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吉岡綾乃は最強の魔法をかけた  作者: 椿 雅香
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魔法使い三人組

いよいよ魔法使い三人組の登場です。

 静香は、私と違って容姿も素晴らしい。初めて会った時も美しい少女だと思ったが、大学二年の現在、花のような美しさで、魔法使いだけじゃなく、たくさんの男達が逆上せている。学部は教育学部だが、予定通り先生になったら、子供達に慕われるだろう。

 しかし、その美しさが災いして、子供の頃から彼女を心の中で弄ぶ者が大勢いたという。藍の力のせいで、その淫らな妄想がそのまま静香に流れて来て……とんでもない話だ。

 高校二年の文化祭で、手品部として舞台に出演した時も、開演を待つ客席では、静香を(さかな)にした淫らな妄想が凄まじかった。

 中島と小西は、二人して、そんな静香を幼い頃から必死に守って来たのだ。静香が今日あるのは、あの二人のおかげだと言っても過言じゃない。

 小西は、青の力があるので、龍の友達がいた。それに触発されて、私の友達になってくれる龍を探したのも高校二年のことだ。

 長老の差し金で、彼氏や親友と別れた。せっかくできた一般人の友人達とも疎遠になった。それなのに、魔法使いや魔女とは価値観が違いすぎて付き合えない。子供の頃からのすり込みって恐ろしい。魔法使いや魔女達は、魔力の有無や色数の多さで差別するのだ。疎外感を感じた私は、心の友となってくれる龍を探した。

 そんな私を、魔法使い三人組はさりげなく見守ってくれた。私は三人を頼りにしたが、事情が分かるに連れて息苦しさを感じるようになった。

 三人は不思議な三角関係だった。美しいパーフェクトの静香を仲の良い中島と小西が静かに争っていたのだ。中島と小西は、どちらも静香のことを好いているのに、互いに遠慮しあっていた。

 私は、徐々に中島や小西に好意を持ち始め、二人が私のことを静香の次に好いてくれていることに寂しさを覚えた。付き合った時間が違うのだ。静香を押しのけて私が一番なんてあり得ない話だ。二人にとって私は、静香と対等に付き合える得難い魔女という程度で、あの連中に恋をするなんて自殺行為だった。親切はありがたくいただこう。でも、必要以上に親しくなるのはやめよう。後で、悲しい思いをしたくない。そう心に決めた。

 そんな三人組と平常心で付き合うためにも友達が必要だった。魔法使いは論外だし、一般人はダメ出しされる。ならば、龍が良いと思ったのだ。

 必死に探して、やっとのことで龍のタツヤと出会った。古びた池で孤独に生きてきたタツヤと私は心の友となった。だが、タツヤが発情して事態は一変した。魔法使い三人組が先生にチクッたのだ。先生は、私にタツヤを上杉謙信の時代に時空移動させるよう命じ、私に二度とタツヤに会えない魔法をかけた。

 何もかも三人組のせいだった。頭に来た私は、三人組と決裂した。

 だが、マイナスの感情は長続きしないようだ。ましてや、相手が誠意を持って謝る場合はなおさらだ。小学生じゃあるまいし、いつまでも腹を立てていても、タツヤが戻って来るわけでもない。諦めて、ほどほどに付き合うことにして今に至っている。


詳しくは、『吉岡綾乃は魔女をやめたい』で。

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