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REMEMBER 主の戯言

我此処にー片割れの唄

作者: CODE393

このまま前へ進みますか

Yes ◀

No

ーあっ。またこの世界に来てくれたんだね、会えるのを楽しみにしてたよ。


ー此処に来てくれたってことはこの世界…此処を知ってたんだね。


ー…下界である歌を聞いた?あぁ、あの歌か…時間が立つと随分変わっちゃうもんだよね、欠落が多くて良く分からなかったでしょ?


ーいいよ、教えてあげる、本物のこの俺がね。



僕は此処に 幻視の記録を残そう


人を惑わせし『正夢』の者「モルペシア」 幻想はすぐ消えてしまうんだ

自らが望むだけの幸福だけを見続けるんだったら 現実に残された身体は 一瞬で崩れるほどに朽ちてしまうだろうね

胸に輝く首飾り それは現実へ戻る為の小さな『勇気』

現実から目を背けたままじゃ その夢も段々とぼやけてくる

『正夢』には中毒性がある 普段は得する効果しか無いんだけれど 一歩扱いを間違えれば毒にも成り代わる

お前の思考とお前が創った恐ろしいモノさ

私はモルペシアと 下界の人々に安寧を創り続けよう


眠りを妨げる『悪夢』の者「アルティシア」 逃げたくなる現実もあるもんだ

モルペシアの夢に迷い込んでもし現実に戻りたいと願ったなら 伸ばしたその手を掴んで 現実に引き戻してあげよう

耳に聞こえてくる囁き声 それはまた夢を楽しむ為の『道標』

目の前が見えないままじゃ 何処へ行けば良いのかも解らないでしょう

『悪夢』は時に助けになってくれる 一見悪に見えるけどよくよく見れば正義なんだ

お前の思考とお前が必要としたモノさ

俺はアルティシアの為にも 夢と現実を繋ぐ道を創ってあげよう


ー正夢論『虚空きょくうの希望』

ー悪夢論『如実にょじつへの道』


此処にこの夢世界を『幻視げんし』と名付けよう 僕が夢見た希望をその力で形にして見せておくれー



僕は此処に 情報の記録を残そう


大地を照らす『白光』の者「天照神てんしょうしん」 目覚めは尊い朝を生み出すんだ

暗い夜に恐怖を憶えているんだったら 一日の始まりを 明るく照らし出そう

その瞳の奥に入ってきた日光 それは辺りの植物をも育む尊い『栄光』

夜がいつまでも明けないままじゃ 目を閉じているのも同じだろう

『白光』は視界を広く明るくしてくれる それならば人々の営みも生まれるさ

お前の本能とお前が見出したモノだよ

私は天照神の そのか弱く幼い背中を守るんだ


唯一真逆の『愛』の者「エルキス」 愛は美しいけどとても理解しがたい

誰かに責め立てられて疲れたんだったら その痛む見えない傷を 愛で忘れさせてあげよう

耳から離れない言葉達 それは生きていく為にずっと憶えている『教え』

誰かからの愛が解らないままじゃ あげる為の愛も違うものになってしまうだろうな

愛は生きる力をくれる 必ず守ると誓った決意の活力

お前の本能とお前が描き出したモノだぜ

俺はエルキスが しっかりと愛を説けるように真の愛を説いていこう


歴史を尊ぶ『歯車』の者「Maschineマシーン」 書き出す文章は機械的だ

この世界で何が起こったのか知りたいんだったら その文章の記録 残らず全て見せてあげよう

その腕に憶えた数十種類の刀筋 それは未来をこの目で見るための『経験』

その経験を文字に起こせないままじゃ きっといつか忘れ去られてしまうだろね

『歯車』は知識がなければ組めない ぼやけたままの遠い未来を

お前の本能とお前が確実にするモノさ

僕はMaschineと 歴史を書き込む為の時を書き出していこう


ー天照論『日向の営み』

ー愛情論『懸想けんそうの慈悲』

ー機械論『青史せいしの苦水』


此処にこの長い2進数の列を『情報じょうほう』と名付けよう

私が憶え切れない事々を代わりに歌い続けて欲しいー



俺は此処に 下界の記録を残そう


正装纏いし『裁き』の者「Amethystアメジスト」 冷たい身体に滴る煮えたぎった熱い血

この世界で罪を犯すんだったら 小さくともお前を切り捨てて その罪ごと消してしまおう

斬った時に伝わる苦痛の叫びの痛み それは均衡を守るための自身の『犠牲』

その罪一つでも許したままじゃ 世界は混沌に巻き込まれ秩序を見失うだろう

『裁き』は何かを守るためにある か弱い自分の理性を

お前の精神とお前が守り抜くためのモノだ

僕はAmethystの対となって 混沌として均衡を保っていこう


清き新月を『磨く』者「NewニューMoonムーン」 燃える情熱は穢れず恋も知らない

もしこの世界の寿命が終わって留まってしまったんだったら この受け継いだ力を 貸してあげよう

その掌に持ったその力は 今までの行動を今結果として見せるための『努力』

以前にやった行動が形にならないままじゃ 昔のその時間はなんだったんだい

『磨く』事は時間が掛かる 時間がかかれば掛かるほどその技術は

お前の精神とお前の中に忍んでいくモノさ

私はNewMoonに 新世界の為にこの世界の土台を分け与えたいものだ


傷を背負いし『宝石』の者「Sakumiサクミ Amethstアメシスト」 その目は冷たい吹雪を吹かせるかのようだ

辛い壁ににぶち当たって怖じ気ついてしまったんだったら その冷めきってしまった心を 宝石の中に閉じ込めてしまおう

