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秘密の場所

作者:

題名「秘密の場所」



●登場人物

織田家康(アイドル。二十五歳くらい)

谷崎(催眠術師・偽)

司会者

スタッフ

芸能レポーター

ある家族(父、母、娘)

小野寺南友(女優)

その他



○テレビ局楽屋

スタッフが織田に説明している。

スタッフ「当企画では偽の催眠術師を使って映画の宣伝をします」

織田「(台本を見ながら)了解です」

スタッフ「“死体の在りかが気になる方は、是非、映画「秘密の場所」をご覧下さい!”の台詞の後に催眠術は解かれます」


○テレビ局

本番中。

司会者「それでは織田さん。準備はよろしいですか?」

織田「はい」

司会者「では谷崎さん。お願いします!」

谷崎「(司会者に頷いてから)それでは織田さん。今から私が三つ数えると、あなたは眠りに落ちます。そして、あなたは──」


×××


織田が催眠術に掛かっている。

司会者「──織田さんの飾らない人柄が色々と分かってきたところで、今からはもっと深い質問をして参りましょう。

先ずは、この質問から。織田さん。今回主演された映画にちなんで、何か秘密にしていることはありますか?谷崎さん。お願いします」

谷崎「何か秘密にしていることはありますか?」

織田「人を殺しました」

司会者「おぉ!まるで映画とリンクしたような衝撃的な答えが!──で、誰を殺したのです?」

谷崎「誰を殺しましたか?」

織田「恋人」

司会者「おおお!このまま続けてもいいのでしょうか?でも聞いちゃいましょう!──織田さん。正直にお答え下さい。殺して死体をどうしました?」

谷崎「殺して死体をどうしました?」

織田「隠しました」

司会者「そ、それはどこでしょう!?」

谷崎「それはどこでしょう?」

織田「××川の河原。××橋の下です」

司会者「え?ははは。“死体の在りかが気になる方は、是非、映画「秘密の場所」をご覧下さい!”ですよね。で、では、そろそろ催眠術を解いて頂きましょう。きょ、今日は、ホラー映画「秘密の場所」で主役を演じられた、織田家康さんに来て頂きました!」


○リビング(夜)

ある家族がテレビを見ている。テレビ画面には、××川の××橋が映っている。


○テレビ画面(夜)

芸能レポーター「本日午後三時ごろ、この橋の下で、女優の小野寺南友さんの遺体が発見されました。犯人の可能性のある織田家康さんの所在は現在も分かっておりません。

遺体発見のきっかけはテレビ番組で、それを見たファンの女性が戯れに地面を掘っていたら、本当に遺体が見付かってしまったということです。

ご覧下さい。遺体は橋の下に埋められていました。まだ調査が続けられています。あの青いシートのある場所で、小野寺南友さんの遺体が発見されました。本当に残念です。これは芸能史に残る悲劇です。

えー。事務所は異なりますが、二人は同じ年にデビューして、その翌年にはバラエティ番組で意気投合、まるで仲の良い兄妹みたいだったということです。

ああ。本当に何ということでしょう!」


○リビング(夜)

母親「アイドルが人を殺すなんて、びっくりだわ!」


谷崎「(司会者に頷いてから)それでは織田さん。今から私が三つ数えると、あなたは眠りに落ちます。そしてパンと一度だけ手を叩くと、あなたは──」

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