お前誰だよ…。」


そこに映ったのはおれの知らない顔だった。


「え?さっきも言いましたよ?私はスリア…」


「違う!おれは誰だと…そう言っている…。」


混乱して上手く声が出ない。加えて彼女の困惑した表情。ああ、誰か説明してくれ。


「大丈夫…ですか?マタアを強くぶつけたみたいなのでウノにジーメダがあったのでしょうか。」


さっきからこいつ何言ってんだ?名詞の部分だけ変な気がするけど…。


「なぁスリアさん。」


「はい?」


おれは意を決して聞いてみた。


「ここってもしかして本日?」


「は、はい。もしかして害障憶記ですか?大変だ!早く様者医おに見てもらわないと…。」


やっぱり。もしかして名詞の部分の2n文字以上の漢字は漢字のまま後ろから、1文字の漢字はカタカナに直して後ろ読みしている世界に来てしまったのか?でもスリアの一人称は私…。おれの仮説だとシタワになるはず。固有名詞は逆にならない…?


「大丈夫だよスリアさん。ちょっと乱混しただけだ。」


「ですが…。分自ごのオカ思い出しました?」


自分の顔…。そうだった。おれは研究室でフェルマーの最終定理の証明をしていたんだった。そういえばあの時誰かに呼ばれて…。あーだめだ。そこから記憶が無い。あれは誰だったんだ?


「あ、ああ。思い出したよ。大丈夫大丈夫。心配してくれてありがとう。」


「しん…ぱい?…。心配ってなんですか?」


あーあ。やっべー気を抜くとすぐこれだ。この事象は数学的に…あ、違う。科学的に説明が付かない。不可思議な現象だ。仕方ない。ここは数学を極める者として証明の責務を果たそうではないか。



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