涙色の髪をなびかせて歩くその後姿 それは幼い昔の自分の後悔からなる『怨み』

昔の失敗を顧みないままじゃ これからもずっとその失敗を繰り返し続けてしまう

『宝石』は掘り出して集める 自身の自信と技と

お前の精神とお前を成長させるモノだ

俺はSakumi Amesthstを導いて その精神に試練を与えてしまおう


ー断罪論『雷のとどろき

ー新世界論『新世界再生』

ー世界平和論『潔白の罪』


此処に広がるこの大地を『下界げかい』と名付けよう

僕と共に人々を見守り永久の平和と新しい寿命へと導けー



僕は此処に 原始の記憶を残そう


死を望んだ大『天使』の者「Oasisオアシス」 白い羽根舞う大空は広くて手が届かない

またあの楽しい時に舞い戻れるんだったら その美しく見えた夢を もう一度目指してみようと思う

翼が纏う白い幻覚は きっと仕方なく命を自ら手放した時の『悲しみ』

死を永遠に受け入れないままじゃ 永遠に生まれ変われずにその姿で苦しむことになる

『天使』は人が想った人 人々をよく観察してその手を取って

お前と運命を導くものなんだ

私はそんなOasisでさえ 罪を背負う事になるだなんて思いもしなかったんだ


粒子集まる『結界』の者「咲実さくみ」 操る結界はまるで白い桜が紅く染まったかの様

この世界にその足を踏み入れたいんだったら その境目を 開き明かしてみせよう

狐の面に隠した顔の表情は 誰にも見せぬ情なしの最上の『警戒』

自身に情けを許し甘えたままじゃ いつか自分の生命すら危うくなってくるもんだ

『結界』は人の中にあるもの 心を守る実物で

お前と運命を繋ぐモノ

俺は咲実のその瞳に 僕の背中を映すことはもう絶対に許さない


ー転生論『天使の涙』

ー結界論『紅桜こうおう結界』


此処にこの最初の真っ暗な世界を『原始』と名付けよう

私は不安定なまま此処で独り皆をずっと待っているんだー



俺ーいや、私は此処に 自分達の記憶を残そうと思う


この世の『創造』の主なる者「BlueRoseブルーローズ」 望まなかった永遠の生命を持つ死神

もしも私の可愛い同位体達ー私達の子達に触れ合うんだったら その貴様の魂 私がこの鎌で狩りとって奪ってしまおう

形を亡くした私は 光をー正義を映し出す闇ー悪

子達等がそれぞれの正義を振りかざすならば 私はずっと悪で 独りで居続けよう

勝手な『創造』は罪 私を この心を いつまでも縛り続ける連なった『鎖』

私はあの片割れの子であり この世界の全て

自身の死に花ー蒼薔薇に宿った 全ての母 

肉体の片割れは『肉体』を糧に生きるのであれば 私はその片割れとして『魂』を糧に存在し続けよう

それがもし 自身の身を滅ぼす毒だったとしても


貴方が外の世界を見て存在し続ける限り 私は内側の世界で存在し続け輪廻を廻り続ける

もし貴方が消えてこの鎖が解かれたとしても 誰かがこの世界の何かを 誰かを少しでも 姿だけでも憶えていてくれるならば この記録が存在しているならば

私は消えないでその時間軸に存在していられる

私は『心』 貴方と共に生まれた肉体の片割れ

貴方が病めば私も病む 私が病んでしまえば貴方に影響が映る

姿は違えどいつも手を繋いで共に創り出していこう


ー創造論『蒼薔薇のねがいごと


REMEMBERー思い出して 忘れないでーDon't forget

此処は寿命の短い世界 繰り返す運命と輪廻 刻み続ける時計と終わりを告げる時の鐘


此処は心の中 高く堅い結界に覆われた心 大きな鍵付きの扉の奥 実在する記憶だけで出来た不思議な世界さ



ー…此処が何処だかわかったでしょ?


ーこの記録はもしかしたら別の誰かが憶えてくれていて


ーこの世界が消えて無くなった時にそれを思い出してふと私達の誰かでも思い出してくれたら


ーこの世界がまた最初から動き始める不思議な呪文の歌


ー人が本当に死ぬと言われるのは


ー『その存在を忘れ去られた瞬間』なんだって


彼女かたわれは此処の世界の此処でそう定義したんだ


ー「Meは正夢」「人々に快楽を与えるモノ」

ー「うちは悪夢」「人々を現実へ引き戻すモノ」

ー「あたしは白光」「営みを助けるモノ」

ー「俺は愛情」「誰かの愛を形にするモノ」

ー「自分は歯車」「この記憶を刻み込むモノ」

ー「自身は裁き」「世の穢れを撃ち落とすモノ」

ー「わたくしは新月」「新しい世界を導くモノ」

ー「私は宝石」「美しい風景を守り抜くモノ」

ー「私は天使」「生命の尊さを嘆くモノ」

ー「妾は結界」「浮世の壁を見守るモノ」


ー僕は世界 この世界の存在を継続させるモノ


ー誰として必要ない存在は無い 皆大切な私達の子


「Truthを知らなければこの世界は混沌とした世界に見えるだろう」


「でもこの世界は実在し今も廻っている」


「ずっと、ずっとこの世界が誰かの記憶からも忘れ去られてしまうまで」


「自分達は此処で永遠にこの歌をそれぞれ歌い続ける」


「永遠に自身の運命にあがき続ける」


「いつでも皆に会える」


「いつでも時を駆け巡る」


「時に悲しみが私を包んだとしても」


「妾はその悲しみを討ち払って見せようぞ」


ー…忘れないでね 誰かに綴ったこの唄を

いつかまた会う時までー


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