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俺が白月蒼子を嫌う理由  作者: kuroro
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一通り葉原との話が終わったところで、俺は一度店内に入り、レジの横に置いてある保温用のショーケースから半額セール中のフライドチキンを1つ選んで購入し、店員から商品を受け取るとそのまま店を出た。


店の外では葉原が、手に持ったビニール袋の中からホットスナックを取り出して、何かの作業でもしているかのように次々と口へ運んでいる。


しかし、俺がコンビニから出てきたのを見ると、葉原は食べる手と口を一旦止めて、俺の横に付いて歩き出した。


そうして隣り合いながらコンビニの駐車場を抜けて歩道へ出ると、葉原は再びビニール袋の中身をガサゴソと漁って紙袋に包まれたホットスナックを1つ取り出した。



「そんなに食って大丈夫かよ。見てるこっちが胸焼けしそうだわ」


「余裕だよ。女子高生は毎日が体力勝負だからね! これくらい普通普通」


「そうか……、普通か……」


俺の知ってる女子高生とは『普通』の定義が少し異なる気もするが、気にしないでおこう。


そうして俺も買ってきたフライドチキンをビニール袋から取り出すと、丁寧に包み紙を剥がして勢いよく齧り付いた。


サクッとした衣とほろほろとした柔らかくジューシーな鶏肉から、塩気の効いた肉汁が止めどなく溢れ出てくる。


十分に咀嚼した肉をゴクリと一口飲み込めば、食道から空っぽだった胃に向かって、ゆっくりと落ちていくのが分かる。



「うめぇ……」


気がつけば、ものの2分としないうちに購入したフライドチキンは全て胃の中へと消えてしまっていた。


そんなフライドチキンの余韻に浸っている俺の隣では、未だに葉原がもぐもぐと休む様子なくホットスナックを口へと運んでいる。



それからしばらくの間、特に会話を挟むことなく歩いていると、ようやく全てのホットスナックを食べ終えた葉原が満足そうな表情を浮かべながら語りかけてきた。



「ねぇ、晴人くん」


「どうした」


「……高校って、楽しいところだね」


食べ終えたホットスナックの余韻に浸っているのか、それとも入学して間もない高校生活に対する期待や憧れによるものなのか、葉原の声は楽しそうに弾んでいる。



「まぁ、そうだな。特に入学当初は、新しい環境の変化に慣れていかないといけないっていう焦りや不安もある分、心が踊るような楽しいことも色々とあるからな」


「2年生になると、そうでもなくなるの?」


小柄な葉原は、俺の顔を少し見上げるように首をこちらに向ける。



「1年もすれば、自ずと学校生活には慣れてくる。だから、結構時間に余裕が生まれるし、放課後には部活動に励んだり、友人同士で街へ出かけたり、新しい楽しみが増える。けれどその分、新しい変化がどんどん減っていって学校での生活が退屈になっていくってのも事実だな。特にテストなんてのは体力・精神共にゴリゴリ削られるからかなりきついぞ」


まさに今の俺がそれだ。

あの白月になんとしてでもテストの得点で勝利すべく、いつも以上にプレッシャーがかかっている。


葉原はそんな俺の話に耳を傾けながら、うんうんと首を縦に振ると、少し考え込むように小さく口を開いた。



「部活かぁ……」


「葉原は部活には所属してないのか?」


「あー……うん。やりたいとは思ってるんだけど、なかなか興味を惹かれるような部がなくてね〜」


「いろいろ体験してみたらどうだ? 新しい発見とかあるかもしれないぞ」



帰宅部の俺から言われても説得力に欠けるだろうが、一応やるだけやってみた方がいいのは事実。何事も経験あるのみだ。


様々なことに挑戦できるっていうのは恵まれたことであり、ひょっとするとその中に自分の才能を発揮できるものもあるかもしれない。


俺の場合は勉強に時間を当てるために部活動には所属していないが、そういう理由でないのなら、部活動には積極的に参加すべきだ。



「そうだね。とりあえず中間テストが終わったら、もう一度調べてみることにする。晴人くんも、何かオススメの部活あったら紹介してね!」


「おう」



そんな会話を続けているうちに、気がつけば自宅の近くまで来ていた。



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