表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

機能確認のついでに書いた雑記

雑記:人に言われるとそれしか無くなる編 籠城戦

作者: 音押もずく

何故か誰かが強く言うと、それしか無いと言った風に勘違いする人がいる様で、何となくそうじゃ無いよねと思った事を書き綴る。


籠城戦。

これを行う時に、何故かニコニコだと「援軍が来る事が前提で無いと意味無いよね」というコメが結構発生する。え?そうなの?


クラウゼヴィッツの戦争論では、戦争の最大の目的は相手戦力の殲滅であるという事と、まぁそれは無理だから次善の目的を見つけそれを果たすに十分な戦力を有する事の大切さを説いている(ちょっと違うかも知れんが)。これを元に地形効果の高い城塞に篭って相手戦力を叩くという事は、敵が味方側を征服する為の戦力を著しく欠いていく事に意味がある。つまり敵戦力を地形効果で大幅に削ぐ事で勝利条件あるいは防衛条件を満たす事は可能である。


無論これを恐れて攻め込まなければ兵糧を消費していく。そういう訳で次は相手の兵糧攻めである。よく城側が兵糧攻めで堕ちる話はみられるが、攻め側であったか?と思う人もいるだろう。だが攻め手の兵糧が尽きる場合は撤退としてよく描写されている筈である。相手は城よりも野外にいるのだから余程兵糧の備蓄が難しい。北条家が秀吉軍に降伏したのは、近場に城を築かれた事によるが、これは北条を包囲する為の準備特に兵糧備蓄などが包囲軍のすぐ近くに出来てしまった事に解囲の望みが無くなったからであろう。


これ以外にも冬が来るとか雨季が来る等の、相手も知っている或いは知らない野外生活への困難が来る事を見越しての防御戦がある。


援軍が来る事が前提であるのは、相手が始めからこちらに対して兵糧攻めを志向している場合、もう一つが大軍であり短時間でも城が落とされ兼ねない場合である。前者は言うに及ばずだが、後者は実は兵力に余裕があれば援軍で無くても対処法がある。呂布軍が曹操軍に包囲される際に採ろうとした手で、張遼を別働隊として外に出す予定であった話、それである。

防御戦、その中でも静的防御は拠点内で相手を待ち受ける防御法であるが、最大の弱点が一つある。拠点に引籠るために「主導権」が握りにくい事である。即ち相手が攻めたい時に攻めて、引きたい時に引ける、これを相手任せにさせ続けると城内の兵はいつ休めるのか分からず疲弊度が増す。これを押し留める事が出来るのが外部にいる別働隊による攻城戦の妨害や、包囲軍の兵糧経路の切断である。


そもそも曹操は、これとは逆に袁紹軍との決戦でこれを成功させている。烏巣の穀物庫への急襲である。この前哨で数十万の敵を防御しながら、敵の後方に別働隊を放ち複数あった補給線をズタズタにした様だ。その為に袁紹軍は補給線が細過ぎて効率が悪くなった事を憂えて、ズッと後方の烏巣に兵糧を集約する穀物庫を設置した様だ。本来ならバレる様な距離では無かった様だが敵将の裏切りにより位置を掴んで、という流れになるようだ。だがそこまで至るに重要なのは、矢張り防御戦とその最中での別働隊による敵方の後方撹乱であった事は間違いないのでは無いかと思う。


まぁこの様に籠城戦の勝利手法としては、地形による敵戦力の削減、敵兵糧の限界による撤退、気候による滞陣不可能な状況を待つ、籠城側の別働隊で相手側の疲労や削減を行う、など援軍が無ければどうしようも無いというものでは無いという事が、過去の事例からも分かるのである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